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【小説】「twenty all」211
全ては、
この日、この時の為・・・
全国高等学校弓道大会県二次予選。
今日、全てが決着する。
「行くぞ」
後ろの三人に声を掛け、空良は県立風ノ宮弓道場に立った。
小さく深呼吸をする。
(ついにここまで来た)
(あと、もう少し)
「さすがのお前も、緊張している様だな」
眼を閉じて黙想している御角に、試合矢を準備していた外西が声を掛ける。
「緊張ではなく、武者震いですね」
帽子のつばを上げて、御角は言った。
「個人戦は射詰め競射がある、直接あいつと戦えるチャンスですから」
「・・・そうか」
本日の日程は男女個人戦4射の後、男女団体のトーナメント戦を準決勝まで行い、その後個人戦の決勝、最後に団体戦の決勝という流れになっている。
男子個人戦は先月の一次予選で8射5中以上の選手に参加資格が与えられており、今日の4射で3中以上したものが、その後の決勝射詰め競射に出場出来るのだ。
決勝射詰め競射は各自1本ずつ射ち、外れた者は脱落、最後まで抜かなかった者が優勝となる。
ちなみにインターハイ本選出場枠は「2」
つまり、優勝・準優勝の二人が出場出来るのだ。
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