安倍・菅政権での10兆円大学ファンド創設を書かない共同通信
今日の共同通信の、こちらの配信記事だが、
政府が各種の基金に12.8兆円を投じたということで、基金は管理が甘くなるのなどと指摘している。
共同通信のサイトではここまでだが、地方の新聞紙面上では具体的にいくつかの基金を取り上げ、管理の不備の可能性を指摘し、まるで悪いことをやっているかのような記事になっている。
だが、少なくとも私が見た地方紙の記事に、令和3年度に創設した10兆円の大学ファンドが全く触れられていない。この大学ファンドは、岸田政権の経済対策としても謳われているので、全く触れられないのは如何にも不自然だ。
と思ってよくよく調べてみると、10兆円大学ファンドは
当面は4.5兆円で運用開始する
政府支出は0.5兆円で、残りの4兆円は財政投融資より資金調達する
とのことらしい。
この記事は、一般会計予算や特別会計予算からの資金拠出を問題にしているので、記事そのものは誤りではない。誤りではないが、これが適切な記事といえるのだろうか。
財政投融資といっても、実際は国債を発行するのだ(正確には国債の一種である財投債が中心で、そのほかにNTT株やJT株の配当などから賄う)。いずれにしても公金だし、4兆円はこの記事から言っても大きな金額だ。
それに、令和3年度財政投融資計画の中でも約1割にあたり、政策金融公庫に続いて大きな拠出である(表中の「国立研究開発法人科学技術振興機構」)。
記事中に「参院事務局への取材」とあるが、この取材中に大学ファンドのことが話題にならなかったのか。ならなかったとしても、記事を書いた記者や採用したデスク(?)など、だれも10兆円ファンドのことが頭に浮かばなかったのだろうか。
日本にとって科学技術は生命線だから、その振興のために巨額の予算を投じるのに、批判は難しいだろう。規模も大きい方が成果も出やすい。世論としても、そう反対はないはずだ。安倍・菅政権での大きな功績の1つと言える。
だからこそ、その功績を書きたくなかったのかと、疑いたくもなるというものだ。
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