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置かれた場所であばれたい

タイトル「置かれた場所であばれたい」を本屋で見た時に、瞬時に過去に創刊された題名が似ている本を思い出した。何とは言わない。その本は実家の本棚にも置いてあり、読書の習慣がない母親が数冊買ったうちの1つである。あとは「グレない子供を育てる食事」という題名だったと思う。お願いだから思春期の子供の前にその本を置いてかないでくれ…いや、私グレてんのかーいと当時は思った記憶がある。今でもそう思ってる。

作者の潮井エムコさんは、失礼ながら私は存じ上げなかったが、後書を読むとnoteでエッセイを書いているらしい。ふむふむ。読了後にnoteを辿っていったが、本での小気味が良い文章たちがnoteでもそのまま踊っていた。有料マガジンもあるらしくて本を読み終わって物足りない私はポチッと申し込もうと画策している。

エッセイは個人の性格が前面に出る。淡々と書き連ねる人や感情のジェットコースターを書く人、本当にさまざまでだからエッセイは面白い。この本はテンポが非常に良い、読んでいてタンタンンタン…ッと言ったような音楽で読み進めた。自分を客観的に見つつ、でも自分のことをすごく等身大に書いていて、クスッと笑えたり微笑んだりした。なんて楽しい文章なんだ。

だから一つ言いたい。最後のエッセイは、ずるい。もうずるいよエムコさん。あのテンポで書いておいて、最後のエッセイは目から何かが出てきそうだった。あの感情を感動と言わずしてなんと言おうか。しかもその感情は、特別感のある感情というよりも生活の沿線上に乗っかった感情が溢れ出している感じがした。

超特急で読んでしまって2周目に手をかけている自分と、noteのマガジン会員になろうと思っている自分がいる。

こういう出会いがあるからエッセイは面白い。

ポチッ


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