2020年11月 大分県安心院の農泊、舟板昔ばなしの家

画像1 大分県、安心院で20年以上前からグリーンツーズリムの一環として農泊を始めた、舟板昔ばなしの家。
画像2 昔ばなしの家の楽しい看板。この近辺の旧家の塗り壁には鏝絵の伝統があり、今も残っている家もある。
画像3 築140年という母屋の向かいにある築120年の建物の2階に泊めてもらう。食事は1階の囲炉裏の間。もともと2階はお母さんの両親の隠居部屋だったそうだ。
画像4 宿に着いたのが16時前。荷物を2階の部屋に置いてきてからこっちへいらっしゃいと、囲炉裏部屋に招き入れられた。旅館などで出される、お茶といわゆるおつきのおもてなしだろうと思いきや、いきなりビールは何がいいかと訊かれ、キリンを選ぶと、もうそこから飲食がスタート。これが我が家のもてなしだから、とお母さんが笑う。スッポン鍋が美味しそうに待っている。
画像5 この方が24年前から農泊を始めた中山ミヤ子さん。当時50代だったが、お嬢さんが嫁いだのを機に、何か新しいことを始めたいと思ったそうだ。1泊2食の基本料金7800円。今回はそこにスッポン料理を追加してもらった。プラス5000円。スッポンの原価だと後で領収書まで見せてもらった。ショットグラスにスッポンの血を注ぐ。
画像6 スッポンの卵と肝。特製のポン酢ダレでいただく。ねっとり旨い。鍋の身はゼラチン質がぷよぷよして旨い。鍋に入れるハクサイやシュンギクはつい先ほどお母さんが畑から抜いてきたもの。最後はスッポンの甲羅の周りも食べ尽くした。
画像7 こちらは猪肉と根菜の煮物。猪肉の脂身がとても美味しい。実は宿へ着く直前、切り通しの道路で、突然ウリボウを2匹連れたイノシシが車の前に現れ、ブレーキを踏んだ。横断中の親子はくるりと向きを変え、元の方へ戻っていった。近隣の畑によく出てくるそうだ。
画像8 このあたりの伝統メニュー、鶏の炊き込みご飯のおむすび。手編みの竹籠が素晴らしい。数十年前のものと言うが、今は作る人も少なくなったらしい。すっぽりかぶせる蓋もある。
画像9 お酒は自由に飲んでいいと言われた。酒代はとらない。ビールの後、特製ホットワインを出してもらったが、美味しかった。で、地元の麦焼酎、西の星もいただいた。これはすっきり系。
画像10 スッポン鍋と猪肉だけでも大ご馳走なのに、ドジョウが登場。安心院はスッポンの養殖で名高いが、実はドジョウの養殖も盛ん。東京の駒形どぜうで使われるドジョウは安心院から送られているとは初めて知った。駒形の先代社長は、この宿のチョー常連さんらしい。
画像11 ボウルにまずは赤ワインをドボドボ入れて、ドジョウにたっぷり飲ませる。しばらくして動きが弱った頃、すなわちドジョウが酩酊した頃、1匹ずつ串に刺して、炭火で焼く。
画像12 こちらが焼き上がったドジョウの赤ワイン焼き。味付けは塩のみ。これがめちゃくちゃ旨い。こんなドジョウの食べ方、初めて。はっきり言って、駒形のどぜう鍋より百倍美味しい。
画像13 囲炉裏の間にいろいろ飾ってあるのは、すべてお客さんの手になるもの。片隅の洗面所さえも、福岡の常連さんが、休みの度に通って造ってくれたという。
画像14 2階には広い部屋が3つ。こちらは一番奥の部屋で、ここで寝た。ちなみに、仕事から帰ってきた娘さんと、高校生のお孫さんが、布団を敷いてくれた。天井の立派な太い梁は松の木。
画像15 洗面台が廊下の窓の外にある。流しにかまきりがじっとへばりついていた。寒い時は、1階の洗面所で用を済ませる。
画像16 夜は相当冷え込んだ。朝、縁側の雨戸をあけると、冷気が襲ってきた。でも気持ちいい。
画像17 外から見た、上の写真の2階の縁側。
画像18 すぐそばの畑には、ダイコンやハクサイ、シュンギク、ナスなど多くの野菜が植えられている。この大きな葉っぱは、ブロッコリー。この先の田圃には霜がおりていた。しばらく歩いたら、足の裏が寒さで痺れてきた。
画像19 庭になっていた鬼柚子。実は何しろ大きさがハンパない。
画像20 庭には井戸もあった。昔はもちろん飲用に使われたが、今では夏にスイカを冷やすぐらい。五右衛門風呂を沸かす時に、子供達がここから水を汲むこともあるという。
画像21 竈の横にはピザ窯があった。料理店のお古をもらったそうだ。
画像22 2階の階段に飾られたタペストリー。古いお家だが、きれいに使われている。
画像23 朝ご飯もまた盛りだくさん。昨夜のスッポン鍋の出汁で雑炊。意外にあっさり美味しい。玉子焼きに焼き魚。豆腐も美味しい。納豆があるので炊きたての白ご飯をもらったら、これまた旨かった。味噌汁は手前味噌で。ほんのり甘くて美味。
画像24 一晩、醤油と味醂に漬けたという鹿肉を朝から焼いてくれた。驚くほど柔らかな身。朝から吞みたくなる逸品だった。
画像25 昨夜、富有柿を出してもらったのだが、好みの柔らかいのを選んだ。そしたら、今朝は大正柿を出してくれた。これは熟し柿で食べるものとのこと。トロリと旨かったなあ。
画像26 宿の近くに道の駅いんない、がある。宿に入る前に立ち寄ってみた。水槽に、日本一という大きなオオサンショウウオが飼われていた。
画像27 道の駅いんないのすぐ近くに、見事な石橋があった。荒瀬橋。院内地区には昔から石工が多かったそうで、たくさんの石橋があ作られた。今もいくつかは残っている。
画像28 お宿はGoToトラベルの対象ではなかったが、その代わり、宇佐市からひとり2000円分の振興券がもらえた。
画像29 チェックアウトした後で、また道の駅いんないに立ち寄って、この手作りの竹籠を買った。5000円。振興券4000円に不足分を足して、買うことができて、ラッキー!
画像30 昨夜は16時から4時間以上、囲炉裏端で吞んで食べて、お腹いっぱいになって、2階に引き上げ、テレビを少し見て寝てしまった。なので、翌朝、安心院温泉で立ち寄り湯をした。つるつるした手触りの美肌系のいい湯だった。300円。

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