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「進化」の方法 ~【櫻坂46】グループの未来を考える~

本日から、乃木坂46の五期生11名の発表が順次されていくようである。
早速、一人目の井上和さんの紹介動画が上がっていた。
その初々しい姿を見ていた時、ふと坂道グループの「進化」について考えてしまった。

坂道グループの進化について、今までの方法を振り返ってみると・・・。

乃木坂46の場合は、最初から名称を変えることもなく、メンバーを加入させることで、大人数グループとなってきた。途中、特にコンセプトの変化もなく、結成当時からのスタイルを継続している。

日向坂46は、「けやき坂46」から「日向坂46」へと改名することになったが、どちらかと言えば、不遇な時代から脱却するための前向きで明るい「改名」であった。
メンバーも、けやき坂46から変わることなく、わずかに三期生が追加されるだけに留まっている。
パフォーマンススタイルは、けやき坂46の頃は、特に目立ったものがなかったのだが、今に思い返してみると、欅坂46にはない「明るくて元気いっぱい」という印象が強かった。
そのスタイルは、「ハッピーオーラ」に昇華され、現在に至っている。

さて、櫻坂46はどうだろうか。
2020年10月に、「欅坂46」から「櫻坂46」へと改名することになった。
これは、欅坂46として、8枚目シングル「黒い羊」を2019年2月27日に発売して以来、次の一手を打てないままという停滞期を払拭する意味合いが強い。
もちろん、「明るく前向き」という意味では、日向坂46と改名動機は同じなのだが、それは同時に、欅坂46としての輝かしい実績を封印することを余儀なくされる。
これはファンにとっても、メンバーにとっても、非常につらい選択であったことは間違いない。
今まで最強の武器となっていた「楽曲とパフォーマンス」が、使えない状況におかれてしまうからだ。
また、改名した時、卒業したメンバーが一人だったため、余計に名前だけを変えたという印象が世間に広まる結果となってしまった。
ファンであれば、その改名までの経緯がわかるため、ある意味、納得できる部分もあるのだが、その他大勢からすれば、理由がよくわからないというのが実情だろう。

それでも、メンバーは変わらなくても、「櫻坂46」として、必死の努力を重ねて、独自のスタイルを築き上げてきている。
その1年目の集大成が、昨年末に行われた『櫻坂46 1st YEAR ANNIVERSARY LIVE』であろう。
ここでは、櫻坂46としての「新しい未来」を感じることができた。
と同時に、欅坂46時代のライブで感じられた「独特の感覚」も味わうことができたのが嬉しい。
欅坂46時代のライブでは、単なる「参加できて嬉しい」という感情と共に、見終わった後、良い意味で「ドッと疲れる感覚」におそわれることが多かった。
それは、全体のパフォーマンスに込められた思いや情熱が大きすぎて、すぐには消化できない状態と言えるかもしれない。
改名した後のライブで、何か物足りなさをずっと感じていたのだが、昨年末の1周年記念ライブを経験して、「あ、この感覚だ!」と気づくことが出来た。
この観客たちに浴びせるように発せられる情報量の多さが、彼女たちのライブの真骨頂なのだ。

この感覚がやっと戻ってきたことから、もう櫻坂46のライブを観たくて仕方がない状態が続いているのだが、そんな矢先の「卒業」ラッシュである。
ここに来て、再び、彼女たちの「進化」が問われることになったと言うことができるだろう。
今までの進化は、メンバーを変えることなく、名前を変えるということで、それなりに凌ぐことができた。
しかし、櫻エイトから、「Wわたなべ」が脱けることの意味は決して小さくないだろう。

これからは、今までの延長線ではなく、全く異なるアプローチが必要となるかもしれない。
それは、今まで地を這いながら生きてきた毛虫が、サナギとなり、蝶となって飛び立つくらいの劇的なものとなるだろう。

次の一手がどうなるのか、今から非常に楽しみである。


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