恥をかくことの大切さ ~【櫻坂46】二期生という存在の重要性~
欅坂46と日向坂46の決定的な違いは何か。
それは、恥がかけるグループか否かではないかと思う。
欅坂46のメンバーは、ドラマの仕事に対して、余り喜んで取り組んでいるように感じられなかった。一部、小林由依さんや佐藤詩織さん、石森虹花さんなどは、積極的に演技に向き合っていたようであるが、それ以外は、どこか殻を破りきれないまま、ドラマ収録を終えてしまっていた印象がある。
それに比べると、日向坂46のメンバーは、ドラマの仕事に対して、活き活きと取り組んでいて、観ていても気持ちが良い。渡邉美穂さんや小坂菜緒さんなどは、村外のドラマや映画からオファーを受けるくらいの演技の評価が高い。
欅坂46のメンバーは、活動初期にいろいろな種類の仕事が一気に舞い込み、それをただひたすらこなしているうちに、時が経ってしまった。
加えて、悪目立ちしたくない、恥ずかしい思いをしたくないという気持ちが勝ちすぎて、どうしても演技に入り込めていないように感じることが多かった。
演技をしている自分を客観視してしまうことから、少しでも恥ずかしいと感じてしまうと、その場をごまかしてしまう。しっかりと演技に入り込んでいるメンバーがいても、自分にはできないと諦めてしまう。未熟で未完成な姿を見られたくないという気持ちから、与えられたキャラクターをやり切ることができないのだ。
この恥をかきたくないという気持ちが、自分から前に出て、何かをすることから遠ざけてしまうのだ。
ドラマやバラエティーでは、自ら前に出て、みんなが観ている前で何かをすることを要求される。その機会を自分から放棄してしまうため、才能が開花できずに終わってしまうのだ。
これは、SHOWROOM審査を受けていないことも影響しているのではないだろうか。
SHOWROOM審査では、なりふり構わず、未熟な状態の自分をさらさないといけない場面が多い。
幼い頃から、歌やダンスなどのレッスンを受けてきた才能豊かな応募者もいるが、総合プロデューサーの秋元さんが、完成された即戦力となりそうな人より、そうではない伸びしろが感じられる人を好む傾向にある。これがハロプロ系やK-POP系のグループアーティストとの決定的な違いである。
自分が推しているメンバーが、いろいろな仕事を経験しながら、成長していく様子を見せて、人気を得ていくというのが、坂道グループのファンが観たい姿であるのかもしれない。
そのフォーマットに一番沿っているのが、日向坂46と言えるだろう。
デビューする前から、SHOWROOM審査を経て、合格を勝ち取ったはずだったが、目の前に欅坂46という存在があり、なかなか日の目を見ない時期が続いた。
少しでもチャンスがあれば、それを確実に物にするために、出来る出来ないに関わらず、全力で打ち込んでいく。
番組アンケートに対しても、自分たちの経験の中から、エピソードを絞り出して、番組に貢献していこうとする。当然、人には言えないような恥ずかしい話なども出していかないと、面白いと思ってもらえないと考え、きわどい話でも披露していく。
仕事をオファーしてくれた相手や、その番組の視聴者が面白いと感じてくれるものが、どうやったら提供できるかを優先して、自分たちの気持ちを抑える場面も少なくなかっただろう。恥ずかしさより、相手の要求に応えようという気持ちを優先して、与えられた仕事を着実にこなしていったのだ。
その一つひとつを大切にしていく気持ちの蓄積が、現在の日向坂46の大活躍に繋がっている。
欅坂46は、鮮烈デビューをはたしたことから、あまり苦労せずに多くの仕事が与えられた。スキルを磨く時間も、仕事に打ち込む姿勢を培う暇も無く、目の前の仕事をこなしていかなければいけなかった。
そのような状況で、自分たちの実力を客観的に見たとき、周りのプロの方々との差に打ちのめされてしまったのだろう。出来ない自分に絶望しながら、自分でも納得できないまま仕事をしている彼女たちが、今ひとつ、殻を破りきれなかったのは、ある意味、仕方ないことなのかもしれない。
そんな「恥ずかしい姿をさらせなかった」欅坂46一期生にとって、二期生の存在は大きい。
スキルも経験も余りない二期生メンバーたちが、目の前の仕事に体当たりで取り組んでいるのを前にして、自分たちは出来ないとは言いにくい状況が生まれるからだ。
後輩たちが見守る中、自分たちの実力不足で、恥をかかざるを得ない場面があったとしても、その場から逃げることはできない。
このような状況に追い込まれることで、自然と「新しい自分」が見えてくる機会も増えてくることだろう。
一期生と二期生が、お互いの存在を感じながら、影響を与え続けていくことで、ますます魅力的なグループへと進化できるだろう。
恥ずかしさから逃げられない環境こそが、櫻坂46を大きくしていく絶好の機会である。
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