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君の物語 14 爪研ぎが躾けられない
最初のうちは爪研ぎを使ってもらおうと、私たちも頑張った。
またたびも、もちろん試した。
でもルゥは全く使ってくれなかった。
柱でバリバリ
壁でバリバリ
私のジーンズでパリパリ(痛い)
見ていると、爪をとぐシチュエーションはとても豊富だということに気づく。
気合いが入ったとき、困ったとき、照れ隠しのとき、気持ちを切り替えたいとき…
全てに対応するには、家中至る所に爪とぎが必要なんじゃないだろうか。(言い訳を探している)
何か張り切って爪とぎしたくなっても、そこへたどり着く前に気持ちが萎えてしまったりしないか?猫はどれくらいモチベーションを保つんだろう?家中あちこちに爪研ぎを置いたら足の踏み場がなくなるんじゃないか?四六時中蹴つまずいて歩くことになるんじゃないか?
(言い訳の補強になる材料を集めようとしている)
スタイルにもバリエーションがあった。体をぐーんと伸ばして高い位置でバリバリしたり。たまにびっくりするくらい低い位置で、へっぴり腰になりながらパリパリしていることもある。面白可愛くて、目の保養だ。
これはもう、好きにさせるしかない。その時々の心のままに研いでもらおうじゃないか。
(言い訳を正当化できたことにして、開き直る)
要するに、爪研ぎを使ってもらうことを早々に諦めた。
(言い訳の三段論法?)
こうして壁紙の内側がどんな構造になっているのか、知ることになる。
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