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旧正月の初詣⭐︎雪だるまがお迎えしてくれた話

令和6年の旧正月。
暖かい日で、お天気も良い。

なるほど、これなら
どちらかと言えば寒冷地の此所でも
「新春」と言えなくもない気がしてきた。

新暦の正月では、
すぐに大寒がやってくるから
とてもそんな気にはなれない。

立春を過ぎて最初の新月の日である旧正月。
あまりにもお天気が良くて、久しぶりにお出かけ気分になった。

春が立つと書いて立春。
なぜ、立つ?
そんな疑問から、
旅立つ
という言葉を想起して考察してみる。

旅立つというのは、
旅を始める時に使う。
旅行中や旅の終わりには使わない。

ならば立春は、
これから春が始まりますよ、という意味で捉えると妙に納得できた。

「暦の上ではもう春です」
なんて言われても納得できないが

「これから春が始まりますよ」
と言われれば、そうかもと思える感覚がある。

「立つ」は
「現われる」「生まれる」ということらしい。



新暦の元旦。
私は一応、家族と過ごすのが恒例だ。
初詣の神社も決まっている。

それとは別に
一人で行きたいお気に入りの神社があった。

別に忙しかったわけではないが、
寒くてお出掛け気分になれずに
新暦の1月は終わってしまっていた。

旧正月、そうだ初詣に行こう!

かねてから行きたいと思っていた神社に向かう。

何度か参拝させてもらっているお気に入りの神社だったが、まだ御朱印をいただいていなかった。

ちょうど旧正月の元旦なのだからちょうど良い。今日こそは御朱印をゲットするぞと車を走らせる。

そんなに遠くない場所に、その神社はあるが、
臨時駐車場から本殿までの石段はかなり長い。

車でも本殿まで行けるのは知っているが
一度その道を通ってみたら
かなり狭くて、怖くて引き返してしまったことがある。

もしかして道を間違えたのかもしれない。
もっと広い道ができているのかもしれない。

それでも、
一度、車で本殿まで行く方法を覚えてしまったら、きっともうこの石段は登らなくなるだろう。

それではこの神社の良さは半減してしまう。
だから、あえて覚えないことにしている。

市の中心地からすぐで、市街地にありながら
自然豊かな場所にあるこの石段

参拝客はあまり居ないのがまたいい。

お札やお守り、御朱印が置いてある社務所はあるるものの
神主さんとか巫女さんなど誰もいないのが普通で、呼び出しボタンが置いてある。

それでも所々、縄が張られていて白い紙垂(しで)が綺麗に付けられていたり、
狛犬のよだれ掛けが、赤く綺麗なことから、きちんと管理されていることがうかがえる。

神社の神聖な空気を吸いながら
意気揚々と石段を登り始めたものの…

何度足を止めて、ハアハアと息を整えたことか。
マスクをしましょうの看板は、コロナ禍の時からそのままだったけど、
マスクなんてしてられない。

何となく数えてみたが、
300段以上はある石段だ。

真っ直ぐ登れば本殿だけれど
脇道に入ってみると山神と刻まれた石碑がある。

説明板を読んだけど、
今から800年程前からある神社だ。
でも、最近の私はそんな説明を勝手に深読みする。

確かにこの神社ができたのは12世紀かもしれない。でも、この地にはもっと以前から神がいたのではないだろうか。

そんなことを思わせる石碑だ。
調べれば何かわかるかも知れないが
分からなくても想像するのが楽しい。

※4月に撮影したもの

御祭神は、
応神天皇、神巧皇后、玉依姫命のこの神社。

山神とは、別の神だろうか。

300段以上もある石段だが、
所々平地が設けられている。

その開けた場所に、
何やら白い石像が見えた。

おや?
何が新しいのができた?

近づいてみると石像ではなくて
雪だるまだった。

数日前に結構雪が積もったものの
この日はもうどこにも雪など残っていなかった。
現に、この場所も枯葉色の芝生が広がっていて脇の雑木林の地面を見ても雪など少しもない。

しかし…
数日前は、一面の銀世界だったのだろう。
どれほど大きな雪だるまだったのか。
溶けずに残って旧正月初詣の参拝客を迎えてくれたのか。

考えてみれば
雪だるまだから、仏教のあの達磨と同じ呼び方だ。
まあ、この神社は仏教ではないが、
大きなお寺には大抵何らかの神社があるし

そもそもの日本は神仏混交だ。

これは旧正月から縁起がいいぞと
楽しくなってきた。

今は崩れて減ってはいるが
元々は365段、つまり1年の日数あったというこの石段を登って本殿にお参りすると、

珍しく社務所に神主さんらしき人がいる。
近づくと、
「御朱印ですか?」
と、声を掛けてくれた。

何で分かったの?
とは思ったが、昨今、流行りの御朱印。
お札やお守りよりも人気なのだろう。

私も、1年限りのお守りやお札は、
いつもの神社で買うけど

記念に保存しておけるし
お守りやお札よりかなりお求めやすいお値段だから御朱印はつい買ってしまう。

買うって言ったらダメか。

奉納金を300円程納めて、
御朱印を頂いてきた。

これは、4月に訪れたときの写真。
ここには、古木88選にも選ばれた美しい枝垂桜がある。
この時は桜の花はもう終わってしまっていたが
今年こそは、桜の花を見にこよう。

またひとつ、楽しみが増えた。

帰りの運転中、足の裏がピリピリする。

単なる足の疲れだって分かっているけど
神聖な大地を踏みしめて
大地のエナジーを感じた?

などと、裸足でアーシングしたわけでもないのに山神様のパワーを大地から頂いた
そんな気になってみるのも
また楽しい。

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