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鉄道乗りつぶしの記録 Osaka Metro

大阪の地下鉄は2018年4月1日から民営化しており、日本国内の地下鉄としては東京メトロに次ぐ2例目。国際的な意味も込めて正式名称が英字表記の「Osaka Metro」としている。子会社の大阪シティバス(市バス相当)とともに、日本第二の都市の大阪市内を中心として交通を担っている。

地下鉄路線は8路線と、新交通システムのニュートラム1路線を保有。路線長は137.8kmで、同じ関西の阪急線の143.6kmに次ぎ大手私鉄では9位。
ちなみに東京メトロと比較すると利用者数は3分の1ほど、

2022年では1日当たり平均200万人超、鉄道事業の収益は年間1000億円超を見込む、鉄道事業のみとしてみると日本でも上位10位に入る巨大会社。本社所在地は京セラドームのそばでOsaka Metroとしての最寄り駅は長堀鶴見緑地線のドーム前千代崎駅か中央線の九条駅。

グループでは大阪シティバスのほかに梅田、なんば、天王寺の駅中商業施設のekimoがあり、さらに梅田のホワイティうめだ・ドーチカ、なんばのなんばウォーク・NAMBAなんなん、天王寺のあべちか、京橋のコムズガーデンといった地下街の運営会社などにも出資している。最近ではOsaka Metro初の谷町九丁目・上本町駅前に高層マンションも竣工させており、多角化を進めている。

一応開業順に全路線にコメントをしていきます。

御堂筋線

御堂筋線は淀川以北は地上。文字通り大阪南北最重要幹線道路の御堂筋の真ん中を走る。

大阪圏外の人が観光とかでOsaka Metroを利用したことがあるとした場合、その1つに必ず御堂筋線が挙げられると思われる。なんせ新大阪、梅田、淀屋橋、難波、天王寺と各方面からのターミナルで主要繁華街のすべてを網羅しているのが御堂筋線だから。大阪の地下鉄として1番始めに開業、日本国内においても東京の銀座線に続き2番目の開業で、日本では戦前に開業していた地下鉄はこの2路線のみ。
江坂以北は北大阪急行線へ直通し吹田市の千里中央まで、南は堺市のなかもずまで至る名実ともに大動脈。Osaka Metroの利用者数の約45%を御堂筋線が担っている。

新大阪まで行きたいのに中津止まりというのは鉄板ネタ。実際に新幹線乗りたいのにこれを食らうと確かにアンラッキーだなって思うんだけども。

御堂筋線は戦前のデザインを汲んでいてモダン。ヨーロッパの地下鉄のよう。
日本でここまで凝った内装の地下鉄駅は無い(みなとみらい線くらい?)
発車案内もカラーLED導入でお茶目。

四つ橋線

私も調べて初めて知ったのですが大阪で2番目に開通したのが四つ橋線。名前の通り四ツ橋筋の地下を通る。混雑が激しすぎる御堂筋線に並行して利用者を分散させるために作った路線。仕事でごくまれに乗るんだけど、いつも空いてるイメージ。起点の西梅田は大阪駅から離れてるし、各駅の乗り換えも絶妙に不便。ただ大国町では御堂筋線の北行と南行それぞれ対面乗り換えできるのでうまく使えれば大混雑の御堂筋線を避けられるかもしれない。

カラフル本町駅

中央線

大阪市内中心部の東西を貫く幹線、中央大通りの地下を走る。大阪最大のビジネス街の船場エリアを東西に、西はニュートラムとの乗り継ぎ駅であるコスモスクエア、東は元東大阪線・現近鉄けいはんな線へ直通していて東大阪市、奈良県の生駒市のけいはんなニュータウンを結んでいる。海遊館のある大阪港など観光客の利用者も多い。

近鉄けいはんな線の車両

線路の上には架線が無く、線路横の第三軌条から電気を取るタイプの路線で、西側の地上区間は高いところを走るのも相まって解放感がある。

西側は阿波座駅と九条駅の間から地上区間
車両の内装デザインの魚はOsaka Metroのデザインになってる。

谷町線

北東部の大日からくの字に東梅田駅に食い込んで、大阪市中心部の東部を南北に通り南東部の八尾南へ至る、Osaka Metroで最長の路線で御堂筋線に次ぐ利用者を誇る。中心部は谷町筋の地下を通ることからこの名前。
天満橋などは大阪府庁をはじめ官庁街の最寄り駅で、天王寺、上本町、南森町など渋いところをカバーし、梅田駅に乗り入れているので意外と利用する機会がある。

Osaka Metroの梅田駅は実はそれぞれ別の駅。これが梅田ダンジョンとも言われる所以。

終点の大日では大阪モノレールに、八尾南には八尾空港に隣接して車庫がある。この八尾南駅前の北側に広がる空き地は八尾空港の駐機場などに使われていた国有地。再開発の計画もたち始めているよう。

八尾南駅前一等地


千日前線

名前の通り大阪ミナミの中心部の千日前通りの地下の東西に結んでいる。ラインカラーは千日前のネオン街(歓楽街)をイメージしたピンクというのは俗説らしいけど、そんな下品な由来を公営地下鉄が付けますかね。

鶴橋からなんばの区間は近鉄大阪線と完全に並走していることもあり、私鉄からの乗り継ぎ利用が少ない。大阪の地下鉄は全体的に東西は手薄で、後述の長堀鶴見緑地線と同様に4両編成。

延伸、増結を見越した広い駅構内。

堺筋線

北は阪急千里線・阪急京都線と直通し、阪急の高槻市や北千里まで乗り入れている。北浜では京阪線との乗り換え、船場を南北に貫いている堺筋線を通り、電気街の日本橋や、通天閣のある新世界、下町の天下茶屋まで至る。

船場センタービルは中央大通りの高架下に東西に長いビルで。堺筋本町駅と本町駅にまたがっている。中央大通りで立ち退いた一帯の事業者の移転先として入居している。

Osaka Metroで唯一本格的に私鉄と直通運転をしている路線(近鉄けいはんな線と北大阪急行線は別)。梅田・なんばの2大ターミナルを通らないながらも利用者数は多く御堂筋線、谷町線に次ぐ3トップ。 

船場とは大阪の古くからの中心部で、大阪城に隣接した武家町の外縁部の町人エリア。大阪の商工業の中心で金融、繊維、製薬、商社・問屋などが集積している。大阪発祥と言われる現代の大企業のほとんどが船場発祥と言っても過言ではない。今でも碁盤の目状に細かく町名が残り、古くからの長屋とオフィスビルが密集する歴史を感じさせるエリア。

天神橋筋六丁目は「天六」とよばれるので文字の大きさが違うこの行き先表示好きです。

ニュートラム

大阪咲洲 バブリーな香り

無人の新交通システム(東京のゆりかもめや神戸のポートライナーと同じ系統)でコスモスクエアと住之江公園を結ぶ南港ポートタウン線の愛称がニュートラム。元々は住之江公園から大阪南港の中心である中ふ頭を結んでいた。のちに中ふ頭とコスモスクエアがつながり、中央線に直接乗り換えできるようになった。

無人なので眺望もいい
鉄のレールではな軌道を走る

展示場のインテックス大阪、咲洲庁舎やトレードセンターなどの臨港再開発エリア、九州方面航路の各フェリーターミナルなどを結んでいる。

九州からくるフェリーの大阪南港ターミナル

長堀鶴見緑地線

ここからが開通当初から平成の新しい路線。1990年の鶴見緑地での世界花博開催に伴い鶴見緑地へのアクセス路線として開業。その後、京橋や大阪城の新都心から心斎橋方面へ延伸され、京セラドーム(大阪ドーム)に隣接したドーム前千代崎駅、環状線の大正駅が終端駅となる。中心部は長堀通りの地下を走るためこの名前になった。長堀通は文字通り大阪城下の堀の一つが埋め立てられ道路になった。

今里筋線

長堀鶴見緑地線と同じ系統の車両。

Osaka Metroで唯一大阪環状線の内側に入らず、大動脈の御堂筋線とも接続していない。観光客が乗ることもまずないと思われる。

大阪市東部を南北に貫く今里筋は住宅密集エリアながら放射状の各路線との接続路線が無く、バスからの転換のため2006年に地下鉄として開通した。今里から南の区間は、建設費用が膨れ上がり当時財政難の大阪市の事業仕分けとして計画は中断されている。

その後Osaka Metroとして民営化され、2019年からは今里筋線の南端の今里駅から御堂筋線の長居駅までと、天王寺に隣接したあべの橋駅までの区間で今里ライナーという急行バスが運行されている。この今里ライナーが好調であれば、地下鉄路線としての延伸検討も進められると思う。

並行する普通の大阪シティバス路線と比較すると3分の1くらい主要停留所のみに停車する。
なんとも大阪味のあるド派手車内。

おまけ

トイレのリニューアルも進めており、各駅共通のお辞儀したイメージの大きな案内が特徴的。




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