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丘と地下を行く 広島アストラムライン ※延伸決定しました

アストラムラインは広島市内を走る新交通システム。広島市中心部の本通駅から北へ、新白島駅でJR山陽本線とクロスし、そのまま太田川に沿って北上し、大町駅でJR可部駅とクロス、安川に沿って西北方面へ、広島市で最大の人口を誇るベッドタウンの安佐南区を横断し広域公園前駅まで至る。1.9kmの地下区間と、16.5kmの高架区間の全線18.4km、22駅。地下区間の1.9kmのうち最後の県庁前駅と本通駅の区間0.3kmはトンネルではなく法的にも地下鉄。

地下鉄は大都市の証とすれば中四国地方唯一の地下鉄と片付けてもいいけど、乗り鉄目線で言うとむしろ立体的な沿線風景は唯一無二で、沿線の市街化度合いをみても間違いなく大都市と言える。正月休みということもあり車内はかなり混んでました。それだけ中心部へ出るニーズがあるということ。片道は490円。

城北駅。ここは地下トンネルだけど、法的には地下鉄ではない区間。
広域公園前駅。サンフレッチェ広島の本拠地は2024年シーズンから中心部のエディオンピースウイングに移るらしく、広域公園が最寄のエディオンスタジアムも2024年4月からホットスタッフフィールド広島となるらしい。
本通駅地上。広島一番の商業エリア、繁華街が広がる。路面電車との乗り換えも。
本通駅にある「この世界の片隅に」のステンドグラス。
車両基地のある長楽寺駅。基地へ分岐する線路が見える。平日7時台は最大1時間に19本、内13本が長楽寺始発で、下りも同様に長楽寺行きになる。
車両基地に併設されたアストラムライン本社と、交通ミュージアムもある。

アストラムラインとは広島高速交通株式会社が運行する広島新交通1号線の愛称で、「明日」と軌道交通の意味の「トラム」の組み合わせ、未来につながる新交通システムの意味が込められている。広島市は山が多く、人口増加に伴い北部の丘陵地帯が宅地開発されるも、山がちの地形から交通が集中し慢性的な交通問題を抱えていた状況。そんなエリアに鉄道をということで、コストと人口規模、地形を加味して新交通システムでの導入となった。神戸ポートライナーや東京のゆりかもめなどと同じ仲間。

広島デルタを形成する本流となる太田川。住宅が広がっている。
太田川を渡る
祇園新橋北駅付近。
大町駅付近。政令指定都市とはいえ広島駅まで6駅の距離でこの栄え方。JR可部線は朝ラッシュでも1時間5本しかない雰囲気に似つかわしくない。
山陽自動車道を越える。
毘沙門台駅。駅から丘上の住宅街に伸びる階段らしい。JR中央線四方津駅みたいにエスカレーターにするのは厳しい?
末端エリアでも丘を切り開いて住宅街がびっしり。これが仇となり2018年、2014年の集中豪雨による土砂災害は記憶に新しく、広島市においては2018年は23人、2014年は74人の死者を数える甚大な被害になっている。

開業は1994年。広島市中心部へは直通するものの、大町駅でJR可部線に接続できるものの市中心部ではJR線との接続がないため、JR山陽本線との交点に新駅を作って欲しいという要望が多く出ていた。広島市の働きかけによりJR山陽本線との交点にJR側にとっても新駅となるJR新白島駅とアストラムライン新白島駅が2015年に開業している。事業費は広島市、国の給付金、アストラムライン、JR西日本が分担し、これによりアストラムライン沿線からJR広島駅方面へのアクセスが別次元で良くなったと思われる。

JR新白島駅からアストラムライン新白島駅の望む。ヨーロッパっぽいモダンなデザイン。
新白島駅開業記念ポスター。
JR可部線の大町駅を眼下に。
丁度来たJR可部線。可部駅以北が一度廃線になったものの、広島のベッドタウン化で人口が激増し一部区間で復活再整備されたなかなか珍しい路線。

今後は広域公園駅からJR西広島駅の区間の延伸が事業化されている。広域公園駅に名前の通り広域公園は1994年開催のアジア競技大会メイン会場として整備され、サンフレッチェ広島の本拠地となったエディオンスタジアムもその1つ。アストラムラインだけでなく山陽自動車道も整備され、広域公園前駅の南側のエリアの開発も進み大規模な商業施設、住宅街、工業団地、行政関係施設などが集積する広島市が制定した西風新都というニュータウンとして開発が進められている。計画が遅れながらもこの度の延伸が決まり、2036年頃に開業見込み。アストラムラインが逆U字に広島市中心部とつながるようになる。

アストラムライン延伸 全線開業は2036年度にずれ込む見通し 部分的な先行開業も見送りへ 広島市
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/999028?display=1
広域公園前駅から途中まで続く高架。ここから延伸される。
これが西広島駅から広域公園駅へ登る道の途中から見た広島市中心側を見た景色。途中カブ泣かせのくねくね急坂の山越え区間。交通量も多く、路線バスも多数通過する。
西広島駅はJRと広島電鉄の駅。1960年代まで己斐駅だった。この写真で空が見えているのが駅前広場で、アストラムライン延伸時はこの駅前広場の上に高架駅ができる計画らしい。

車両は三菱重工。広島県の三原事業所で製造しているらしく地産地走とは言いえて妙。ちなみに東京のゆりかもめとか舎人ライナーも関連システム。

7000系、34の数字は31から連番なので7000系の4編成目ということに。
三菱重工製、下2桁が48、つまりは31から数えて18編成目。

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