丘と地下を行く 広島アストラムライン ※延伸決定しました
アストラムラインは広島市内を走る新交通システム。広島市中心部の本通駅から北へ、新白島駅でJR山陽本線とクロスし、そのまま太田川に沿って北上し、大町駅でJR可部駅とクロス、安川に沿って西北方面へ、広島市で最大の人口を誇るベッドタウンの安佐南区を横断し広域公園前駅まで至る。1.9kmの地下区間と、16.5kmの高架区間の全線18.4km、22駅。地下区間の1.9kmのうち最後の県庁前駅と本通駅の区間0.3kmはトンネルではなく法的にも地下鉄。
地下鉄は大都市の証とすれば中四国地方唯一の地下鉄と片付けてもいいけど、乗り鉄目線で言うとむしろ立体的な沿線風景は唯一無二で、沿線の市街化度合いをみても間違いなく大都市と言える。正月休みということもあり車内はかなり混んでました。それだけ中心部へ出るニーズがあるということ。片道は490円。
アストラムラインとは広島高速交通株式会社が運行する広島新交通1号線の愛称で、「明日」と軌道交通の意味の「トラム」の組み合わせ、未来につながる新交通システムの意味が込められている。広島市は山が多く、人口増加に伴い北部の丘陵地帯が宅地開発されるも、山がちの地形から交通が集中し慢性的な交通問題を抱えていた状況。そんなエリアに鉄道をということで、コストと人口規模、地形を加味して新交通システムでの導入となった。神戸ポートライナーや東京のゆりかもめなどと同じ仲間。
開業は1994年。広島市中心部へは直通するものの、大町駅でJR可部線に接続できるものの市中心部ではJR線との接続がないため、JR山陽本線との交点に新駅を作って欲しいという要望が多く出ていた。広島市の働きかけによりJR山陽本線との交点にJR側にとっても新駅となるJR新白島駅とアストラムライン新白島駅が2015年に開業している。事業費は広島市、国の給付金、アストラムライン、JR西日本が分担し、これによりアストラムライン沿線からJR広島駅方面へのアクセスが別次元で良くなったと思われる。
今後は広域公園駅からJR西広島駅の区間の延伸が事業化されている。広域公園駅に名前の通り広域公園は1994年開催のアジア競技大会メイン会場として整備され、サンフレッチェ広島の本拠地となったエディオンスタジアムもその1つ。アストラムラインだけでなく山陽自動車道も整備され、広域公園前駅の南側のエリアの開発も進み大規模な商業施設、住宅街、工業団地、行政関係施設などが集積する広島市が制定した西風新都というニュータウンとして開発が進められている。計画が遅れながらもこの度の延伸が決まり、2036年頃に開業見込み。アストラムラインが逆U字に広島市中心部とつながるようになる。
車両は三菱重工。広島県の三原事業所で製造しているらしく地産地走とは言いえて妙。ちなみに東京のゆりかもめとか舎人ライナーも関連システム。
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