「日本語お上手ですね」「英語上手だね」で傷つく人々
先日新聞をパラパラ捲っていたら文化欄あたりで
日本に長く住んでいるドイツ人です。「日本語が上手」と言われると傷つく。ドイツではそんなこと言う人いないのに。(要約)
と書いてあるのを見かけた。
そりゃドイツ人がドイツでドイツ語話しててもなにもいわれへんやろうけど、アジア顔のアジア人がドイツ語話すと似たようなこと言う人いるし、ドイツ語で話しかけても英語で対応されることなんてよくあるねんで。
英語学習においても、初期は「英語うまいね」と言われたら「褒められた!」と素直に受け止めていたのに、話せるようになるにつれて「ああ、第二言語英語だって思われてるんだな」と卑屈になる時期を経験する人も多いと思う。
長く日本に住んでいる外国人からも「日本語うまいねって言われると複雑な気分になる」という話はよく聞く。
でもちょっと待って。日本語ネイティブ同士でも同じようなシチュエーションで褒められる?ことがある。
東京の人は関西から移り住んだ私がビジネス標準語で話していると「え、関西なの?全然なまりないですね」と言ってくる。個人的にはあまり嬉しい気分にはならないけど、たぶん相手からするとバカにしてるわけではなく、どちらかというと軽く褒めるニュアンスなんだと思う。
そう、「日本語上手ですね」も「英語上手だね」も「なまりないですね」も、単純に場つなぎの軽いおべんちゃらなだけ。「こいつすげー!!!日本語超うまいー!!!」と思ってるわけではない。デーブスペクターみたいに日本語の親父ギャグを連発されたら寒さに震えながら本気で感心するけど。
「言葉がお上手ですね」というフレーズは、言った方は当たり障りない褒めポイントを突いたつもりが、言われた方は結構気にする上に引きずるという、なかなかイケテナイ場つなぎトークである。
知らない人とのスモールトークはほんとに難しい。
イギリス紳士ばりに「今日はいいお天気ですね」と言ってみたところで、話し相手が雨乞い師だったら傷つくだろうし。
そんなことを気にしすぎていたらコミュニケーションもままならないので、スモールトークはスモールトークとして、褒められたら素直に「ありがとう」と受け取っておいた方がお互い幸せなのかも。
そういえば、最近娘に「上手に食べられたね、すごい!」と褒めたら「すごいって言わないで!」と怒られた・・・。子どもとのコミュニケーションも難しいわ。