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ふくふく日記_240714~七回忌の京都旅②~

日曜日。朝7時半。京都九条にあるシティホテルで目覚める。カーテンを開けると昨日と同じ薄曇り。珍しく隣のベッドでは母がまだ眠っている。母より先に起きるなんて、いい年になるが帰省中も含めて今まで一度もない。もう81になるのだから、昨日から曇天で幸いとはいえ、やはり盆地・京都の蒸し暑さとどこに行っても人、人、人、の多さにさすがに疲れたのだろう。自然と目覚めるまで静かにしていようと、カーテンをそっと閉める。8時過ぎに起床。

チェックアウトは11時だったが、10時にはロビーに集合し、再び重い荷物だけフロントに預け、タクシーをつかまえて錦市場へと向かう。途中、私が京都に来たらよく行く京うどん屋「権太呂ごんたろ 本店」の前を通ったので声を出すと、運転手さんが「錦市場行くなら、ここより冨美家ふみやの方がおいしいですよ」と言う。ふーん、それならと今日の最初の食事は冨美家に決まった。

錦市場を歩く。とにかく外国人が前からも後ろからも迫り来る。コロナ対策なのか、食べ歩きは禁止。各店が通り沿いにイートインのスペースを作っていて、そこで食べるならOKらしい。堂々と食べ歩いている外国人とたくさんすれ違ったけどね。途中「錦平野」で作りたてのだし巻き卵(九条ねぎ入り)を1皿を買い、4人で4分割して食べた。全員空腹だったのもあるが「やば!」を連発するほど感動のおいしさで、従姉妹は帰ってから自分で作ってみたいと実演風景を動画におさめていた。出汁の量が多いからだろう、とにかくふわふわで口に入れた瞬間もう溶けている。

漬物だ、佃煮だ、いま流行りの横丁(屋台村)まであるんだ、と物色しながら歩いていると、目的の「冨美家」の前に出た。10人ほど並んでいるが、全員の口がうどんになっていたので躊躇なく最後尾に並ぶ。20〜30分待って2階席につくことができた。私は九条ねぎうどんと鶏天のセット。従姉妹は九条ねぎと刻み揚げうどんと鶏天のセット、母と叔母は甘きつねうどん。権太呂とどちらがおいしいかは、わからない。但し、店の佇まいは権太呂の勝ち。

九条ねぎうどんと鶏天のセット
占出さんの愛称で親しまれている山鉾「占出山(うらでやま)」。

祇園祭が始まっていて、各所に鉾が出ていたので食後の散歩がてら数カ所を見物する。17日と24日のみ山鉾巡業といって鉾が祇園囃子を奏でながらゆっくり進む。コンコンチキチン コンチキチンだ。

ポツポツ雨が降ってきたので、我れ先にとタクシーをつかまえて一旦ホテルで荷物をピックアップ、そのまま京都駅へ移動。京都・伊勢丹の地下で「祇園やよい」のちりめん山椒、「満月」の阿闍梨餅、夫へ京都のクラフトビールなどを買う。京都に来ていちばん目を輝かせていたと思う、私。しかし、自分へのおみやげの第一候補だった「麩嘉ふうか」の麩まんじゅうが完売していることを知り、気分が急降下したのも記念に書き記しておく。錦市場の店で買うべきだった、と後悔しても遅い。新幹線では従姉妹と缶ビールで乾杯、あっという間の京都旅を名残惜しみながら帰路につく。

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