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今日も仕事をしなくっちゃ
仕事に追われていた。
祝日の木曜日はもともと休みのつもりだったが、
入ってきた案件はカレンダーの休みを無視している。
会社的に休みであるぶん会議はなく仕事は進めやすかった。
それでも精神的な疲れは来た。
パソコンに向かいたくない。でもやらないとあとで追いつめられる。
やめたくてもやめられない。ジャンキーのように感じつつ、
もやもやと建国記念日を過ごした。
金曜日も変わらず仕事。
一方で夫は祝日の間の金曜日も休みをとりたっぷり4連休を満喫する気だ。
映画を観に行ったり、ランチを食べに行ったり。
私がスケジュールを合わせさえすれば一緒に休みを満喫できただろう。
夫は忙しい私を呆れている。心の距離は離れていく。
もう限界だ。
「お昼、どこか食べにいこっか」
私からの提案だ。祝日も関係なく働いてきた。
ふだん平日は家で簡単に済ますことが多いが、たまにはいいだろう。
近所の古めかしい雰囲気の寿司屋さんに初めて入った。
特に評判をきいたわけではないけど、2階建ての大きな店構えで、常に人が入っていた。
長くからやっていてお客さんが付いているなら間違いないはず。
私はランチのちらしを。
夫はランチのにぎりを。
ネタはその日のお任せだった。甘エビ、サーモン、ハマチ、マグロ、〆鯖のゴロッとした切り身と、玉子焼き、かまぼこなどがのっていた。やや大味に焼き目がついた玉子焼きにほっくりした。ガリのほかたくあんや酢蓮が盛り込まれているのもアジがある。
色鮮やかなちらしを前に心がわきたった。
そうだ、わたしはおいしいものを食べたり、自分が喜ぶことをしていきたいのだ。
ちらしと同時にみそ汁、茶わん蒸しも出された。
茶わん蒸し、久しく食べてない。
蓋をあけて口に放ると、失敗した。アツアツだ。
ほふほふした。だがそれもいい。
舌の上でころがして、だしがきいた優しい味を飲む。
ああ、おいしい。
花のようなちらし寿司と茶碗蒸しは私に活力を与えてくれた。
ごちそうさまでした。
ゆとりは必要。与えられた業務を果たしているだけでは生きている意味がない。
時には自分をたっぷり甘やかそう。
さりとて、家にかえって今日の仕事をとりあえずしなくっちゃ。
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ちらし寿司で心に花咲く金曜日
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