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kuriのあたまのなか

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普段の生活を通して感じたことや、考えたことをまとめています。
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#哲学

輪郭

真昼のトロイメライ

実存は本質に先立つ。ただ事物の形や現象があるのみで、意味は身勝手な幻想だ。我々の世界は我々の解釈の中にしか存在し得ないのである。すべては幻想、そして虚無に還る。
しかし、連続して立ち現れる一瞬一瞬を時間の一部に捉え、意味を見出す行為こそが我々の真の価値ではないか。生きる理由なんて実際は何もない。

各々居心地の良い屁理屈を作り上げ、都合の良いフィルタを通した幻想の世界を生き

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自己矛盾について

人間が何かについて思考をして答えを導き出そうとすると、たいてい向かう先はひとつの終着点に行き着く。多くの葉を見、幹を観察しようとする人間は色々な方向から思考を進め、その答えに近付いたとき、角度によって矛盾が発生していることに気付く。
問うている内容こそ同じであっても、問い掛ける方向によって答えが変わってくるのである。

思考をしていく段階として、私の場合は全体を俯瞰したあと可能な限り小さく問題の切

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可惜夜にみる夢

可惜夜にみる夢

輪郭

白い背景に赤い丸は感覚、机の上にある林檎は知覚、林檎を思い出せば表象、林檎とは観念で即ちイデアである。甘い林檎は追憶、毒林檎の味は空想だ。
そこらじゅうのキュビズムに付与された意味は虚無で、空虚に意味をつける行為こそが生きる意味である。
それで、表象から成る虚構の世界にあなたは何を求めるか。

芸術や美術において物体を模写するうえでの課題に、見たままを描き写す難しさがひとつある。物体の質感

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