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母の気持ちに寄り添いたい。~認知症診断から1年~

先日、母に会いに行った。今春に父が亡くなってから、定期的に一晩泊まりにいっている。

母は1年ほど前に認知症と診断された。いつもは近くに住んでいるきょうだいが様子を見てくれている。

わたしは今回も母がデイサービスから戻ってくるまでに夕飯のしたくを終えて、帰りを待っていた。母はわたしの顔を見て、笑顔で名前を呼んでくれた。そして送ってくれたデイサービスの職員に「わたしの妹なの」と紹介した。わたしは職員に向かって「娘です~」と返した。

「今夜は泊まっていくんでしょ?」と母は言い、いっしょの部屋に寝ようねと布団を敷きはじめる。そして「お風呂を沸かしなさい」とも言ってくれた。

ふたりでお茶を飲みながら話していると、母もわたしが娘だとわかってきた様子。わたしの夫や子どもたちの名前も思い出してくれた。でもときどき「あなたはわたしの娘よね。わたしが産んだのよね?」と確認してくる。

夕飯が済んだあと、わたし、母の順にお風呂にはいる。
母が「寒いからもう寝ようか」と言ったのが夜の7時だった。それぞれ布団にはいり、横になった。わたしは寝室を暗くしてテレビをつけた。母は1時間がたったころ、眠ってしまった。わたしはテレビを消した。そして布団に潜ったままスマホで音楽などを聴いて、11時ごろ就寝した。

明け方、母の声で目が覚めた。はじめは、なにを言っているのかわからなかった。そのうち「さみしい」とか「あいたい」という単語が聞こえてくる。もしかして父のこと?そのうち涙声に。

わたしは寝返りをうった。母は隣の布団でモゾモゾするわたしに気がついた。それが娘だとわかりホッとした様子だった。母はいつから起きて独り言を言っていたのだろう?普段の会話から、父のことも忘れてしまったのかなあと思ってたところだったので、驚いてしまった。

夜が明けると母はケロッと元気になった。わたしは母を美容院に連れて行き、昼食をいっしょに食べ、夕飯のしたくをして帰ることにした。

母は「○○さん(夫の名)が待っているから、はやく帰りなさい」と言って、わたしを気持ちよく送り出してくれた。

わたしが車で出発すると、曲がり角まで車を追ってきた。まるで子どものよう。転ばないかとハラハラする。その後なんの連絡のないから、無事だったのだろう。

認知症と診断されてから1年。やっぱり母は以前とは変わってしまった。洗濯や掃除はするけれど、料理は作らなくなった。正月に毎年食べていた煮物も、春や秋に作ってくれたおはぎも、子どものころからお祝い事があるたびに手作りしてくれた赤飯ももう食べられない。

これから母はもっともっと変わってしまうだろう。いつまで母はわたしを笑顔で迎え入れてくれるのだろう。これからもできる限り泊まりにいって、母との時間を大切にしていきたい。

Twitter→マギー@Magi.Kuri(@MAGIKURI1)


これは先日、きょうだいに教えてもらった本。さっそく購入した。届いたらすぐにでも読む予定。母の気持ちに少しでも寄り添えたらと思う。

#ライツ #note #wrl


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