才能と脳内物質の関係
シカゴ大学の教育心理学者であるベンジャミン・ブルーム博士は長年にわたって一流の芸術家やスポーツ選手、学者らなどの卓越や特例的な成績に関係してくるような成果を出した例外的な才能に関する調査を行った。
その調査は、ピアニスト、テニスプレーヤー、彫刻家、数学者、神経科医などさまざまな分野で世界のトップクラスに数えられる人々に密着し、大規模なチームを組成して綿密に行われた。
ブルーム博士とその調査チームは、こういった一流の人々が、なぜ高い成果を達成できるようになったのかを調査した。
そして、その調査によって得た結論はあまりにもあっけないものだった。
彼らを成功に導いたのは才能ではなく、“やる気”と“決断力”だったのだ。
この二つの要素には脳内物質が大きく関わっている。
脳内物質の主要素にドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンという3つの脳内物質がある。
この3つの脳内物質は、感情や精神面、記憶や運動機能、睡眠といった、人体に重要な機能に深く影響を与える。
大雑把に言えば
「快楽を司るドーパミン」
「怒りを司るノルアドレナリン」
という二つの感情を司る脳内物質をコントロールするために「セロトニン」があるという仕組みだ。
(専門家では無いのでこの程度のラフな説明で勘弁して欲しい)
ドーパミンはやる気を出す神経伝達物質の一つ。意欲や幸福感をアップさせる働きを持ち、別名「やる気ホルモン」とも言われる。ドーパミンは達成感を得たときや幸せを感じた時にも、分泌されることがわかっている。
ノルアドレナリンは、激しい感情や強い肉体作業などで人体がストレスを感じたときに、血圧や心拍数を上げて、体を活動に適した状態にし、ストレスに対抗し意欲、活動力、集中力、判断力を高める
セロトニンは交感神経系を刺激し、血圧や心拍数を上昇させ、また 体温調節をして覚醒状態を維持する効果があり、精神の安定や安定感、頭の回転を上げて直感力を高め、「ストレスフリーな状態」をつくってくれる。
一流の成果を出す人というのはこのホルモンの分泌が多く、絶妙なバランスを保っているからというのがブルーム博士の研究の結論だ。
何かに取り組んでいる時、つまらないと思いながら取り組んでいる時には良い成果は出ない。
目的やゴールが見えない時も同じだ。
不測の事態が起こったときの「決断力」「判断力」「行動力」を維持、促進するためにはこの脳内物質をよりよく分泌させ、何者にも揺るがない自己を築くが必要になる。
「成功とは、情熱とロマンを失わずに、失敗を重ね続けることである」
(エイブラハム・リンカーン米国第16代大統領)
「失敗は、うぬぼれの結果である。 懸命に努力をしない人は、うぬぼれが強い。 大した努力もせず成功できると思っている。 そういう人はある朝に目覚めると、地位や名声を得る日が来ると、信じているのだ。半分は当たっていると言えるだろう。いずれ本当に目覚める日が来る、努力をしなければ何も得られないことを知る日が。」(トーマス・エジソン)
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