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成功者に話を聞くより、失敗した人に話を聞いた方が圧倒的に学びが多いという話

ボクシングはある種シンプルな競技だ。
相手と殴りあい、相手を倒せばKO勝ち。
最後まで両者が立っていれば、判定となるが勝敗結果はすぐに出て、休む間もなく勝者の表彰式が始まる。
敗者はすぐにリングを立ち去る。

同じ試合でも将棋の対局は様相が変わる。
対局が終わっても、すぐ表彰式や勝者インタビューなどやらない。
対戦者同士、終わった将棋盤を見ながら、何やら話し続ける。
これを「感想戦」と言う。

棋士も負ければ悔しく恥ずかしいし、腹立たしい。
次頑張ろう、と言ってその場を去りたいだろうが、それでも感想戦をして徹底的に敗因分析をする。

だから、次に同じような手では負けない。
そして勝者は勝因を分析する。だからますます強くなる。
球界の名手であり名監督であった野村克也は、「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」との名言を残した。
偶然で勝つことはあっても、負ける場合は必ず敗因がある。

感想戦をしないとどうなるか。
失敗を反省しない。
反省しないから分析しない。
分析しないから対策が立てられない。
対策が立てられないから、同じ失敗を繰り返す。

試合に勝つためには、負ける要素が何だったかを抽出し、どうしたらその要素を消せるかを考える必要がある。

これは経営でも全く同じだ。

「必ず成功する」「利益が倍増する」といった経営セミナーや研修は多くあるが、これは過去の成功者自身の体験であってこの通りに行ってうまくいくことは少ない。

往々にして成功には偶然の要素があり、その要因は実は本人にもわからないことが多い。
反対に、失敗にはあることをすれば必ず失敗するといった再現性があるものだ。

だから現実は、失敗から多くのことが学べる。
勝ってはすぐ喜び、負けてはすごすごとリングを去るボクサータイプの人間は成功しにくい。

成功するためには「成功するまでやる」という強い意志と、一流の将棋指しのような「感想戦」をして敗因を冷静に分析する粘り強さがあることを人は知っておくことだ。

「失敗した所で止めるから失敗になる。成功するところまで続ければ成功になる。成功する為に最も必要なのは、諦めず成功するまで続けることである。」
(松下幸之助 パナソニック 創業者)

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