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人に仕事を任せるときに大切なこと
『こころのウイルス』(英治出版)という本を書いたドナルド・ロフランド氏によると、人間は基本的に、ふたつの力によって動かされているという。
ひとつは「快適の追求」、もうひとつは「苦痛の回避」だそうだ。
「苦痛の回避」は「快適の追及」のために行われる、若しくは「苦痛の回避」の結果、快適になるので結局は「快適さの追求」になるのでは?という意見に対しそれは決定的に違うと同書は述べている。
たとえば、すぐやらなければならない仕事を先延ばしする人は「苦痛回避型」で、こういう人は、そもそも仕事を「苦痛」と感じているのだが、締め切りが近づくと、その仕事が出来なかった時の恥ずかしさや上司の叱責など、別の「苦痛」がリアルに迫ってくるため、そこでの「苦痛を回避」しようとして、仕事に手をつける。
締め切りになって猛然とやる人はこのタイプである。
一方、「快適追求型」はさっさと、しかも楽しそうに仕事を片付けてしまう。
なぜならこのタイプは仕事に対して明確な目標を持っていて、これからやろうとしている仕事は、その目標を達成する手段として位置づけられているからだ。つまり、その仕事を片付ければ、その分だけ目標に近づいているわけで、それは「快適」な作業になる。
これを念頭に自分はどっちの行動が多いか考え直してみると人にやらされている仕事、内心無駄で意味が無いと思っているような仕事をしているときは苦痛型、自分のやりたいことを通すための仕事や意義を感じている仕事をするときは快適追求型になることが分かる。
この理解は自分が仕事をするときのみならず、人に仕事をお願いするときにも役立つはずだ。
目的を明確化してその人にとってその目的を達成することが快適になるようなお願いを心がけよう。
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