仕事が嫌で嫌でしょうがない人が学ぶトムソーヤの仕事術
19世紀ロシア文学を代表する世界的巨匠として知られるドストエフスキーは思想犯としてシベリア送りになった時のことを『死の家の記録』に残している。
その中でドストエフスキーは一人の人間を潰し、破滅させる最も恐ろしい罰は、拷問などを除けば、徹底的に無益で無意味な作業を強制させることだと述べている。
例えば一つの桶から別の桶に水を移し、その桶からまたもとの桶に移す、一つの場所から別の場所に土の山を移して、また元に戻すといった無意味な作業を何日か続けさせると囚人は自殺したり発狂してしまうという。
米国の小説家マーク・トウェインの著書「トム・ソーヤの冒険」の中にはこんなエピソードがある。
トムはおばあさんに、いたずらをした罰として、ペンキ塗りを言いつけられる。
ペンキを塗らされているトムを見て友達がトムをからかうが、トムは相手にせず、熱中しているふりをする。すると友達はトムがあんなにも熱中している“ペンキ塗り”という仕事に興味を持ち、自分達も塗りたくなる。
「おい、トム少し塗らせてくれないか?」
『駄目だ、こんな楽しい事をやらせるもんか』
そのうち大勢の子供が集まってくる。
友達はペンキを塗らせてもらう代わりに自分達の宝物であるおもちゃを差し出す。
『しょうがないな、では順番に少しずつだよ』
と、ペンキ塗りという苦役を子供達がおもちゃを差し出して順番待ちするほどの仕事に思わせる事に成功した。
この2つの話は仕事に関して様々なことを考えさせられる。
生産性の無い単純作業は辛い。何も生み出さない仕事は自身の必要性を実感できず、仕事を生活のためのお金を稼ぐ手段に落とし込んでしまう。
仕事は自身の貢献、参画、承認などを得ると一段と楽しくなる。また、ゴールに到達するという目的意識があれば辛い仕事であってもゴールテープを切るために頑張ることができる。
辛く退屈な仕事でも、楽しそうに仕事していれば周囲の人は寄ってくる。逆を言えば自分が楽しそうにしなければ人は集まってこない。
「人を動かしたい」のであればまずは自身が仕事を楽しむことだ。仮に楽しめない何かしらの理由があったとしても少なくとも楽しそうにしなければならない。
人が集まってくればそこから新たな気づきや発見、貢献、参画、承認が生まれ、仕事はより楽しくなる。
世間で成功していると言われている人は皆、楽しそうに自身の仕事、将来の夢、目標を語る。
仕事は楽しむ姿勢を持ったほうがうまくいく。
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