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コロナショックに思う平家物語の教え

平家物語の例をひくまでもなく、
いかなる時代も盛者の衰退が起こり得るのは歴史を見れば明らかだ。

歴史家の多くは、その原因を盛者の驕りにあるとしている。
それもひとつの原因であろうが、実はそれだけで滅びた例はない。

もっと大きな原因は、時代とともに競争の原理が変化してるにも関わらず、それまでの成功要因がこだわりとなり、弱点や足かせになるからだ。

冒頭の平家物語の例でいえば、
時代が公家を中心とする貴族社会から、武家社会へに変化しつつあったのに平家が対応しきれなかったという見方が一般的だ。

人間に限らず、生物はこれまでうまく行っていたことを、順調であるからこそ、変える必要が生じたとわかっていても、なかなか変える勇気を持てない。

そしてそれをなおさら強化しようとして滅亡していく。

大きくて強かった恐竜は大きくなりすぎて身を滅ぼし、強力な軍事国家は軍備を強化しすぎて財政破綻をして国が滅びる。

経済界における競争原理も同様で、大きくなりすぎて崩壊した会社や、権力を集中しすぎて挫折した経営者の例など、枚挙にいとまがない。

それゆえに、時代の変化を察知するだけでは十分でなく、今日の成功の原因であっても、明日には弱点や足かせに変わる。
それらを、一夜にして外してしまわなければならない決断が必要な時がくる。

そしてそれは絶頂期に準備しなければならない。
そこに変革の難しさがある。

(ある書籍の記述を再構成したもの)

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