【絵本】『そらいろのたね』中川李枝子・大村百合子
※この記事には絵本の内容が含まれます。ご自身で初めの感想を抱きたい方は閲覧にお気を付けくださいませ。
基本データ
題名:『そらいろのたね』
作 :中川李枝子
絵 :大村百合子
発行:福音館書店
初版:1964/04/01(月刊こどものとも収録)、1979/05/31(こどものとも傑作集)
このお話について
小さな男の子、ゆうじ。ある日森のきつねと、物々交換をします。
楽しそうに赤と白の飛行機を飛ばしていると、きつねはそれが欲しくなったようで、交渉に及ぶことになりました。
きつねが差し出したのは、「そらいろのたね」です。
ゆうじは種を土に埋めて毎日せっせと水をあげました。
すると空色の家がはえてきて……。
どんどん大きくなる空色の家には友だちや動物が集まってきて、にぎやかになったころ、羨ましくなったのかきつねは「飛行機を返すからこの家を返して」とみんなを追い出します。
ですが家はその間も大きくなり続けました。それは太陽にぶつかりそうなほどです。そうして家は壊れ、そらいろのたねを埋めた地面と「そらいろのたね」という立札だけが残されたのでした。
感想
私は、作者である中川李枝子さんと、大村百合子さんは実の姉妹だということをこの本で初めて知りました。
子どものころから実家にあった思い出深い絵本でもあります。
きつねの気持ちも分からないわけではないけれど、他人の芝は青く見える、という傾向がきつねは強かったのかもしれません。
ゆうじが育て続けたとしても、いつか「そらいろのいえ」は太陽にぶつかって壊れてしまうのだから、今回はきつねがその役目をたまたま負っただけとも考えられますね。
このゆうじ、飛行機が自分のものでなくなっても、そらいろの家を追い出されても、怒ったりせず、どこかマイペースで好きなキャラクターです。
この記事が少しでもあなたの何かに触れられたのであれば幸いです。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。
enaguma 2022/09/13
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