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新規事業で失敗と成功を通して得た事

何かの区切りに行動の振り返りをよく行う。

振り返りを行うといつも思うことがあって、それは「成果を決める要因となる有効な一手は本質的に予測できないことが非常に多い。」ということだ。自分の想像できない、意外な要素でその成果の明暗は分かれてる。

当然の事だが、この世に完璧は存在しない。
だからこそ細かい部分を透視し、コントロールする事や決断することは非常に難しい。特に僕みたいな凡人には成果を大きく左右する重要な要素など最初はほとんど見えていない事の方が多い。

そんな、答えも重要となる要素も明確に見えていない中で、新しい物を創る時には多くの決断をしなければならない。どんなに小さな決断だって何かを得ると同時に何かを失なうのに、その決断を無数にしなければならない。その恐怖や不安は繰り返す毎に大きな壁となり、自分の心と頭は出口のない迷路へと誘われていく。


これが僕の一番大きな失敗の原因だった。

長時間同じことを考え続ける事で思考は深くなる。しかし深くなると視野は確実に狭まる。その狭まった状態で土台に欠陥が見つかると途端に積み重ねてきた思考は崩れ落ちる。前へ進む推進力はいつの間にか消滅し、プロダクトができる前の更地へと逆戻り。見事にスタートへ戻る。まぎれもない大失敗だ。


気づいていなかったのだ。この出口のない迷路には出口を作ることはできるし、抜け出すこともできるという事を。

その方法の一つを新規事業で失敗と成功を経験して得る機会をいただけた。

新規事業の最初のフェーズを切り抜けるための流れ1 : 目指す世界を創るために明確なビジョンを掲げる2 : 自分自身がプレイヤーとなり同じ理念をもつユーザーを巻込んで小さな集団を形成する3 : 自分が全工程に関わらなくても集団がゴールまで行き着くように流れを整理構築する4 : 小さな集団の痛点を特定し対策改善する5 : スタートからゴールまでの線を増やしたり太くしたりして事業そのものへのタッチポイント、流通チャネルを広げる


この方法だけが有効な方法だとは言えない。手に入れたい利益が既に見えていてそこに向けてピンポイントで形にする方法や、既存の類似サービスに寄せて確度の高いサービスを作る方法も当然ある。

しかし、不確かなものを獲得し成功につなげようとする時、同じ理念を持つ仲間である「ユーザー」の手を借りるということは成功を大きく吸い寄せる力になると実践を通して感じている。

僕が失敗した一番大きな要因はそんなユーザーの手を借りること無く「完璧、もしくはそれに近しい状態」に目を向けすぎた故に、ユーザーがその時に求めている「最善の状態」というものに目を向けられなかったことだ。

自分の戦略を持つことができず、根拠もなく既存の成功法、グレーボックスな方法論を元にベストを狙ってしまったことで、自分達の事業を自分達自身がコントロールできなくなってしまったのだ。

その時、分かっていたはずの「ユーザーファースト」や「大きく考えて小さく始める」という言葉の理解が浅かったことを痛感し、その重要性を改めて認識した。


今の世の中、色々な方法論や戦略・戦術が簡単に手に入り、誰もがそれなりに確度高くあらゆるものに取り組むことができる。
しかし、それは自分の物では無いということは意識しておいて損はないと思う。自分達の事業が方法論に侵食され、コントロールできなくなるとその事業には魂は吹き込まれず、色の無い事業が出来上がる。

この小さな集団を自ら主体的に形成し、その集団と共にサービスを作ることで、集落は村に、そして街へと変貌し、自分達の目指す世界に近づく事業を創造することができると感じている。

ユーザー、一緒に働くメンバー、そのまた先の多くの人達とコラボレーションをして、今無いもの、もっと素敵なものを僕は作っていこうと思う。


…そんな話をしているけど、今1番早く作らなければいけない新規事業が目の前で待ち構えているので、この事業を世の中に出し、失敗と成功から得た経験の成果を目に見える形で証明していこうと思います : )

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