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【寄稿】眞子さまご結婚はアメリカ的価値観の勝利~~マッカーサーが仕掛けた時限爆弾~~ byさといも花子 ※追記あり

こんにちは。日々激動のマコムロ問題。(ご病気と聞いてから「問題」と書くのすらためらわれますが、ほかに思いつかず、、、すみません)

ICUとマコカコの関係について今も読まれ続けるロングセラー(売ってないですが)論考を書いてくれたさといも花子さん

今回の問題についても広い視野と深い知見から、考えてくれました!!

それではお読みください!!

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眞子さまと小室圭さんのご結婚が発表された。皇族初のICUカップル誕生である。心よりお祝い申し上げたい。


婚約内定から4年、色々と議論を呼んだ結婚騒動だったが、結局2人はご結婚することとなった。一連の騒動から感じた私見ではあるが、この世紀のご結婚はアメリカ的価値観の勝利と言えるだろう。


眞子さまと小室さんの出会いの場となったICUの創立は1949年。その創立にはGHQ最高司令官ダグラス・マッカーサーが深く関わっている。マッカーサーは華族制度を廃止し、宮家の皇籍離脱を命じた張本人である。この措置は、現代の天皇制が直面する皇族の減少、綱渡りの皇位継承問題の根本原因になったと言われている。

それゆえ「マッカーサーが仕掛けた時限爆弾」とも例えられる。

何の因果か、マッカーサーが創立に関わったICUで出会った2人のご結婚が、図らずも現代の天皇制が抱える問題を日本中に知らしめることとなった。

今回は以下の章立てに分けて眞子さまご結婚について論考したい。

先に断っておくと、私は至ってリベラル志向で平等主義をこよなく愛する人間であるが、一方で連綿と続いてきた天皇制にも敬意を払っている一日本人である。そして眞子さまと学年はかぶっていないが、共通の知人がいる程度の年上のICU卒である。

アメリカ的価値観を貫かれたご結婚


今回のご結婚に不満を持っている方々には申し訳ないが、一連の眞子さまご結婚までの騒動はアメリカ的価値観からすれば「別に2人が好き同士なら結婚すればよくない?」となる。公のために私を犠牲にするなんてありえない、それは人権侵害である。


人間は自由だ。

だから、人生の成功も失敗も全て自己責任、離婚しても自己責任。それが、ヨーロッパ大陸からアメリカンドリームを夢見て移民が大挙して押し寄せ、開拓し、建国されたアメリカの精神である。

そして、そのアメリカ的価値観は今や日本にも浸透し、眞子さま世代以下の若者に根付いている。だからこそ、日本の若者から今回のご結婚に対して歓迎する声が、その上の世代と比較して多く聞こえてくるのだろう。


小室圭さんは私人のため、あまりここで論評をしたくはないのだが、テレビを通して見聞きする小室さんの一連の行動は、ICU卒からしたら「あーこういうタイプ、ICUによくいたなあ」程度である。


世間という荒波をうまく回遊するため、日本で最も重視される「空気を読む」能力の欠如はICU生によくある話だ。皆が羨む大手銀行に就職して3年弱で辞めるのも、お金にならなさそうなのに国内大学院で学んでしまうのも、突然海外留学してしまうのも、ICUあるある、なのだ。
(※400万円問題は確かにさすがに無いけどね)


こうした「日本社会で浮いてしまうICU生あるある像」が形成されてしまうのも、ひとえにICUがアメリカ的価値観に基づいて創立された大学だからと言われている。アメリカ的個人主義は日本社会ではまだ物珍しく扱われる。


佳子さまがICU卒業時に発言した「一個人としての希望」が叶う形となった今回のご結婚。皇族という日本社会で最も伝統を重んじる一族に、公人としてお生まれになった眞子さまは、世間から批判を浴びようともご自身の希望を尊重させた。日本的価値観であればこそ賛否は分かれるが、アメリカ的価値観では決して否定されるものではない。


皇室コネクション利用はアメリカでは自然な事


小室さんへの批判の一つに「皇室利用」があるだろう。

小室さんを「よくいるICU男子」と考えていたICU卒も、これにはさすがに眉をひそめたのではないだろうか。小室さんの留学先であるフォーダム大学のホームページで紹介された「fiance of Princess Mako(眞子内親王の婚約者)」という文言である。

(※パオ注:参考記事

「ん?ちょっと待て、それはズルいだろ」


私はそう思った。同じように感じた人間はICU界隈でもいたのではないだろうか。

勤めていた日本企業を辞めて一念発起、海外大学院へ留学するICU卒は少なくない。海外大学院を卒業しても、キャリアアップの職につながるかは分からない。それでも夢のために自己責任で海外へ羽ばたくのである。

その競争に皇室コネクションを利用するのは不公平だ。当時の私はそう感じた。

小室さんが本当に「fiance of Princess Mako(眞子内親王の婚約者)」という肩書をフォーダム大学ロースクール入学のために利用したのかは分からない。しかし、フォーダム大学がわざわざ発表するあたり疑念を呼ぶのは仕方がないだろう。

週刊文春(2021年9月23日号)によると、小室さんの就活の際にも「眞子さまのボーイフレンド」という一言が添えられていたとある。実際に一言を添えたのか真偽は定かではなく、仲介人が勝手に添えたという報道もあり情報は交錯している。

だが、アメリカ的価値観に照らせば問題は全くない。私はそう思いなおした。


例え、小室さんサイドが皇室コネクションを意図的に利用して、それが進学・就職に有利に働いたとしても、コネクションを利用するのはアメリカ社会では当たり前なのだ。


天皇陛下は、海外では日本の国家元首とも受けとめられている存在だ。日本国憲法に国家元首の明文規定はない。しかし、海外から大使が来ると、大使として認めてもらうための信任状は天皇陛下に提出される。そのため、事実上、天皇陛下は日本の国家元首のような扱いを海外で受けている。


その天皇陛下に連なる皇室コネクションをむしろ何故使わないのか、アメリカ人は逆に不思議に思うだろう。もし謙虚にも小室さんが自ら書かなかったとしても、仲介人が良かれと思って勝手に書いたという筋書きに違和感はない。


実際に小室さんが皇室コネクションを利用したかの真偽は不明だが、たとえ事実だとしてもアメリカでは批判されるような事ではないのだ。私はそう納得することにした。


(※筆者注:フォーダム大学入学時の「皇室利用」については、2021年10月26日の声明にて、小室圭さんは『私が皇室利用をしたという事実はありません。「婚約者としての特別な待遇」もありません。(中略)大学の HP での記載については、状況を総合的に踏まえたうえで、大学が判断したことでした。』と述べましたので追記いたします。
筆者の個人的見解ではありますが皇室コネクションの利用とは、当人たちが意図しなくても、周囲による忖度、または何らかの見返りを期待した第三者によって行われるものも含まれると考えています。
酷ではありますが、ただ皇室で育ったというだけでそういう疑念とは常に隣り合わせであることは事実のため、この章の主張は削除せず残すこととしました)

マッカーサーが仕掛けた時限爆弾を連想


若い皇族の方々へのアメリカ的価値観の浸透はもう止められるものではない。

華族制度は廃止され、宮家は皇籍を離脱させられた。天皇陛下を支える特権階級はマッカーサーにより直宮(昭和天皇の兄弟)のみとされ、天皇陛下そして皇族は「身分制の飛び地」と言われるほど孤立した存在となった。一般国民との交流、ご結婚から、皇族の価値観も私達一般国民と同じようになっていくのが自然である。


現在の皇族の減少、皇位継承問題は、皇統断絶のためマッカーサーが周到に仕掛けた時限爆弾とも例えられる。

そして、皇族の人権とは何かという議論を呼んだ今回の結婚騒動。

その騒動の中心にいる2人の出会いの場が、マッカーサーが財団の名誉理事長として創立に関わったICUだったことに対し、宿命めいたものを感じるのは無理筋だろうか?


眞子さまと佳子さまがICU入学時に宣誓したであろう「世界人権宣言」はこう謳う。


「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」


これこそが、今回のご結婚における彼女たちの気持ちを代弁しているのではないか。そう思わずにいられない。


伝統の「破壊」か「創造的破壊」か、検証は歴史に委ねられる


以上の論考に対して、「いやいや、皇族という特権階級を享受しておきながら、『平等』って何だよ」という突っ込みもあって当然だろう。


日本国憲法第一条には次の通り明記されている。

「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」


つまり、天皇制を継続するか否かは国民が決めてよいのである。


時代とともに、国民が求める皇室像と、皇族の方々のありのままの姿は、更に乖離していくことは想像に難くない。

もちろん現時点において、戦後一度も改正されていない憲法の第一条をアップデートするなど、全くもって現実的ではない。しかし、第一条にこう書いてあるからこそ、国民の声により眞子さまのご結婚は延期されたのである。

眞子さまのご結婚は、戦後初めての儀式なし、一時金辞退という異例の決着をみた。


これを「伝統の破壊」という国民の声もある。


しかし、これからの皇室を担う若い方々の自由意志を阻むことは難しいだろう。

未曽有の敗戦を身をもって経験され、その生涯を国民との対話にささげた昭和天皇、上皇陛下とは世代があまりにも違いすぎるのだ。


今回のご結婚が伝統の「破壊」に終わるのか、それとも皇族の在り方をアップデートする「創造的破壊」になるのか、判断を下すのは国民側だ。判断の結果は、今は誰にも分からない。歴史の検証に委ねられるのである。


Byさといも花子

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考えの浅いわたしとは一線を画すコラムをご紹介でき、大変嬉しく思っております。

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