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小説 オーズ Anything Goes! 2

復活のコアメダルの続きを(勝手に)描いた2次創作です。あくまで続編であることをご理解下さい

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「誰だお前。俺はお前みたいな出来損ないは知らん」
「んだと、テメェ!トサカ野郎!」

目の前の赤鬼は俺を執拗に睨みつけてくる。ただ俺の言葉に嘘はない。こんな判り易い見た目の奴を忘れるわけがない。すると赤鬼の奥から別の声が聞こえた

「やめろ、モモタロス。俺達の目的を忘れるな。俺達はアンクに聞きたい事があるだけだろ」

現れたのは映司よりも若い青年、そして赤鬼とはまた別の青鬼だった。それにしてもこいつら、何故俺を知っているんだ?

「アンク、10年振りだな」

10年振り?ああ、そういう事か。こっちの世界の俺は10年前こいつらに会った事があったのだろう。通りで俺は知らないわけだ

「悪いが俺は記憶喪失なんでなぁ、俺はお前らの事なんて全く覚えてねぇんだよ」

「こんのォ野郎、トサカ!そういうムカつく所も相変わらず何も変わってねェな!おい、幸太郎!やっぱり俺はトサカと関わるのなんて御免だぜ!」

赤鬼が背を向けると同時に青鬼が俺に向かって自己紹介をしだした

「アンクくん、君が覚えてないなら仕方ない。こちらは野上幸太郎。幸太郎は仮面ライダー電王としてイマジン達と戦っている。私は幸太郎の相棒、テディだ」

こいつらも仮面ライダーなのか。こっちの映司はどれだけ仮面ライダーと繋がりがあったんだ。俺は態と赤鬼を煽るようにテディとかいう青鬼に尋ねた

「ほお、じゃあそこの出来損ないの鬼は飾りか?」
「誰が出来損ないだ、トサカ!」

俺に向かって叫んだ赤鬼を鎮める様に、幸太郎とかいう人間は口を開いた

「こいつはモモタロス。俺のじいちゃんと一緒にイマジンと戦ってたんだ。今は俺達と一緒にデンライナーに乗って旅をしている」

「幸太郎!俺はな、こんな危険な奴と行動するのは御免だって言ったんだ!その手を離しやがれ!」

モモタロスとかいう赤鬼が何にムキになってるのかは分からなかったが、青鬼が再び口を挟んだ

「アンクくん、気を悪くしないでくれ。10年前、君が1971年で落とした1枚のセルメダルが大きな事件の引き金となってしまったのだ。モモタロスはもう一度そういう事が起きないかと、危惧してるだけなんだ」

10年前?1971年?一体どっちなんだ?この青鬼は何を言ってるんだ?俺の封印が解かれたのは2010年。それはこっちの俺も変わらないはずだ

バースドライバーXが向こうの世界で作られた物な以上、こっちの俺が1971年に行くことは出来るわけがないし、そもそも映司は未だ産まれてすらないだろう

「お前ら、何言ってんだ?俺が1971年に行けるわけねぇだろ」

「いや、行ったんだよ。さっきテディが話してくれたデンライナーは時の列車なんだ。俺たちはあれに乗って過去や未来に行ってるんだよ」

人間が空を指差しながら言うと向かいの空から線路が現れ、人間の言う通り列車が現れた。この汽笛、聞き覚えがある…そうか、虚無の中で聞いたあの音だ

「アンク、悪いが一旦デンライナーの中で話をさせてくれないか。話が済んだら降りてくれて構わない」

「おい、幸太郎!トサカの事だ!また何か企んでるに決まってんぞ!」

時の列車か。こいつがあればコアメダルにエネルギーが充填されてない状態でも、バースドライバーXを使わず好きな時間に移動し放題ってわけだ。面白い

「いいだろう、話くらいは聞いてやる」


「はーい、再会を祝うコーヒーで〜す」

俺の前にコーヒーを置いた女は、赤鬼や人間など他の乗客達の目の前にそれぞれのコーヒーを置く。いや、明らかにコーヒーには見えないがな

それにしても妙なのは鬼みたいな奴らが全部で5匹居ることだ。青鬼とは別の水色の亀。ゴツくてでっかい黄色い熊。ガキみてぇにうるさい紫の龍。一体何なんだ、こいつらは

「で、話って何だ」

「アンク、単刀直入に聞く。どうやって時間を移動してきた?記憶喪失ってのは、嘘なんだろ?」

なるほどな。こいつら、俺が2051年から来た事に気付いていやがる。それもそうか、汽笛があの時も聞こえたってことは、ずっと監視されてたってわけだ

だがここで色々と事情を明かせば、面倒な事にもなりかねん。もう少し白を切って様子を見るか

「何言ってんだ、お前」

「トサカ、白状しやがれ。調べは付いてんだよ」
「そうだそうだ!全部吐け吐けー!」
「こらこら、リュウタ…ここは先輩に任せて…」
「zzZ…」

騒がしい奴らとは対照的に人間と青鬼は冷静に話を続けた

「さっきテディが説明したように、アンクは一度過去への介入を行い、歴史を大きく変えたことがある」

「アンクくんがどのようにこの時間に介入したか、そしてこの時代で何をしようとしているのか。その答えによっては私達は君を止めなければならない」

やっぱり、そういう事だろうと思った。とはいえ、俺も引く訳には行かない。映司を救うために俺はこっちの世界に…だが、あの夢が本当なら…俺は…

「悪いが俺も引くに引けなくてな。大切な奴の命が掛かってるんだ。俺はそいつを救いにこの時代へとやってきた」

「その不用意な行動が未来を大きく変えるかも知れねェって言ってんだよ、トサカ野郎!!」

赤鬼は俺に向かって叫んだ。その声に反射して紫の奴は黙り込み、黄色い奴は目を覚ました。だがこちらとしても反論の余地はある

「じゃあなぜお前らは時間を旅している。お前らが別の時間でイマジンとやらを倒せば、それはそれで歴史は変わるはずだ」

「幸太郎は特異点と言って、時間の改変による影響を受けない。電王になれるのは幸太郎や幸太郎の祖父のような特異点だけなんだ」

何を言ってるか全く分からねぇ。だがこれだけは分かる。こいつらは俺の目的を邪魔する存在だ。それに、こっちにはまだ別のカードもある

「意味分からんが、時間を何度も移動したのが俺だけだと思っていたら大間違いだぞ。2051年に居るんだよ、もう1人。湊ミハルって奴がな。俺はまだ時間移動をしただけだが、湊は既に歴史を変えている」

すまんな、湊。今だけはお前を売らせてくれ

「幸太郎、こんなトサカ野郎の嘘に騙されるなよ?俺らがそんな大胆な行動に、全く気付かねェ訳がねェ」

「モモタロスの言う通り、俺達が気付かないという事はないはずだ。だがもしアンクの言葉が本当だとしたら、まずはそっちを確かめる必要がある」

何故かこいつらが気付いてないのが功を奏したのか、こいつらの中で色々と葛藤が生まれ出している。俺にとっては好都合だ。そんな時だった

「あ、先輩!外にイマジン発見!」
「おっしゃ、ここは俺に任せい!」
「あ、熊ちゃん!ちょっと待ってよお」

そう叫んでカラフルな3匹が外に出て行った

「あいつら…おい!幸太郎!ここは俺達で片付ける!トサカの見張り頼むぞ!」

「いや、俺達全員で行く。アンク、一緒に来てくれ。お前の言葉に嘘がないなら、一緒に戦ってくれ」

何が何だか分からんが、俺も今無性に暴れたくて仕方ねぇ。俺は人間の誘いに乗る事にした


デンライナーから降りると3匹のイマジンとやらが暴れていた。見たところ全員モグラっぽい見た目をしている

「あの日と同じ…まぁいい、変身!」

『ストライクフォーム!』

人間がベルトを巻き、何かを正面にかざすと仮面ライダーに変身した。こいつが電王…青いが、龍ではないな…

「亀!熊!小僧!仕方ねぇ、今日は混ぜてやるよ!」
「先輩から誘うなんて珍しい」
「モモの字、偶には言うやないか!」
「じゃあ、お言葉に甘えちゃおーっと」

赤鬼がそう叫ぶと人間と同じようなベルトを自分の腰に巻きつけた。こいつも変身するのか?

「おい、トサカ!今から超絶格好いい変身って奴を見せてやるから、目ひん剥いてよく見とけ!…変身!」

『モモ!ウラ!キン!リュウ!
クライマックスフォーム!』

すると3匹の鬼達が赤鬼に吸い込まれ、身体の各パーツへと変形した。こいつも電王って奴か?確かに似てるが、まぁバースが伊達と後藤の2人居るのと同じか

2人の電王がモグラのようなイマジン1体ずつと交戦を始める。そういえばテディとかいう青鬼はどこへ行ったんだ?まぁいい。残りの1匹は俺が倒す

俺は自分の力を解放し、グリード態に変身した。コアメダルの大半がエネルギーが失っている以上、完全体の姿にはなれないが、腕だけの状態よりかは断然いい

俺もイマジンとの交戦を開始する。ヤミーとは違って何だか少し戦いにくい。するとどこからか青鬼の声が聞こえた

「幸太郎、カウントは」
「1人1匹なら7、いや…5で十分だ」

まさか、人間が持っているあの剣が、テディとかいう青鬼なのか?確かによく見たら外見も似ている気がする。剣はカウントダウンを開始した

「5、4…」

『『フルチャージ』』

カウントダウンが始まると、2人の電王は再びベルトの正面に何かをかざした

「行くぞ、幸太郎!俺達の必殺技クライマックスバージョン!!」

そのまま2人の電王は自分の手に持つ剣をイマジンに振り下ろし、爆散させた。俺も自分の持てる限りの力で火炎弾を打ち込み、イマジンを倒したのだった

俺達全員が元の姿に戻ると人間は、俺に言葉を放つ

「アンク、約束通りお前の言葉を信じるよ。俺達は2051年に行く。でもアンクを見過ごせないのも事実だ。だからアンクの大切な人の人助けは俺達に任せてくれないか?」

「悪いがそれは無理な話だ。あいつは俺が救わなきゃ意味がない。だが、今そいつの居場所にあてがないのも事実だ」

俺の言葉に青鬼が口を開いた

「幸太郎、心配なら私がアンクくんと行動を共にしよう。幸太郎達は2051年へ行き、湊ミハルなる人物に会って話を聞いてきてくれ」

こいつ俺を監視する気か?ただこいつら全員に付き纏われるよりかはマシか…

「…わかった。テディ、頼んだぞ」

「アンクくん、場所を移動する。一度デンライナーに乗ってくれ。そこに着いたらアンクくんと私だけがデンライナーを降りると約束しよう」

何か企んでいるのではないかと怪しみつつも俺は再びデンライナーに乗った。すかさず青鬼が俺に尋ねる

「さて、アンクくん。あてがないとの事だが、最初からそうだったとは思えない。アンクくんはまず何処に行こうとしていたのか、教えてくれないだろうか?」

「鴻上って奴に話を聞きたかったんだが、そいつの居るはずの場所に建物がなくてな」

こんな時に限って鴻上が居ないのが心底腹が立つ。会いたくない時に現れて、会いたい時には居ない。奴は昔からそうだった。そんな思いに耽っているとなかなか歳の行った男がやってきた

「鴻上ファウンデーション会長の鴻上光生。今彼はヨーロッパの方で仕事中のため、当分戻ってくることはないですよ」

誰だこの男は。鴻上の知り合いか?まぁ大体合ってそうな理由だからいいだろう

「で、テディ。どこに向かえばいいんだ?」

「ああ、風都の鳴海探偵事務所まで頼む」


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