Day330　「安全かどうかは現地で確かめるしかない！」

10年ほど前にブラジルを旅したとき、タクシーでリオデジャネイロの近くのファベーラと呼ばれるスラム街を通りました。

以前からかなり危険な場所と聞いていましたが、その区画に入った瞬間に「絶対にここで車を駐めたり降りたりしてはいけない！」とわかるほどの凄まじい恐怖を感じました。

そんなファベーラで育った12歳の少年を、何かの縁で私が引き取ることになったとします。

あの場所に比べれば、東京はパラダイスに思えるほど安全です。彼にはぜひ、ここではリラックスして暮らしてほしいと思うでしょう。

でも、危険がいっぱいのスラム街しか知らない少年は、いっこうに私の言葉を信じようとしません。

道を歩くときも電車の中でも、自分のカバンをしっかりと抱きかかえて、つねに周囲を警戒しているのです。

「Por que os japoneses não têm pistolas?」（なぜ、日本人は拳銃を持たないの？）と聞かれたこともあります。

ここで質問です。あなたなら、どうやって彼を安心させるでしょうか？

おそらく、家の中でどれだけ日本が平和な国だと説明しても納得してくれないでしょう。

テレビや映画を見せても、本を読ませてもまだ確信するにはほど遠いはずです。

唯一の方法はやはり、