また使いたいペンの話 フェリシモのカラーボールペン&筆ペン

私が学生だった時(90年代)はまだカラーペンというのがそこまで豊富では無かったと思う。今はどこでも当たり前の様に手に入るものだけど、例えば、サクラクレパスさんの【ボールサイン】シリーズの黒・赤・青以外(緑や黄など)は近所の文具屋では手に入らず、揃えるのに難儀していた覚えがある。今なら100均で普通に購入出来る24色入りの安いサインペンも、あの当時は大きなホームセンターで、400円前後で買えたかどうかだった。

また、我が家は勉強に必要でない文房具を購入することをヨシとしなかったので、カラーペンを購入するのも結構大変だった。
蛍光ペンですら、黄・ピンク以外のものを持っていると小言を言われていた。
私が持っていたものは5色セットだったが、それは小学校卒業時の記念に配布されたもの。「卒業の時に小学校からもらったんだよ」ということで、それは大目に見てもらっていた。
絵具は12色以外購入させてもらえなかったし(水色や紫を持っていたら怒られた)、色鉛筆も同様だった。
少し前にネットで「60色クーピーを購入することを無駄と思う人が世の中にいる」という話が出ていたが、私の両親もそういう考えだったのだろう。
なので、沢山色を持っているクラスメイトは本当に羨ましかった。
いい歳してカラーペンに執着する私は、学生時代の鬱憤を今、晴らしているのだろうと思う。

で、表題のフェリシモのカラーペンの話。
四半世紀前になるが、当時フェリシモのブランドに【アクアパレット】というのがあった。無地に1色or2色のワンポイントが印刷された、シンプルなデザイン。
文房具がそこそこ種類があって、フェリシモの中でも安い部類だったので、当時はお小遣いとお年玉を貯めて購入していた。
親は相変わらず良い顔をしなかったが、「自分のお金で購入するのなら…」ということで、口出しさせない様にした。

私が好きだったのは【とーめいカラーボールペン】【とーめいカラー筆ペン】。
両方4色入り/6セット(24色)で1セット800円。
フェリシモのシステム上、全色集めるには最低半年かかり、どの色が来るか分からない。私は最初から全色集める気でいたので苦では無かったが、欲しい色が6ヶ月目に来るパターンも勿論あるわけで、個人的にはガチャに近いものがあるな〜と思う。最高4800円払えば全部手に入る分、まだマシなのかもしれないけども。おっと、話がずれた。
まずボールペンの方から集め始めた。両方一気に買うのは流石に学生ではお金が厳しい。筆ペンが気になっていたが、日常使うのはボールペンだからこっちを優先させた。「最初の4本は基本色(赤・青・黄・黒)でありません様に!」とソワソワ。届いたのは市販では買えない様な色だったので、めちゃくちゃ嬉しかったのを覚えている。学校に持っていくと話のタネになる。私が集めているのを見て、クラスの一部でフェリシモが流行ったりもした。

色名も可愛らしく「わかないろ」「こすもす」「れもんいろ」など、日本的な名前を織り交ぜて、かつ全色ひらがな表記という、使うのが楽しくなる工夫がされていた。茶色が「ちょこれーと」で、24色の中でこれが一番お気に入りだった。
また余談になるが、色というのは「その色に対する名前」というのが大事だと思う。同じ色でも付けられた名前のセンスで、使いたいかそうでないかが出てしまう。ピンク色でも単純に「ピンク」とあるより「コスモス」とある方が情景も出てきて使いたくなる。最近は万年筆インクでこのことが顕著に表れている。ご当地万年筆インクはインクに付けられた名前の方が遥かに重要だし、セーラー万年筆さんの100色インクは数字で管理されていて、それが全くもって面白くない(味気ない・使う気にならない)。

ボールペンを全色集めたのち、7ヶ月目からは筆ペンを集め始めた。あの当時筆ペンというだけで物珍しかったが、さらに24色の筆ペンとなると絶対市販では購入できないからテンションが上がった。今だったらゼブラさんのマイルドライナーの筆ペンタイプがそのポジションか?
筆ペンタイプの筆記具は今でもそんなに多く無いと思う(画材だと割と普通だけども)ので、四半世紀前にこういうの出していたフェリシモさんは攻めていたな〜と。筆ペンタイプは今出しても売れると思う。

そうそう、【アクアパレット】のペンシリーズは、中綿式のツインペン(トンボ鉛筆さんのプレイカラーみたいな)もあって、一応これも集めていた。しかしこれは私の中ではそんなに印象がない。あまりにもカラーボールペン&筆ペンのインパクトが強すぎる為に。ただ、カラーボールペン&筆ペンははっきりくっきり出るタイプで、ツインペンは淡く出る感じだったから、気分によって使い分けていたのは覚えている。

ボールペンも筆ペンは直液式で、最後までインクがかすれることなく書けたのもお気に入りだった。結構インクがドバドバ出て、毛細現象や裏抜けが気になったりしていたが、インクスカスカより全然いいし、何より24色自分で操れるのが本当に楽しく気持ちよかった。
サインペンは直液式に限る。と、現在プレピーマーキングペンを使う私の原点はここにあるのだと思う。

※現物画像が見てみたい方は「フェリシモ アクアパレット」と入れると出てきます。(ペンだけでなく、他の文房具も見られます)

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