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書いた小説なんとか読んでもらいたくて 序文

はじめまして。椋田裕生といいます。「くらたゆうき」と読みます。マルカフェ文藝社という団体が定期的に発行している「棕櫚」という総合文芸誌で小説を書かせてもらってます。2019年2月21日にその最新号である「棕櫚 第七号」が発行されます。その本と、そこに掲載されている私の作品を少しでも多くの方に読んでもらうためには果たしてどうしたらいいのかなと思って、発売日までのあいだ定期的に文章を書いてみることにしました。

小説を読んでもらうために別の文章を書くのも少し奇妙な話ですが、今回はまずそれを説明します。私は約十五年前から現在に至るまで、東京を中心に活動する音楽グループである「ビンビールズ」というインディーズバンドの実質的リーダーとして活動しています。バンドというのは良い曲を作ってCDを作り、それを売り、ライブを開催してお客様に観てもらうのが主な仕事です。作品を作って発表することを継続していくためには、より多くの人に①まず知ってもらい、②作った作品を買ってもらい、③発表の場に来ていただく、という三つの努力を常にしていかなければ、バンドというものはあっという間に活動困難な状況に陥ってしまいます。

しかし、その努力がとても難しい。大きな事務所の後ろ盾がない多くのインディーズバンドは「曲を作って演奏する」というコアの使命を継続することは厭わないものの、それに付随する上記三つの運営的な業務や課題をどうやって効果的に行うべきか、常に頭を悩ませています。時代が変わっても今でもそうです。

私も初期の頃は同様に、そのことに悩んでずっとそればかり考えていました。そしてある時、心血を注いだ新作フルアルバムを発表することになりました。とても強い思い、長い時間、そして多くの費用をかけて作り上げたこの作品をどうしても知ってほしいと悩んだ末、苦肉の策で考えた手段が文章を書き続けることでした。自分の思いとか、なぜこのバンドをはじめたのかとか、どんな事を伝えたくて活動しているのかとか、そういったことを可能な限り赤裸々に、ストレートにブログやSNSで伝えるということを、その時からはじめました。結局、作ったものを少しでも多く手にとってもらうためには、私自身に少しでも興味を持ってもらうしかないのかな、と。それがすべての人にとって正しい事とは言えませんが、少なくとも自分の場合はそうやってやっていくうちに、バンドとしてそれほど大成功をおさめたという訳では無いにしても、ある程度自分が届けたい人たちに対して作品を届けることが出来ているのではないかと思えるようになりました(実はそれが小説を書くようになった事の布石となるのですが、それについてはまた今後書きます)。

バンドと同じくインディーズな活動ではありますが、書いた小説を読んでもらうためにできる事としては、音楽活動と共通のもの、いや、それ以上の難しさがあるなと思い、そういったことも含めて伝えてみたいと思いこのnoteをはじめてみました。

次回は、その難しさについて少し書いてみたいと思います。

マルカフェ 文藝社公式サイト

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