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女性活躍イベント in 長野 第一部【イベントレポート】

こんにちは!暮らすroom’sです。
前回の松本市で行われたイベントに引き続き、2023年5月28日に長野市でもトークイベント及びマルシェを開催しました。

今回の記事では、第一部の上野眞奈美さんの講演をお届けします。
体力ゼロのところからオリンピアンになった上野さんの講演となります。
当日お越しになれなかった方もぜひご覧ください!

上野眞奈美さん トーク「私の生き方・暮らし方・働き方」


講演する上野さん


あなたの『LIFEテーマ』はなんですか?

突然ですが質問です!みなさんのLIFEテーマはなんですか?
私の場合は「自分らしさを持続できる。自分の環境を想像していく」がテーマです。
今回はそんな私のテーマも交えながらお話ししていきます。

私のルーツ

私は神奈川県横浜市出身です。
元々は子役タレントとスキーを両方やっているこどもでした。
しかし中学生になり、学校との両立が難しくなったので、タレントをやめてスキーのみ続けることにしました。
しかし、私スキーがあまり好きではなかったんですよね(笑)。
なので、そこまで打ち込むという感じではなく、練習もあまりしませんでした。

転機は高校2年生の時でした。
当然のように試合で結果が出せず、私は泣いてしまいました。
その時、当時の監督がみんなの前で「努力しない奴が泣くなんてダサい」と言ったんですね。今思えば当然なんですけど(笑)。
そこで私は火がつき、やっと頑張り始めました。
そしたら、スキーがとても楽しくなったんです!
結果として『この楽しさを広めなければ!』と種目変更してハーフパイプ選手になりました。

体力ゼロレベルからママオリピアンへ

私は4人兄弟の末っ子です。子沢山の家で育ったので、自分も子沢山にしたくて早く引退をしてママになろうと思っていました。
しかし、セカンドキャリアに悩んだんですよね。

そこで、夫の実家の野沢温泉村での生活を始めて、スキーの楽しさを広めようと株式会社ドリームシップを立ち上げました。
しかし、会社立ち上げ、出産、引っ越しが重なって大変でした。
生後1ヶ月の子供と共に新生活と店舗のオープン。
家も店舗も段ボールだらけで、どうやって生活して良いのかわかりませんでしたね。
それでも腱鞘炎になりながらも、なんとか仕事と子育てに奮闘しました。
そのような感じで、アスリートとしてのキャリアではなく、家族と仕事に打ち込もうとしていました。

しかし、子供が1歳になった頃にさらなる転機が訪れました。
それは「ハーフパイプがオリンピック種目になるかも!?」という知らせでした。
引退した1年後の話です。
正直言って、復帰するかどうか、かなり悩みました。
しかし、悩むということは、やりたい気持ちがあるということだと思ったんですね。
それと、自分の娘に「夢を諦めたらダメだ」と伝えたいと思いました。
娘が理由で諦めたと思われたくなかった。
かっこいいお母さんでいたかったんです。

そこで、体力ゼロレベルからトレーニングスタート。
妊娠出産、1年の育児を経て死に物狂いの3年間でした。
この期間いろいろな方達のサポートを得て、家事などを工夫して時短しながらなんとか頑張りました。

アスリートのキャリアを活かして

事業の方は、元々スキーのプロショップとして始めました。
しかし今は、長野の魅力をもっと伝えたいと思っています。長野は冬だけじゃなくて夏もすごい!ってことを。
冬はスキー、夏は自転車。スキー&バイク!という理念を掲げています。

また、アスリートとして『運動を教えてください』という依頼が多くきたのですが、私は自分がプレーする立場だったので、指導することはあまりよくわからないというジレンマがありました。
そこでヨガやピラティスのボディワーカーとして資格を所得し、今は『遊びをする体づくりをカバーする』活動をしています。


自分の経験から

ママアスリートの悩み

オリンピアンになった2015年に、ちょうど女性活躍推進法が施行されました。
『女性活躍』と相まって、メディアを通じて私はたくさん注目していただきました。
初の子育てをしながらのアスリートという特殊な職業。
とても大変で、メンタル面でも辛いことがありました。
ママアスリートは当時珍しく、ママ友はいてもママアスリートの友達はいなかったんです。
アスリートならではの悩みなどを相談できる人が欲しかった。
「遠征の時、子どもどうしてる?」なんて特別な悩みじゃないですか。
そんな感じで、結構うつになったんです。

今は、ママアスリートが当時よりも増えつつあり、ママアスリート同士のつながりを作る手助けもしたいと思っています。
なんでもいいから吐き出したい時あるじゃないですか。
そんな場所を作りたくて”MAN(=Mama Athletes Network)”を設立しました。

そしてアスリートのセカンドキャリアを考える場としてIAAを立ち上げています。
アスリートって特殊なんです。
短命ですし、そのキャリアを生かすのが難しい。プライドもあります。
そこで頼れる人をふやすことが必要だと思ったんです。

自立は「頼れる人を増やすこと」と、暮らすroom’sでも話していますが、自立に向けては、私は以下のようなステップが必要だと思っています。

  1. 目的を明確に具体的にイメージ

  2. 諦め、手放し、解放

  3. 可視化、言語化

1.目的を明確に具体的にイメージ

まず、自分自身がどのようになりたいかイメージしなければ、周りを頼ることは難しいです。
どうして自分がそうなりたいのかを明確にする必要があります。
私の場合は、オリンピックで1位になりたいだけでは足りなくて「スキーフリースタイル」という種目をもっと広めたい。あとはママとして頑張っていることで、誰かの勇気づけになりたいなと考えました。

これは今回お伝えしたいことの一つなのですが、わたしはママになってからの方が選手として強くなったと思っています。
時間と余裕がなくなったのに、結婚前の自分よりも強くなりました。
それは、「何かのためにアプローチする」という気持ちが大きくなったからだと思います。
「この練習やだな」と思っても、家族のために頑張ることができました。
そして、目的を達成するために時短するにはどうアプローチしたら良いのかを本気で考えるようにな、その結果、ママになってからの方が強くなったのです。

2.諦め、手放し、解放

諦め、手放し、解放については「もう無理!!!」ってことですね(笑)。
子育てと仕事を両立するためには時短と効率的がポイント。
何回も言いますが、私は引退する前よりも、ママになってからの方が強くなったんです。時間と余裕がなくなったのにママになってからの方が強くなった。
それは誰かのために、何のために、明確な目標にアプローチすることによって信念がブレなくなったからだと思います。

完璧にやることは無理。どこかで諦めることが必要。
果てしない自虐心と不安要素を認めて心を解放することが大切です。

3.可視化、言語化

可視化、言語化、これすごく大事です。
私は前進を阻害する要素などをノートに書いていました。
それから決まってないことでも夢でも、なんでもいいから喋る!
そうすると応援してくれる人がすごく増えてきます。
応援してくれる人が増えると実現するスピードがとても早くなるんです。

私はたくさんの人の応援とサポートでオリンピックに立って学びました。
オリンピックに行けたのは、私の力ではないです(笑)。
産後の主婦がオリンピックに出るという偉業は1人では絶対できませんでした。
少し鬱にもなりかけましたが、みなさんの支えがあってこそ、オリンピックを迎えられたと思っています。


現在の活動

今行っている活動をご紹介します。

NOZAWA PLAYCE

女性は自分のことを自分から遠慮してしまう。
でも、女性が何かやりたい時に諦めないような環境を創造したいと思い、総合型施設をプロデュースしました。

泊まりで家族がそれぞれ好きなことができる。
お母さんはヨガやおしゃべり、仕事でもいい。
お父さんはジム、子供は遊びに行く、みんなやりたいことができる施設。
オリンピアンとしての葛藤を全て積み込んだ空間を作りました。

IAA


IAAとは、アスリートのアイアムアスリートの頭文字です。
アスリートはたくさんいるのに、やめてしまうとどこにいるかわからなくなる。どうしてだろうか?
私の身体はものすごく時間とお金をかけて、皆様に作り上げていただきました。
これを継続して、みんなに還元したいと思っています。
私が活躍することで、同じように悩むアスリートの自立支援をしていきたいと思っています。

スポーツ観光産業活性

また、スポーツ観光産業活性にも取り組んでいます。
スポーツイベントって楽しいですよね。
そういうイベントとアスリートってすごく親和性がいいので、スポーツ産業活性につなげていきたいと思っています。


女性の活躍のために

今後も、今回のように暮らすroom’sやフェミニティーアーチさんと一緒に、女性の活躍について考えたいと思っています。

私はアスリートとして頑張っている時に、誰かに気にかけてもらいたかった。
少し鬱にもなりかけましたし…
女性が支え合える場所って、非常に大切です。
アスリートがこのような活動に加わることで、何か勇気づけられたら良いなと感じています。



▼前回のイベントの様子はこちら▼
Talk.01 女性活躍のこれまでとこれから【暮らすroom's交流会】
Talk.02 自分で自分の働き方をつくる【暮らすroom's交流会】
Talk.03 若者と考える、もっと自由で多様な未来【暮らすroom's交流会】


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