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腸内フローラ

こんにちは。健康生活アドバイザーのだんごママです。

10月になっても半袖で過ごせていたと思ったら、紅葉の便りよりも先に積雪
のニュースを目にすることになりました。毎年、10月半ばよりインフルエン
ザの予防接種が始まりますが、今年は9月の末に学級閉鎖の話が飛び交って
いました。コロナから引き続きインフルエンザが流行している今、医療現場
では治療薬を確保できず、これから寒くなるインフルエンザ流行期に何もで
きないのではないかと危惧しています。鎮咳・去痰薬の在庫が調剤薬局にな
く、小児用のインフルエンザ治療薬も出荷調整がかかっています。こうなる
と、免疫力を上げてインフルエンザにかからないようにするしかないのでは
と思っています。

免疫力を上げるために腸活が大事といわれています。腸内細菌の種類は約10
00種類あり、形成パターンは一人ひとり異なっています。出産時に母親の産
道にいる腸内細菌に接することで細菌をもらい、3歳ごろにその人の原型と
なる腸内フローラが形成されます。細菌叢の2割が善玉菌、1割が悪玉菌、7
割が日和見菌というのが理想的な割合です。脂質の取りすぎや運動不足、睡
眠不足、ストレスによる自律神経の乱れなどで腸内細菌叢のバランスが崩れ
てきます。糖尿病や、細菌感染、治療薬でも本来の形成パターンが変わって
きます。悪玉菌が強くなると腸内環境がアルカリ性に傾き腐敗菌の仲間が優
勢になり、たんぱく質を分解し、腐敗させて悪臭のするガスや毒素を発生さ
せます。これらが腸管から吸収されると内蔵に負担がかかり、老化の促進、
病気の原因にもなります。

善玉菌を優位に保つために、発酵食品やオリゴ糖、食物繊維を欠かさないよ
うにすることが重要なことは皆さんもご存じだと思います。2022年に「新型
コロナウィルス感染症の病態における腸内細菌の変化とその影響」という論
文が発表されました。その中に、サイトカインストームと呼ばれる炎症性サ
イトカインが一部の腸内細菌の動きと相関することが観察されていると書か
れています。その因果関係について不明な点が多く、より詳細な解析が必要
ですが、短鎖脂肪酸産生菌の減少が腸管及び宿主の恒常性の低下につながる
可能性があると指摘しています。

短鎖脂肪酸は油脂を構成する成分の一つで、炭素の数が6個以下のものを指
し、酢酸、プロピオン酸、酪酸などがそれに含まれます。これらの短鎖脂肪
酸は大腸において、一部の腸内細菌叢による食物繊維やオリゴ糖の発酵によ
って生成される二次代謝産物であり、これらは大腸の粘膜組織から吸収され、
腸管上皮細胞のエネルギー源となることや、ムチンなどバリア機能として上
皮を覆う粘液の分泌に作用しています。また、腸管上皮細胞を強健にするこ
とで腸管外から内部への外来遺物の侵入を防ぎ、腸空内を弱酸性に保つこと
で病原体の増殖を抑制する効果もあります。

COVID-19重症化と細菌叢の関係についても、高齢や、糖尿病、肥満、悪性腫
瘍などの基礎疾患による細菌叢の多様性の低下が感染の感受性を高めている
可能性が考えられるとしています。新型コロナウィルスの後遺症についても、
重症度には関係なく、腸内環境の異常が後遺症で重要な役割を果たしている
可能性が指摘されています。

善玉菌はビフィズス菌や、わかっているだけで279種類の乳酸菌、酪酸菌、
糖化菌などがあります。ヨーグルトさえ食べていれば腸内フローラが整うわ
けではありません。乳酸菌の多くは胃酸に弱く9割は腸に届かず死んでしま
います。たとえ生き残っていても腸で生き残れず排除されてしまいます。腸
内環境を整え、一人ひとりの腸に定着している善玉菌が弱らないようして免
疫力を維持し、医薬品不足も関係ない健康な生活が続けられるように気を付
けてください。

《参考文献》
新型コロナウィルス感染症の病態における腸内細菌の変化とその影響
https://www.eiken.co.jp/uploads/modern_media/literature/202307_P9-15.
pdf
公益社団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット 健康長寿と腸
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/kenko-cho/index.html


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