それでも救われない

かわいそうなカマス

『新入社員研修のときにこんな話を聞いた。

水槽を透明な板で仕切って、一方にエサの小魚。
もう一方にカマスを入れる。

はじめのうち、カマスは小魚を食べようと、何度も何度も、透明な壁にぶつかるが
「これじゃ無理ね…」
段々と諦め、小魚のほうに行かなくなる。

その後、透明な板を取り外しても
「何度も食べようと頑張った。でも食べれなかった」
と学習したカマスは、誰も小魚のところに行かず、小魚が近づいても食べようとせず
「どうせ無理なんだ。無駄なんだ」

そのまま餓死してしまう。

何回実験しても全て同じ結果になったそうです。
でも、カマスを救う方法があるそうです』

都会さんの『会社がツライ なりたい自分を見つけるまで』を読みました。

会社を辞めたくなることってありますよね。
都会さんも辞めたくなります。

旅に出たら人生変わるかな、とか。
転職エージェントに登録する、とか。
人生コンサルに申し込んでみたり、とか。

都会さんはやってみます。

私も、でしたけど、都会さんはある日プツンと切れて休職します。

カマスの実験を都会さんは思い出します。

『私たちも無意識に、透明な板でできた偏見を、自分の中に作っていることがあります。

もし身動きが取れなくなったら、自分の中にある当たり前を疑ってみると、何か新しい答えが見つかるかもしれませんね』

『ここから出たら
お先真っ暗

みんなを失望させる

何もかも失う

市場価値ゼロ

正社員って肩書を守らないと』

『「おーい!
おーい!」

「ここに出口はあるよ」
「ダメだよ。ドアの外は地獄だよ」

「でもさ」
「ここにいても地獄みたいな顔してるよ」

「…」
「どっちにしても地獄なんだから」

「とりあえず、出てみて」
「あっちもやっぱり地獄だったら、また違うところ探せばいいじゃん」

「そんな、簡単じゃないんだよ」
「簡単だよ」

「問題を先延ばしにしたいから、わざと複雑にしているだけだよ」
「さ、行こ」
「出口だって、いつまで開いているかわからないからね」』

都会さんの辞められない理由と、辞められる理由。

私も数カ月前に、闇と病みの深い渓谷のハザマに落ちて辞めようとして、2週間会社を休みました。

辞めたら貯金崩して生活は何年かできるけど、就職先はない。
働けるところがない。

でも辞めたい。

辞めるか、辞めないかでグルグルしてました。

数年前に出版した本は売れてないから、印税生活とか到底無理!だし、いまさら売れるわけないです。

2週間休んで辞めないことになり、仕事は続いてます。
あの頃よりメンタルは安定したんですが、体調がいつものようにひどくて、最近過眠がひどいです。

こんなに寝てしまうって、なにか自分でも気がつかない闇を抱えてているから、睡眠にでているのだろうか。
お正月休みになんとかしたいです。

仕事を辞めたからって、それで救われるわけじゃないです。
辞めたら辞めたで、別の苦しさが生まれる。

新しい仕事が決まることがゴールじゃない。

続けること。
辞めること。
どっちが正しい?

都会さんは決断します。

『ここは、地獄なのか
天国なのか
まだわからないけれど

わからないからこそ
この先の人生が
楽しみだ』


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