トイレの電球が切れました

病気にもランクってあるのかな。

瀬尾まいこさんの『夜明けのすべて』を読みました。


PMSの藤沢さんとパニック障害の山添くんが同じ会社にいる話です。
私も罹患している病気があり、気圧にも弱いし、2人のつらさはわかるところがあります。

藤沢さんと山添くんがお互いの病気を話すところがあります。


「お互い無理せずにがんばろう。じゃあ」
 と軽く手を上げた。
「お互い?」
 お互いってなんだ? この人はPMSと死ぬほど苦しくなるパニック障害を同列に並べているのだろうか。
「お互いしんどくならない程度にってことで。あ、おせっかいだったかな」
「おせっかいではないけど、全然違うなと思って……」
 一言言わずにはいられず、俺はそう言った。
「違うって?」
「PMSとパニック障害って、しんどさも苦しさもそれに伴うものもあまりにも違うのになと。ふと思っただけです」
「そっか。病気にもランクがあったんだね。PMSはまだまだってとこかな」
藤沢さんはおどけるように言うと、「じゃあ、また」と背を向けた。

中略

「病気にもランクがあったんだね」という藤沢さんの言葉が頭に浮かんだ。俺は知らず知らず、自分の病気をかさに着るようになったのだろうか。まさか。本当のことなんだから仕方ない。PMSよりパニック障害のほうがつらいに決まっている。いや、はたして、本当にそうだろうか。俺はPMSどころか生理のことも知らない。実際は想像以上にしんどいのかもしれない。ああ、もう考えるのはやめだ。そんなことどうだっていい。


上記を読んで病気にランクってあるのかな?と思いました。

自分のつらさのレベルなんて、誰かにわからない。
でもわかってもらいたいときもある。

同情してほしいわけではなくて。
共感してほしいわけではなくて。
なんだろうか。

なにをしてほしいかうまくいえませんが、この本を読んでPMSの人とパニック障害の人のつらさが少しわかったような気がしました。

PMSもパニック障害も名前だけは知っていても、症状がよくわからなかったという人もいると思います。

私の罹患している病気も偏見があって、そのことを本に書いたんです。
私は病気の人たちからよく聞いていた、あるあるエピソードを書いたんですが、これを知らない人が多くて反響が大きかったです。

『電車に乗れない』ということです。

病気の人が読んだらわかる、わかると、共感してくれるだろうな、と思って書きました。
でも、知らない人からしたら驚きだったらしくて、たぶん、一番反響が大きかったと思います。
2番目が病気をオープンにした時です。

私はそんなエピソードよりも、推しのクマにリプライもらった!とかのほうが、白眉だ!と思ってます。

電車に乗れなくて、でもなんとかして電車に乗った。
電車に乗れるようになったと思って会社に勤め始めたら、再発して帰れなくなった。

以上来週のサザエさんのような、でもないか、そんな話を本に書いてます。


藤沢さんは山添くんの病気を知ってしまったので、おせっかいをします。
山添くん、2年ぶりに笑いました。

藤沢さんが用意したちょっとした楽しみ、とか。
自分はこれ、好きだったと、山添君が気がついたり。

薬で病気が治るならいいけれど、薬はおさえるだけのもので、完治にはならない。
寛解にもほど遠い。

よくならない自分の状態を考えると絶望するけれど、病気の症状が不安だけど、相手にならおせっかいできて、2人が少し変わり始めた気がします。

薬で治るならいいですよね。
私は病気と気圧で、薬と漢方薬を飲んでます。

いま梅雨なので毎朝死亡してます。
気圧が下がると眠くて、クラクラして、気持ち悪くて、身動き取れませんでした。

毎日会社に遅刻です。
遅刻が許されているのはうらやましいことだと思います。

私はぐあいがわるくてつらいですが、だれかにとっては遅刻が許されるその環境がうらやましい。
誰かにとってつらいことでも、誰かにとってはあこがれ。

私以外にも病気の人が会社に多くて、みんなぐあいわるい、お給料が時給制、ということで遅刻がゆるされています。
遅刻すれば、周りに負担がかかって、注文メールがたまり、でもそんなに残業にはならない。
お給料が減るわけです。
でもぐあいわるくても、働けて、生活できるわけです。

健康になりたいけど、うまくいかない。
サジーを飲むようにしました。

サジーとは鉄分とか栄養が豊富なドリンクです。
でも、口コミがまずい、すっぱい、だったのでためらっていたのです。
勇気を出して試しをポチりました。

飲んだ感想を腹蔵なく話します。

まずいです。
すっぱいです。
現場からは以上です。

でも飲めないまずさではなかったので、続けています。
あまりにぐあいがわる過ぎて、大学病院でいろいろ検査した結果が、鉄分が足りないでした。
だから鉄分が豊富なサジーは飲んだほうがいいんです。

「てちゅぶんがたりない」

口に出せば、活舌が悪くて、「つ」がうまく発音できない。
だから、白菜を切りながら「魔術!黒魔術!白魔術!」と唱えて練習しました。

現在はキャベツで練習してます。
千切り?
そんなものはできない!
ざく切りだ!


梅雨で死んでますが、朝起きたいです。

起きれないけど、朝活のコミュニティに所属してます。
昔は起きれたんです。

朝が来るのがつらいときがあります。
朝起きるとクラクラして、気持ち悪くて、身動き取れないから。

起きた瞬間からぐあいわるい。
目を覚ましたくないです。

起きたときに、朝活コミュニティのチームの人たちがおはようといっている。
朝から部活をエンジョイできてリア充がうらやましいです。
いいなあと思うわけです。

梅雨が明けようとも体調の悪さは一年中なわけで、あんまり変わらないんですが、私も起きて朝活を楽しみたいです。

その人にとって当たり前にできていることが、私にとってはできないことだったりします。
普通に起きれるって実はすごいことです。
みんな当たり前のことなんだけど、私はいいなあって思います。

でも、今朝、一億光年ぶりくらいに早く起きれました。
バルス!って言えるようになるかもと思えたんです。


朝起きれたら、休みの日に倒れずにいられたら、やりたいことがあるんです。

プリ活です。

今までフルーツサンド部でしたが、プリ活もしたいんです。

フルーツサンドのように、プリンのお店もスクラップして、お店のリストを作りたいです。
もし、朝動けるならば、休みの日に動けるならば、プリンも極めたいのです。

でも今日起きれたということは、夜明けが近いのかもしれません。


以前、会社のトイレの電球が切れました。
暗くて、洗面所の電気をつけてトイレを使いました。

外出していた社長に連絡しました。

『トイレの電球が切れました。
ワット〇〇、サイズ〇〇。
買ってきてください。
夜明け前が一番暗いです」

返事はなかったですが、次の日電球が新しくなって、トイレの夜が明けました。
夜明け前が一番暗い、トイレで納得したことです。


トイレに明かりがついたからといって、会社が明るくなって、みんなのぐあいがよくなるわけではないです。
会社の夜明けはまだです。


会社が遅刻を許していてくれて、病気のひとが多いからって、理解があるわけではないです。
わかりあいたいと、言葉を尽くす人と、わかりあえないことを前提で話す人。

私はわかりあえない、と思ってます。

病気のつらさも。
症状も。
その人のもので、だから、病気にランクってあるのかな?と思ったわけです。

社長と長年一緒に働いてますが、いまだにいろいろわかりあえないです。
本にも微に細を穿って書いたつもりなのですが、私が入社した時、こんなことがありました。

昔々のことでした。
入社して間もないころ、会社で、私はもう帰っていいってなったときに、社長が突然、胸を押さえて、痛い!といいました。
心配になった私は「六角神経痛ですか⁉」と叫びました。

社長は電光石火の速さで「ろっ、かん、だよ!鉛筆じゃないんだから!」と息も絶え絶えに言いました。。

こんなときでも社員教育を忘れない人なのか!と入社間もない私は思いました。

いまならわかります。
あれは社員教育じゃない。
ツッコミです。
いつもツッコまれています。

こんな日常を淡々と本に書きました。
病気ですごいぐあいわるそうですが、いまは前よりはいいと思います。


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