働き方改革は残酷だ
労働時間の上限規制などを柱とする働き方改革関連法が国会で成立し、来年4月以降、順次施行される運びとなっており、引用記事でも、以下のとおり、企業への影響が指摘されています。
法改正の影響は企業活動の隅々に及ぶ。長時間の残業を前提にしてきた一部サービス業などは業務運営の抜本的な見直しを迫られるほか、新たな人材の確保、固定費の上昇といった課題にも向き合わねばならない。特にデフレ期に急速に膨らんだ非正規雇用に頼る産業では、短期的に収益の下押し圧力がかかりそうだ。
日本の労働法制史上初めて、罰則付きで労働時間の絶対上限規制が導入されたため、企業の大小を問わず、労働時間を一定の範囲内に収める対応は必ず必要となります。
そのため、各社は目下残業時間の削減に取り組んでいるのです。
ここで注意すべきは、労働時間の上限規制を遵守するのは当然なんですが、仕事が減った分、どうやってスキルアップするかという視点です。
美化するつもりはありませんが、一定の量をこなすことで仕事のスキルアップをしたという経験がある人は多いのではないでしょうか。
しかし、今後は労働時間の上限規制があるため、多くの社員、特に若い社員にたくさんの仕事の処理をこなす、という経験が少なくなるでしょう。
会社としても一律に「仕事をこなして成長せよ」というメッセージを送りづらくなります。
問題はその後、労働時間が少なくなったところで、自主的に研修会や外部イベント、勉強や社外での経験を積んでいく人と、そうでない人に分かれてくるということです。
労働時間が少なくなって良かった、という単純な話ではなく、業務外で自主的に研鑽を積む人では10年後には相当な差ができてくるでしょう。
その時否応無しに格差が生じてくる、その意味で残酷だなと思うのです。もちろん自分次第なのですが。
一億総中流と呼ばれる、会社のいうことに従って入れば人生安泰、という時代は終わろうとしています。
労働時間短縮議論だけではなく、その後についてますぜひ考えてみて下さい。
https://r.nikkei.com/article/DGKKZO3434694020082018M12700?s=3
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