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倉庫管理システムを日々使う側からのリプレースの話

こんにちは。
クラシコムでカスタマーサービスを担当している「お客さま係」の石井です。

先日の記事でエンジニアの木村が取り上げた「倉庫管理システムのリプレース」について、日々の業務で実際に倉庫管理システムを活用しているスタッフの視点からも振り返りたいと思います。

私たちお客さま係が担当している主な業務に、お客様から日々承る注文の内容を確認し間違いなく出荷すること、商品の返品や交換の対応をすることがあります。

「出荷」=ご注文いただいた商品や交換品をお客様へ発送すること(倉庫から商品が出ていく)
「返品」=お客様から商品を返送いただくこと(倉庫に商品が入ってくる)

上記はどちらも倉庫管理システムのリプレースで大きな影響を受けます。

お客さま係内のリプレース対応担当としてはじめて私に声がかかったのは「1年後くらいにリプレースする予定です」というタイミング。

リプレース後に混乱をきたすことなく正常に関連業務を遂行できるように、業務フローのヒアリングからスタートし、新しいツールの導入・業務フローの変更をリプレースを実施するよりも前に行うことになりました。

不安だらけだった「業務ツールの変更」

私たちお客さま係が担当する業務に関するもので、いちばん大きな変化となったのは「返品を管理するツールと業務フローの変更」でした。

まず、どんなにイヤでも逃れられない状況になったのは、ツールの変更です。

お客様からの返品交換のお申し出に対応するためには、下記のような情報を管理し、倉庫とも共有する必要があります。

  • どのお客様から何の商品がいくつ返品されるのか

  • 返品された商品の状態がどうだったか

  • 返品された商品をその後どうするか

しかし、今まで私たちが使っていたツールでは新しい倉庫管理システムに対応できず、すべてkintoneに移行することになりました。

返品交換対応は毎日・毎時発生し、この業務を担当するスタッフも常に複数いるため、日常的にずっと使っているツールが大きく様変わりするのは不安が大きかったです。

業務負荷が上がらないか?という不安

また、返品交換に関する業務は、できる限り迅速かつ確実にお客様へ交換品を届ける・返金手続きを行うために必要なことで構成されています。

だから「システムやツールの都合でできなくなったので諦める」という選択肢がないことがほとんどです。

自分の手(倉庫管理システム)や、持っている道具(kintone)が変わっても、お客様にお届けするモノはこれまでと同じ形に仕上げなければならないわけで、「そもそも可能なのか? できるとしても、日々の業務コストが跳ね上がってしまわないか?」ということも不安材料でした。

「私たちはお客様にこう対応したい」を共有する

少しでもその不安を軽減したく、リプレースの準備中はずっと、kintoneの入力項目の並び方など細かいことから「無理かもしれないけれど、こうなったら理想です」なレベルのことまで、とにかく要望は全部、本当に思いつく限り全部、エンジニアの皆さんに伝えさせてもらいました。

(その節は、粘り強く聞いてくださってありがとうございました)

また、要望を伝えるときに気をつけたのは、「私たちは〜〜という理由で、お客様にはこのように対応する必要があって、そのためにはシステムやツールはこうあってほしい」と背景も含めて共有することです。

この「お客さま係としてありたい姿」にエンジニアの皆さんがずっと寄り添って対応し続けてくれたので、とても安心感がありました。

なかにはフローが煩雑になってしまった業務もありましたが、エンジニアと一緒にプロジェクトを進めていくなかで、できること・できないことを理解し、最終的に「適切なお客様対応」にたどり着けるよう知恵を絞ってきたことで、納得感をもって新しいフローを受け入れることができました。

愚痴も意外と役に立つ

プロジェクトを進めるにつれて、エンジニアの皆さんとコミュニケーションを気軽にできるようになったことで、改善に繋がったこともありました。

「これはどうやって対処しようか?」と何度も一緒に頭を悩ませていると、苦楽を共にした感というか、同じ釜の飯を食った感というか、とにかくコミュニケーションに気安い空気が流れてきます。そして調子に乗りやすい私は、そういう空気にすぐ順応するタイプです。

そんな雰囲気のなかで、倉庫管理システムとは直接関係ないのに
「そういえばこの項目って、こっちのツールの情報を一つずつコピペして入力しなくちゃいけなくて、結構手間なんですよねぇ」
なんて愚痴をこぼしたところから、ツール間で入力内容をボタンひとつでコピーできる機能を追加してもらうことができ、日々の業務効率が飛躍的にアップしました。

(余談ですが、このボタンには実装してくれたエンジニアの名前を冠したネーミングをしておりまして、私たちお客さま係のメンバーは、日頃から感謝の思いを込めてこのボタンをクリックしております)

先ほど「なかにはフローが煩雑になってしまった業務もある」と書きましたが、これは本当に一部のこと。ツールの変更や倉庫管理システムのリプレースで、全体として見ると業務がグッと効率的になりました。

「技術ってすごいな!」と小学生のような感想を抱く場面がたくさんありました。

リプレース当日は「不安なし」

そんな準備期間を経て、お客さま係の業務については、倉庫管理システムのリプレースの4ヶ月前から新しいツール(kintone)を使った新しい業務フローへ移行し始め、1ヶ月前には移行がすべて完了していました。

移行直後は不具合や考慮不足だったところがポロポロと見つかりましたが、それらをしっかり修正し、完全に新しい業務フローに慣れた状態で倉庫管理システムのリプレースを迎えることができたのです。

思えば私が抱いていた不安は、倉庫管理システムのリプレースの1ヶ月前には、ほぼなくなっていました。

会社全体や倉庫にとっては非常に大きな変化であるリプレースの実施当日を、いつもの日常の延長として落ち着いて迎えられたのは、エンジニアの設定してくれたロードマップのおかげだなぁとしみじみ思っております。

「やってよかった」と思えるゴールに

振り返ってみれば、数ヶ月間の準備期間中には「これは大変だ……」とため息をついた時も何度かありましたが、思わぬご褒美もあったプロジェクトでした。

◎日々の業務フローの見直しと改善
◎技術的支援を通しての業務効率化
◎倉庫の作業内容について理解度が上がり、依頼・指示がより的確にできるようになった
◎返品された商品の管理、他チームへの引き継ぎがしやすくなった
◎業務マニュアル改訂をきっかけに、マニュアル全体をより参照しやすいものに整備できた

お客さま係の業務のなかだけでも、パッと思いつくだけで上記のような嬉しいことがありました。

倉庫管理システムとは直接関係ない部分でもメリットが大きく、結果論ではありますがリプレース後に訪れた "お客さま係史上、最大の繁忙期” に、もしこの時の業務改善がなかったら……と思うと背筋が寒くなるほどです。

そう思うとやはり、今後お店がより大きくなるなかで必要不可欠なプロセスだったのだなと感じています。

そして、まだまだ「もう少しどうにかしたい!」と感じる業務もたっぷりあるので、これからもエンジニアの皆さんと協力しながら、楽しく業務改善に取り組んでいきたいと思います。