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【居酒屋寄席〜最終章二夜 立川文都に捧ぐ】大入り御礼

 旧九月二十一日。朝晩の冷え込みが少しずつ厳しくなってきました。6日後の11月8日は二十四節気の【立冬】です。冬がもうすぐそこに迫ってきました。

 10月30日と31日には、【居酒屋寄席〜最終章二夜 立川文都に捧ぐ】を開催しました。両日ともいっぱいのお運びをいただき、ありがとうございました。

 故立川文都師匠とともに、2012年11月1日に初めて開催したこの会は、今回が26回目と27回目です。渋谷川と旧東横線ホームの間に挟まれた渋谷の路地にある居酒屋ニュー信州がその舞台でした。渋谷駅周辺の大規模開発により、10月いっぱいで姿を消すこのエリア。ニュー信州も店舗移転を余儀なくされます。昭和の香りを残すこの酒場での落語会は、これが最後。折しも、立川文都師匠の命日が前日の29日で、七回忌を迎えます。居酒屋寄席ゆかりの落語家が三人ずつに分かれて出演しました。

 第一夜は、今年立川流から落語芸術協会に移籍した立川吉幸さんでスタート。「元犬」を聞かせてくれました。続いて、居酒屋寄席最多出演の立川談修師匠による「青菜」。文都師の得意な根多でした。さらに、文都師と同じ関西出身の立川雲水師匠は、これも文都師がよくやっていた「高津の富(宿屋の富)」。
 休憩を挟んで、後半は三人によるトーク。文都師の思い出話に花が咲きました。そして、12年前の第一回で立川文都師匠が聞かせた「親子酒」をビデオで上映しました。初日は、映像に不備があり、お見苦しい点が多々ございましたことを、あらためてお詫び申し上げます。


 第二夜は、立川志の輔一門の三兄弟会。立川志の春さんは「風呂敷」、立川志の八さんは「河豚鍋」を披露。そして、立川晴の輔師匠による「猿後家」。「河豚鍋」「猿後家」はいずれも元々は上方の噺です。トークでは、文都師匠の思い出とともに、立川志の輔師匠とのエピソードも。前夜と同じ映像を上映しましたが、同じ場所で12年前に収録したもののため、プロジェクションマッピングのようになります。あたかも高座に文都師匠がいるかのように、蘇りました。


 いつもの居酒屋寄席では、第二部の宴がお楽しみですが、すでにこの店舗での営業が終了しており、三本締でお開きとなりました。


 大入り満員で窮屈な中、長丁場の会となりましたが、お運び頂きました皆様には、感謝いたします。また、出演下さいました立川雲水師匠、立川談修師匠、立川晴の輔師匠、立川志の八さん、立川志の春さん、立川吉幸さん。移転作業で多忙な中、会場として提供してくださったニュー信州の店主・榎 慎一さんと、おかみさんの範子さん。いつもこの会でお手伝い頂いた、鈴木冬美さん、水野 稔さん、新谷信子さん。そして、立川文都師匠の映像の使用を快諾してくださったお母様の国府 幸さん。仲介してくださった木下文代さん。これまでの居酒屋寄席にご出演くださいました、立川龍志師匠、立川小談志師匠(出演時は泉水亭錦魚)、立川らく次さん、立川こはるさん、立川談吉さん。皆様ありがとうございました。また違った形になるかも知れませんが、この会を復活させたいと思います。

(旧ニュー信州での最後の宴は、志の輔一門三兄弟との打ち上げ<左>。まもなく消えるこの風景<右>)

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