見出し画像

『ことばの再発明』と「地域を知り、地域で実践するアートマネジメント講座2020」の話

はじめに

今年度も「地域を知り、地域で実践するアートマネジメント講座2020(以下、AM講座)」の事務局として、鳥取大学地域学部附属芸術文化センターでコーディネーターとして勤務しています。

昨年度の初心表明は上記記事から。いろいろありましたが2年目も無事に継続出来て有り難いです。先日、デザイナーとして出演したFM鳥取さんの「来ました!鳥取の元気人」の中でも今年度の告知がてらに昨年度のお話をしたり、杉原一司歌集などの制作物の話をしていました。

2020年度のAM講座では、新しい試みとして、私・クラタと鳥取大学地域学部・佐々木研究室の佐々木友輔先生の共同企画として『ことばの再発明−鳥取で「つくる」人のためのセルフマネジメント講座−』という講座を実践活動編プログラムの1つとして開講しています。このnoteでは、講座紹介と現状の思いをまとめておきたいと思います。


ことばの再発明−鳥取で「つくる」人のためのセルフマネジメント講座−

アーティスト、クリエイター、デザイナー、パフォーマーなど広い意味での表現者=「つくる」人を対象として、連続講座と講師との対話を通じて、自身の作品や活動を適切に言語化し、他者に伝える技術を学びます。ただ「作品」を作るだけでなく、トークイベントやステイトメント、プレゼンや助成金申請など様々な場面で「言語化」が求められる現在の状況下で、表現と言葉はどのような関係を築くべきでしょうか。領域横断的な講師の助けを借りて、自身を語る「ことば」を再発明しましょう。

こちらは、鳥取大学地域学部・佐々木研究室の佐々木友輔先生とコーディネーターの蔵多優美こと私による共同企画として実施しています。既に開講しており、18名の受講生と私と佐々木さんを含めた12名の講師が集まり、9/25〜28の成果発表展@ギャラリーそら(実施予定)に向けて講座を進めています。

▲佐々木さんによる企画理由と問題意識をまとめたnote

▲「オリエンテーションを終えて」というレポートをまとめました

本講座では、「聴講生」参加を設けており、講師による講演を聴講することが出来ます。講演③、④については、参加申込が可能です。私達のプロジェクトに興味のある方々は是非ご参加いただければと思います。


地域を知り、地域で実践するアートマネジメント講座2020

新型コロナウィルスが猛威を振るう中、再び芸術と社会・地域との関係が問い直されています。芸術活動は「不要不急」のものなのでしょうか。芸術の本質(のひとつ)である創造性が、この困難な状況を生き抜く術を編み出すという側面があるのではないでしょうか。2018年度から実施している本講座では、開講以来一貫して「地域における芸術的営みをいかに 価値あるものとしてとらえることができるか」に注目してきました。日々の生活で直面するさまざまな課題にしなやかに対応しながら豊かに暮らしを営むためには、ある種の創造性が求められます。これまでの講座を通じ、地域における芸術的営みによって、そのような創造性が育まれるのではないかということが見えてきています。3年目となる今回の一連の講座でも、そのような観点から創造的な実践を展開している方々を講師に招き、共に考えることを試みます。 また、実際の事業の企画運営にも携わることで実践力を身につけるプログラムを目指します。
-----
令和2年度 文化庁 大学における文化芸術推進事業採択
「地域資源を顕在化させるアートマネジメント人材育成事業」

3年目となる今年度は、コロナ禍のため、オンライン開催の講座が多く、鳥取内のみならず、鳥取県外からもご参加いただいています。

先日実施した「概論編01」は、講演だけでなく、Zoomのブレイクアウトルーム機能を用いたワークショップを実施し、昨年度同様の講座構成がオンライン上でも実施出来たことが運営側としては大きな収穫でした。(その分、Zoom運営対応に負荷がかかるので、オンラインとリアルの両方併用実施の場合は、運営陣を増員しなければという課題もありますが...)

また、鳥取のみならず、各地のお話をワークショップや講義後の質問を通じて知れたのも、過去にはない展開。これはオンラインならではの強みだなと感じています。

次回の「概論編」は11月開催。実施については要検討中(オンラインのみなのか、オンラインとリアルの両方併用実施なのか)です。ご興味のある方はぜひご参加ください。

今年度の「概論編」は全4回の他に、地域課題と芸術の関係をテーマとした特別講座と受講⽣・教員・コーディネーター間の交流会の開催について検討中です。「実践活動編」は、先に紹介した『ことばの再発明』を合わせた6つのプログラムを実施予定です。

「実践活動編A」は、昨年度も実施した「にんげん研究会」をオンラインで展開。コロナ禍で「会えなくなったひとやもの」あるいは「出会ったひとやもの」と対話した日の日記を投稿し、三人の講師がそれにコメントするラジオ形式で進行しています。こちらは随時参加者募集。ご興味のある方は是非。

「実践活動編B」は、10月より開講予定(形式は要検討中)。現代美術、特に美術批評を中心としたテーマの講義と、受講生は、鳥取の美術&文化についてのリサーチを行っていきます。最終的に受講生によるリサーチをまとめた冊子(昨年度『芸術と文化 鳥取2020』という冊子を刊行)の発行を目指します。ご興味のある方は参加お申し込みください。

「実践活動編C」は、9月以降より開講予定。コロナウィルスによって流動化した社会におけるアートの実践とは何かについて考えるためのプログラムを実施します。詳細は追ってWEBサイト等でお知らせします。http://www.school-in-progress.com/

「実践活動編D」は、昨年度も実施した、音楽とダンスの垣根を越えて踊り奏でるワークショップとファシリテーター養成講座。これまでは各回ゲストを招いてきましたが、今年度は新型コロナウィルス対策のため、その時々でできることを模索していきます。接触をせずに、外で思いっきり身体を動かして遊ぶにはどうするか。県内講師とともに遊びを考案する研究会を立ち上げ、その成果を公開していきます。

6,7月は屋外での実施。次回は9月ですが状況を見ながら、その時々で判断していきます。参加者は随時募集中。ご興味のある方は是非。

「実践活動編F」は、鳥取県の代表的な民謡の《貝殻節》の特徴を学び、口頭伝承による民謡の多様性への理解を深めながら、地域資源を理解し普及させていくためのアートマネジメントについて実践的に学んでいきます。「研修」は、9,10月共に旅風庵で実施予定。「公演」は、2021年1-2月のどこかで実施予定。いずれも状況を見ながら実施検討しています。詳細は追ってWEBサイトでお知らせしますのでご確認ください。

*****

本講座は、コロナ禍で出来ることを考え、オンライン実施と秋以降の対面実施を当初予定していましたが、日々状況が変化し、大学としての判断もありますが、このままでは秋以降の対面実施も厳しいのでは...というのが個人的な意見です。私1人だけでは判断することが難しく、担当教員の先生方や職員の皆さん、講師や関係先の皆さんと相談しながら、実施方法を講座毎に模索し実施しています。受講生の皆さんには何かとご迷惑をおかけする場面も多くなるかと思いますが、新しい生活様式化での受講の中で、地域で出来る新しい可能性を共に考え、実行していけたらな、と考えています。今後の活動をお楽しみに。また、ご興味のある方は、是非受講していただければと思います。お待ちしております。

いただいたサポートで本を買ったり、新しい体験をするための積み重ねにしていこうと思います。