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石田和也さんによる陶芸作品の紹介

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石田和也さんは、備前焼を家業とする家に生まれ、人間国宝のもとで技を極めるとともに、イギリスに渡り、海外の技法や文化を学ばれました。今や日本各地や海外をまたに掛けて活躍する若手のエ…
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2021年4月の記事一覧

石田和也さんの浮遊感を放つグラス

画像は、気鋭の備前焼作家、石田和也さん作のグラスです。 その奇妙な存在感に興味を惹かれました。 備前焼なのに、見た目が無機質なのです。すなわち、表面が平滑で、光沢があり、フォルムも中性的で、人造的な正・楕円形のくぼみが付けてあります。 不思議な浮遊感を放っていて、地球上の物質ではなくて、反重力の性質をもった異次元宇宙の物体の様です。・・ベルギーの画家、ルネ・マングリットの代表作「ピレネーの城」を連想しました。 マグリットは固定観念を打ち破り、思考の自由さを求めた人でし

石田和也さんの酒杯〜クラフトからアートの領域への到達〜

画像は、倉敷美観地区に店を構える備前焼のセレクトショップ・倉敷一陽窯のガラス戸の中に大切に保管・展示されていた酒杯です。 高さ7cmほどの小さな器ですが、トルネード・ラインがクレッシェンドからデクレッシェンドに変化し、見る人の精神を解放してくれます。まさに、アートの領域に到達した造形物です。 作者は新進の備前焼作家、石田和也さんです。石田さんには、倉敷一陽窯で開催された備前焼の実演イベントの際に直接お会いし、お話ししたことがあります。石田さんは意識の力が強い方で、土と無意

石田和也さんとマーブルプロジェクト

備前焼作家の石田和也さんと、岡山県立大学の太田菜々実さん、日下部瑞穂さんは、備前焼粘土と磁土の2種類の粘土を使用する新しい技法にチャレンジしています。プロジェクトの名前はマーブルプロジェクトです。それによって、備前焼特有の焼けによる色合いのみならず、磁土の色によって、非常に多義的な模様を生み出しています。画像は、マーブルプロジェクトによるアクセサリーです。 私には、夜の静かな海と空が見えました。海にはさざ波が立ち、空には雲が浮かんでいます。右斜め上から海面にかけて、天の川が

一流のパフォーマンスに見られたATNR(非対称性緊張性頸反射)

ATNR(非対称性緊張性頸反射)は脳幹レベルの原始反射で、頭部の向いた側の伸筋トーヌスが亢進し、反対側の屈筋のトーヌスの亢進を生じるものです。新生児に認められ、生後4カ月過ぎると消失するとされています。しかし、人間が極限まで能力を発揮するときに復活して、パフォーマンスを助ける様です。 2019年11月15日、岡山済生会80周年の記念イベントで、香川県高松市出身の世界的ヴァイオリニスト、川井郁子さんの生演奏を聴く機会がありました。使用楽器は1715年製作のストラディバリウスで