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第4話:ISBNを取ってみる

師匠も工藤さんも、「少し時間がかかるから、とりあえずISBNの取得を急いだほうがいい」と言っていたので、取ってみることにした。HPには、「合計2週間(営業日)程度かかる場合がある」と記載されており目安にしていたのだが、下記のとおり、手こずったところがあり、完了までに1ヶ月ほどかかった。
 
まずISBNとは何か。
ISBNは、書籍出版物の書誌を特定することができる13桁のコードで、出版取次会社や書店(ネット書店も含む)を通して本を販売しようとする場合、ほとんどの方が付けることを要求されるそうだ。
ISBN国際機関との契約に基づいて、日本国内におけるISBNの発行管理は「日本図書コード管理センター」へ独占的に委任されている。
詳しくは、こちらをご参照いただきたい。

実は、工藤さんとお会いする前に、師匠からトランスビューにお願いする場合の業務マニュアルを頂いていたので、ISBNコードの申請フォームも確認しており、「これは教えてもらわないと進まないな」と思うところがいくつかあったので、聞ける雰囲気なら一緒に聞いてしまおうと、懐に忍ばせていた。そして、前述のとおり、工藤さんは超絶現場力のある経営者だったので、一瞬にして解決した。

質問①:
「出版社記号希望桁数」はどれを選べばいいか?
小さく始めたいので、シングルコードまたは7桁(発行可能点数10点まで)でいいか?

「新規ー注意事項同意」より抜粋

回答:
師匠も工藤さんも即答で、6桁(発行可能点数100点まで)だった。
『せっかく腰を据えて本気で出版事業をやっていこうとしているのだから、そういう会社だと認知してもらったほうが良い。書店も発注しやすい。』
全くそのとおりだったので、申請料に極端に大きな差もないし6桁で申請した。

質問②:
FAXでのやり取りが主流と聞いたことがあるが、任意項目ではあるものの、入れておいたほうが印象が良いか?

「新規ー注意事項同意」より抜粋

回答:
不要。トランスビュー方式の場合、FAXのやり取りが発生した場合、メールで転送してもらえる。

意外に手こずったところ:
電話番号
 
私は、数年前まで社会インフラ系許認可事業に携わっており、自社で固定電話回線を契約するのが当たり前だった。事業立ち上げの時などは、クラウドPBXなどを利用し自分の携帯電話に転送されるようにしていたが、コロナ禍においても、オフィスへの出社ゼロにはできない事業だったので、気軽に回線を開けてしまえるタイプだった。
一方、ソニックガーデンは、コロナ以前から働き方としてリモートワークを採用しており、倉貫さんの著書「リモートチームでうまくいく」(2015年)がコロナ禍で注目されたほどだ。

現在、IT企業やスタートアップ企業を中心に、電話代行サービスの利用が一般的になっており、自社契約の固定電話回線がないことは珍しくない。
例に違わず、ソニックガーデンも電話代行サービスを利用しているのだが、事務局との連絡は、申請時以外はメールになるとのことで、電話でやり取りする頻度は高くないだろうと見込み、電話代行サービスの番号を記載した。 
ところが、事務局からの連絡で、電話番号は自社契約でなければならないことが発覚する。事業環境の変化を考慮してくれたのか、事務局の方も親切に教えてくださったのだが、出版者は個人・法人を問わず、自己契約であれば、IP電話でも携帯電話でも構わないらしい。個人の携帯電話の番号を記載しても良かったのだが、経験上、法人の代表者直通の番号であることがわかると、不動産のセールスなど事業とは無関係な電話が増えるため、一般公開されると、いささか面倒である。
ということで、法人契約の携帯電話回線を新規で用意するか、となったのだが、結果として、作成したばかりの固定電話回線があったので、事なきを得た。
 
さすがに私のように事業部門と管理部門の両方を管轄していたケースは極めて稀だと思うが、許認可事業やtoCで電話問い合わせが多い事業をしていたりすると、立ち上げ時にも拡大時にも必要なため、事業サイドも回線情報を把握していることも少なくない。
しかし、一般的にはそうでないので、先に、どういう目的で回線が必要なのかを社内で共有しておくとスムーズだった、という学びだった。
 
最終的に、ISBN出版者記号が発行されるまで、1ヶ月と少しかかった。
初めて申請する場合、余裕を持っておいた方がいい、というのは、師匠たちの言う通りだった。

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