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2種類のテキストコミュニケーション

リモートワークに限りませんが、最近では仕事をスムースに進めるためにはチャットの活用は欠かせません。

チャットでのやりとりは慣れている人にとっては簡単で、かつ効率的なコミュニケーション手段ですが、そのカルチャーに慣れていない人にとっては、うまくコミュニケーションするのは難しいようです。

チャットにはチャットの良さはあるのですが、いつ何時でも割り込みが入ってくるので集中して仕事が出来なかったり、リアルタイムで応答が求められて返事を後回しにすることがしにくかったり、デメリットもあります。

チャットとは違う形で、もう少しまとまった情報としてのテキストコミュニケーションも合わせて活用すると良いでしょう。昔だったら、お喋りと手紙の違いです。

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たとえばメール。ある程度まとめて伝えなければいけません。そのためチャットに比べて面倒なこともありますが、自分の考えをまとめる時間を持つことができるのは利点です。

たとえばブログ。相手の反応がわからないので、誤解なく意図が伝わるよう考えながら書く必要があります。時間差や多数を相手にしてますが、一種のコミュニケーションです。

こうして考えると、チャットのような相手とのリアルタイムでのコミュニケーションと、メールやブログのように相手が今いない状態を前提のコミュニケーションの2種類に分かれます。

ソフトウェアエンジニアリングの言葉を使うなら、前者の相手ありきのコミュニケーションを「同期型」、相手がいない状態でのコミュニケーションは「非同期型」と分類できます。

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メールやブログを苦手とする人がチャットなら楽にできるというのは、チャットはテキストコミュニケーションではあるけれど、実際には口頭でお喋りしている内容に近いからでしょう。

チャットの場合は、相手の反応を見ながら話ができるので、伝わっているかどうか確認しながら話せます。会話を続けるうちに共通の文脈ができるので、続けるほど楽になります。

逆に、メールやブログのような非同期コミュニケーションの場合は、読むだけで伝わるように書く姿勢が求められます。もし情報が不足していたり、論理的でなかったりすると伝わりにくいでしょう。

相手がいなくても伝わる内容を書くことができれば、そのテキストの価値は長期的なものになります。短期的な時間の効率を考えるとチャットが有利ですが、長期的に見れば非同期の方が価値が高まります。

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テキストコミュニケーションをする際には、この「同期」か「非同期」かという2種類について意識するだけで格段と向上するでしょう。

チャットなのに、メールのような長いテキストで送ってくる方がいますが、それは同期型であることを理解できてない可能性があります。

逆に、多くの人への報知や連絡にも関わらず、納得できないような言葉足らずな内容を書いてしまうのは、そのテキストだけで伝わるかどうかを意識できていないのかもしれません。

要は、場面に合わせた使い分けです。そして、どちらかで良いかというとそうではなく、この2種類のテキストコミュニケーション能力を身に着けておくと良いでしょう。

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この2種類のテキストコミュニケーションには、どういったコツがあるのでしょうか。

チャットのような同期型のコミュニケーションに必須なのは、タイピング能力です。タイピングが遅いと、相手からすると返事がくるまで待たされるということです。スマホの場合もフリックなど同様です。入力の速さ。

チャットをしていて相手からの返事が遅いとき、どんな気持ちになるでしょうか。相手のことを心配してしまうし、何か言いにくいことがあるのではないか、と邪推さえしてしまうでしょう。だから、レスの速さは重要です。

そこにタイピングなどの入力の速さが影響します。これは練習すれば誰でも一定までは速くなります。

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非同期コミュニケーションのためのテキストを書く際に重要になるのは、反応の見えない相手に伝わるような文章力です。とはいえ、美しい文体や語彙が大事なわけではありません。

時間差でも相手に伝えるためには、ある程度の論理的に構成された文章である必要があります。支離滅裂な内容だと、相手の読解力に期待することになります。

これはコミュニケーションのコストをどちらが負担するか、ということです。書く方がコストかけずにいると、読む方にコストがかかる。逆もしかり。広く読んでもらうことを考えると書く方がコストかけた方が効率的でしょう。

読んでくれる人の頭の中に、どういった情報が入っていくのか、どういった思考するのか、その積み上げをシミュレーションしていくと良いでしょう。それは難しそうですが訓練で身につきます。

チャットであろうとメールであろうと、共通するのは相手の目線に立つこと。受け取るとどう感じるのか、どう考えるのか、発信する前に考えてみると良いでしょう。

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