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ルックバックが最高すぎた

以前からオススメされていた映画「ルックバック」を観てきました。事前情報は「チェンソーマンの著者 藤本タツキ先生の短編漫画が原作」「1時間の映画」「主人公は2人で、何か描く?」ぐらい。このnoteではネタバレしないように書きたいと思います。なにはともあれ観ていただきたい、そして感想を語り合いたいです。

原作

映画の原作であるマンガ「ルックバック」は、2021年7月にジャンプ+に長編読み切りマンガとして公開されました。当時もすごい話題であり人気だったそうですが、私は全く知らず。。。Twitterのトレンドにも上がったそうなので、タイトルは目にしていたのかもしれませんがまったく覚えていませんでした。

ちなみに、今回映画を薦められたので、映画を見てからマンガを買って読みました。映画が脳内再生されてそれも良かった。。。

「1時間」という枠組み

今回の映画は「58分」という短い映画です。映画を観る前は「読み切り作品だから、サクッと作ったのかな?」などと思っていましたが←失礼、実際はぎゅーーーーーーっと58分に詰め込まれていて、1時間とは思えない濃密な時間でした。2時間映画と同じ感覚でもあるし、あっという間に観終わってしまうという感覚もあり、不思議な感覚です。

ちなみに、映画のチケット代はひとり1,700円で、こども・学生・シニアなどの券種はなく一律料金です。私は一般料金なので気にならなかった(むしろ普通よりちょっとお安い)のですが、こども・学生の方にしてみると高く感じるといった意見もあったみたいです。
映画の本筋と外れますが、ここにも「時間単価」みたいな感覚が染み付いて、やっぱりこの「感覚」「認識」を変えていくのが私のテーマなんだと改めて思いました。

アニメ映画

これまで、映画は実写映画を観ることが多かったですが、コロナ以降にアニメ映画をよく観るようになりました。アニメというかアニメーションって面白い!と気づかせてくれたのが「映像研には手を出すな!」です。映像研はTVアニメでしたが、「アニメーションをつくるってこういうことなのか!」と知ることができ、そこからアニメの見方が変わりました。(映像研のアニメ原作マンガもめちゃくちゃオススメです!)

最近だとスラムダンクの映画「THE FIRST SLAM DUNK」は本当に圧巻でした。映画館で5回鑑賞、DVD購入、そして配信で何度も観てます笑 THE FIRST SLAM DUNKでは、モーションキャプチャーした動きをアニメーションに落とすという手法で「井上雄彦先生の絵が動いた!」と感動しました。

そんな中でみた映画ルックバックですが、THE FIRST SLAM DUNKとは違う創り方でそこも非常に興味深かったです。THE FIRST SLAM DUNKの場合は「自分がスラムダンクの世界に入り込んで、手に汗握って応援している」というイメージですが、ルックバックの場合は「ルックバックの世界に入り込んでいると同時に、ルックバックという映像作品をクリエイティブとして鑑賞している」ということがありました。

ルックバックは2つの見方を行ったり来たりしながら鑑賞していたイメージ

アニメーション

「振り向く」「背中を見る」という意味のルックバック。この映画のタイトルでもありキーワードにもなっています。この映画でも振り向く様子が印象的に描かれます。

映画を観て、さらに原作のマンガを読んで、改めてアニメーションって本当にすごいなと思っています。マンガは自分の脳内で映像化するという、むしろ無限の可能性があってそれも楽しいのですが、マンガ表現のひとつの解釈としてアニメーションになった時に「あぁ、、、こういう感じか。。。確かに」と思えることがあって、そこがアニメーションを観ることの醍醐味のような気がします。

喩えるなら「なんか良くワカラナイんだけど、超絶モヤモヤすることを、別の方がズバッと言語化してくれた感じ」でしょうか。アニメーターはマンガや小説を映像として表現してくれる人、コミュニケーションのツールとして映像を使いこなす人、って感じ。マジリスペクト。

マンガを解釈して映像にすることのスゴさ

私は映画を先に観ましたが、原作マンガを読んだ人からも映画の評価が高いのは、このアニメーションのクオリティが半端なく高いからではないでしょか。

今回わたしは、映画→マンガ→映画→映画と来ていますが、2回目3回目はストーリーが分かっている分、アニメーションを純粋に楽しめるので「ここはそう表現してくれたのか・・・あぁありがとうございます」ってなってます。

クリエイター、クリエイティブについて

今回の作品は漫画家をテーマにしています。漫画家をもう少し広く捉えるとクリエイターであり、クリエイティブはクリエイターの頭の中にあるものを現実世界に具現化したものです。

頭の中のものをクリエイティブとして完璧に表現することは不可能です。(そもそも完璧ってなに?だし) クリエイティブとして表現しきれない情報もあるでしょうし、違う意味になってしまうものもあるかもしれません。それでもできるだけうまくクリエイティブに乗せるために、クリエイターは日々活動を続けて表現方法を磨いたり、新しいものを創り続けているのかもしれません。
一方でそのクリエイティブは受け取る人によって様々な解釈がされます。その人の趣味趣向・バックボーンや考え方・捉え方によってその受け止め方にも無限の可能性があります。ときには意図しない受け取られ方をして非難されることもあるでしょうし、その覚悟も必要です。
自分の頭の中のことを伝えられたらどんなに楽なのか?そう考えるとクリエイター・クリエイティブってものすごい活動だなと思います。

でもよく考えると、日々の人間活動って全てクリエイティブだし、人間全員がクリエイターと言えるのではないでしょうか。

誰かに自分の思いを伝える、もっと便利にしたい、世の中の仕組みを変えたい、こういった自分の頭の中にあるものを、言葉や資料、プレゼンテーションやジェスチャーによって現実世界に具現化し、相手に伝える活動はすべてクリエイティブであり、その活動をする人全員はクリエイターと言えます。

そのクリエイティブ活動の中で、私たちは日々考え・悩み、そして頭の中だけに留めておくのではなく、現実世界に具現化していく。誤解があれば謝るし、後悔だってする。それでもたまに「あー、これが言いたかったんだよ、ありがとう」「こういうのが欲しかったんだよ」って言われ、それは本当に嬉しいし、救われたと感じる。

だからこれからも「描き続ける」。

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