見出し画像

私の50歳からの定年後の準備(その2:再雇用制度)


定年後6つの選択肢


58歳になり、会社はいよいよ定年を迎える社員を集めて「ライフデザインセミナー」を開催しました。前回50歳の時は事前準備のセミナーでしたが、今回は事務的な事も含めた定年準備セミナーです。しかも今回は配偶者の理解と協力のために、配偶者も同伴できました。私は妻と一緒に参加しましたが、同伴者は私たちともう一組だけでした。

まずセカンドライフについて外部講師が講演しました。なんと75歳の先生でした。

「60過ぎたら、歳を意識するな」
「これからは実年齢ではなく、機能年齢の時代
「自分にとって魅力あるプランをつくる」
「健康第一」
「一度のんびりすると、脳の老化が加速する。現役だから元気」
「外に出る。歩く。好奇心を失わない」

「機能年齢」というのは良い表現だと思います。人生の先輩ですからお話しにも説得力があります。若々しく働いている姿は励みになりました。

講演の後は人事部から退職金・年金制度についての説明がありました。退職金の受け取り方法や、1年遅れでやってくる退職後の住民税(これがけっこう盲点)の納付方法など具体的な説明を受けました。

退職後のライフスタイルには、6つの選択肢があると説明します。

①働かず、悠々自適な生活
②社内で再雇用
③社外に転職
④少し休んでから働く
⑤アルバイトなど少しだけ働く
⑥キャリア生かして起業・自営業

そのそれぞれの雇用保険、健康保険、年金、税金がどうなるか具体的な説明をしてくれました。具体的な話を聞くと、いよいよ定年間近なのだと思い知らされます。

「働かず、悠々自適な生活」をしている同期が何人かいます。日々の暮らしや趣味の様子をSNSで公開しています。これはこれで良いですね。ただ私はまだまだ現役でいたい。

「社外に転職」した同期もいます。まったく違う仕事になりましたが、やりがいがある仕事だそうで、生き生きとしていました。

「少し休んでから働く」のはどうなのかなぁと思います。セミナーで先生が「一度のんびりすると、脳の老化が加速する」と言っていましたが、確かにのんびりすると、いろいろめんどくさくなってしまいます。

「社内で再雇用」については、人事部から詳しい説明がありました。65歳まで再雇用してくれます。ただし収入は下がります。配属先も仕事の内容もどうなるかはわかりません。

この選択肢は収入が保証されるので安心です。就職活動や起業も必要ありません。しかし、実際再雇用で仕事をされている先輩の姿を見ると、私はちょっと気が重かったのです。

再雇用制度のデメリットとメリット


再雇用制度とは、従業員の希望に応じて定年退職した後も同じ会社もしくは子会社などで働くことができる制度です。

2013年に改正された「高年齢者雇用安定法」第9条で、
・65歳までの定年の引き上げ
・65歳までの継続雇用制度の導入
・定年の廃止
のいずれかの措置を制度化することが義務化されました。

私の会社は「65歳までの継続雇用制度の導入」を行なっていました。この「高年齢者雇用安定法」は2021年4月に再び改正され、努力義務ですが、65歳が70歳に引き上げられましたね。

●高年齢者等の雇用の安定等に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=346AC0000000068_20210401_502AC0000000014

会社にとっての再雇用制度のメリットは、
・人手不足の解消と採用コスト削減
・顧客との関係維持
・助成金給付がある
です。

一方で、デメリットは、
・若い労働力が育ちにくくなる
・希望者は全員再雇用する必要がある
ということです。

再雇用制度の従業員側のメリットは、
・慣れた仕事環境で働ける
・再就職活動をしなくて済む
です。

仕事を続けたい場合、再就職や起業はなかなかハードルが高いです。その点、再雇用ならばその手間がかからず、固定収入も見込めるので安心です。

デメリットとしては、
・役職や仕事内容が変わる可能性がある
・時給制で時間拘束
・年金が減額される場合がある
です。

私は管理職だったのですが、管理職のまま定年を迎えた人には、再雇用制度は厳しいかなと思いました。

私の会社でもコールセンターで働いていた人や、営業マンとして第一線で活躍していた人は、再雇用で引き続きバリバリやっていましたが、管理職だった人は部下がいなくなり、「判断」する仕事から元部下と同列に並んで「現場」の仕事を担当することになり、仕事への意欲を失っている人がいました。

また部門長だった方が部下もなく、黙々と実務をしている姿は、ご本人は意欲的に仕事されていましたが、当時の私はなんとなく居心地が悪く思っていました。

●「定年後の再雇用」うまくいく人、ダメな人の差
管理職で定年を迎えた人ほど早々に辞めるワケ
https://toyokeizai.net/articles/-/438672

楠木新さんが著書『定年後』で述べているように再雇用の場合は「期待されない中で働くということも考慮に入れておく必要がある」というのが当たっていると思います。本については、次回紹介いたします。

私の同期には再雇用を選ぶ人が多かったのですが、私はこの時点ではまだ再雇用にするか、退職して起業するか決めかねていました。

つづく

「スキ」ボタンを押していただいたり、SNSでシェアしていただけると、とてもうれしいです。