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【椅子】アールヌーボーからアールデコへ、眺めのヒルハウスチェア!

文字数:約1200字

どうも横山です。
先日「名建築と名作椅子の教科書」という本を買いました。これが面白くて毎日少しずつ読んでいます。
来年ヨーロッパ旅行を友人と計画しているのですが、街並みや有名な建築物を見たときに「すごい……」で終わるのは少し勿体ない気がして。椅子ついでに覚えた建築知識も役立てばいいな、なんて思います笑。

今回調査したのは、ヒルハウスチェア
1904年に誕生したアンティークチェアです。

アールヌーボーとアールデコ

前回の記事で触れたガウディサグラダファミリアもアールヌーボーを代表する建築物のようです。
しかし、アールヌーボーとは何なのか。19世紀末から始まった一連の芸術運動を調べました。

産業革命により、安価で粗悪な大量生産が始まると、その芸術性の欠如に反対して手工業での良質な製品を作製しようとするアーツアンドクラフツ運動がイギリスで興りました。

この運動がきっかけで、機械では生み出せない装飾性に注力し、「新しい芸術」を生み出そうとしたアールヌーボーと呼ばれる芸術様式が誕生しました。

アールヌーボー様式「タッセル邸」の内装
引用元:https://www.pinterest.com/pin/863354191038132794/

その特徴は曲線的であり、花や植物などの有機的なものがモチーフにデザインされていることです。

このアールヌーボーが第一次世界大戦を契機に衰退した後、大衆が大量生産を求めた時代に流行したのがアールデコです。装飾に手間暇をかける余裕がなくなり、機能性を重視しました。直線的なデザインとなり、幾何学模様が多用されました。

アールデコとヒルハウスチェア

引用元:https://www.designstoelen.org/houten-stoelen/hill-house-chair-ladderstoel-charles-rennie-mackintosh/

アールヌーボーの提唱者の1人であるチャールズ・レニー・マッキントッシュが自身の建設したヒルハウスのためにデザインしたのが、このヒルハウスチェアです。

別名ラダーバックチェアと呼ばれるように、梯子(ラダー)を思わせる1メートル40センチの高い背が特徴です。アールデコの通り、直線的で幾何学模様の基本である格子が背の上部にみられます。

ヒルハウスチェアは椅子としての機能はもちろん、眺めるもの(芸術)としての構造を持っているのです。

振り返り

「アールヌーボー、聞いたことある」の状態からまた一歩成長しました。
ロココと新古典主義で見られた曲線と直線の流行りがここでも見られて、時代は繰り返すのかなとか、面白い気づきでした。

ヒルハウスチェアのあまりの背の高さに、広い家じゃないと映えないだろうなと笑。家に合わせてデザインされた椅子ということで、ヒルハウスにはピッタリのインテリアなのでしょうね。


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