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第9回 くらがく(主権者教育について)

「主権者教育」って何?

その言葉の意味を知ることから今回のくらがくは始まりました。


講師は岡山大学の学生

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今回の講師は岡山大学で心理学をまなばれている、3回生の 有澤 可菜 (ありさわ かな) さんです。その他にも大学・高校生向けのキャリア教育に関心を持たれているようです。


主権者教育とは?

主権者教育とは文字のごとく、主権者を教育することです。
では、主権者とは?
一般的には「国家の現実の支配権を持つ者。※」として定義されていますが、今回のくらがくで有澤さんは「国や社会の問題を自分の問題として捉える有権者」と定義しました。
※引用:「コトバンク 主権者」https://kotobank.jp/word/%E4%B8%BB%E6%A8%A9%E8%80%85-528381

社会の線引き

今回のテーマのキーワードである「社会」ですが、その言葉の意味については少し抽象的な部分がありますよね。単語ひとつにおいても多様な意味があるのですが、有澤さんは自分→社会→世界の順に含有されるものとして考え、
・世界「他国などの自分とは遠いもの」
(例) 他の国、国会、市場、権力
・社会「自分の周りの人とのつながり」
(例) 友達、大学、バイトetc
というように今回のくらがくの中で定義しました。


「私たちは世界とつながっている、らしい」

先程自分と社会、世界を構図で表した有澤さんですが、それらとつながっているという感覚が、頭では分かっていてもピンと来なかったそうです。
 また、3回生ともあって就職活動で「大人」「社会人」という言葉に多くふれ、「何者」かにならなければならないという焦りを感じたそうです。このような社会との関係について考える機会が増えたことも、今回のテーマを考えるきっかけに繋がったのかも知れません。
有澤さんはこの"世界とつながっている"という感覚を内面化し、身近に感じてもらうことで主権者としての意識を持ってもらえると考えたそうです。


選挙について

選挙についても下から主権者→立候補者→当選者というピラミッド構造があり、主権者の私たちからすれば当選者は遠い距離があるように思うかもしれません。しかし、当選者は私たちが「投票」を行うことにより選ばれている。つまり、元は当選者も私たちと同じ立場の人間だったのです。考えてみれば当たり前のことですが、言語化されることによって、より身近な存在に思えて来るのではないでしょうか。


選挙に行かないとどうなる?

日本は民主主義国家であり、国民に主権があります。そして選挙が行われますが、先程のように私たちが当選者を決めるのです。なので選挙に行かないということ=権利を放棄することであり、それが積み重なることで、政策の傾向が選挙に行った一部の人たちに向けて偏ったものばかりになる可能性もある、と有澤さんは言います。
どういう事かと言うと、高齢者が多く投票に行けば社会福祉にお金が使われ、若者が行かなければ教育など、若者に使われるお金は少ないままということです。立候補者も投票してくれる人にアピールしたい訳ですから当然の結果です。
しかし、未来を担う若者への投資が少ないというのは如何なものでしょうか。この現状を打破するには"自分たちの力に気づくこと"が大切だと有澤さんは考えました。

"自分たちの力に気づくこと"

有澤さんは"自分たちの力に気づく"ために、
・どう生きたいか
・どんな国でありたいか
・どう関わるか
についてロードマップを作成し、可視化することで自分と世界とのつながりを感じる方法を考えました。
そこから、「人との数だけ関わり方があり、民主主義に正解はない。」ということを導き出しました。そのためには自分で考え、判断し、行動することが大切だと有澤さんは考えました。

参加者と一緒に考えた問い

今回参加者とグループワークで考えた問いは2つ。
オンライン1グループ、対面で2グループの計3グループで話し合いました。

1,自分と社会が繋がっていると感じる時は?
2,また、社会は自分と今後どんな風に関わってくるか?


アルバイトで帰属意識を感じる時という意見もあれば、コーヒーを買う時に発展途上国の劣悪な労働状況に思いを馳せる方、仕事で身近な関わりを持つ方など、規模も様々な多様な意見が出ました。
また、主権者教育を受ける、まだ有権者でない子供の責任をもつ、親世代にも語りかけていく必要があるのではないかとの興味深い意見も。
そこから主権者教育は強制されるものではなく、自発的な行動が出来るようになればいいなという考えに至りました。

最後に

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主権者教育の「自ら考え、判断し、行動すること」とくらがくでの活動には繋がりがあるのではないでしょうか。この場に集まって下ったさ皆さんも誰かに強制されたのでは無く、自発的に参加されたかと思います。
主権者教育でも、選挙や民主主義の仕組みを身近に知るためにも、まずは国や社会への活動に参画していくことが重要かと思います。
ここにくらがくとの共通点があると考えました。
くらがくに参加し、参加者との関わりをもつこと。この行動が既に社会とのつながりをうむ行動になっているのではないでしょうか。
くらがくへの参加を通して、誰かの"自分たちの力に気づくこと"につながれば嬉しく思います。


くらがくは、身近なテーマから社会問題まで、その日集まった人と一緒にまなぶことができるプラットフォームです。参加してくださった皆さま、ありがとうございました。




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