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くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第193回 「あなたのコミュ障はどこから?テクノロジーでコミュ障も乗り越えられるのかな?」ってお話

登場人物

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[く] こんばんは。くらげです。

[寺] こんばんは。寺島です。

[く] 早くも年明け2回目のnoteとなりました。仕事も始まりましたが、仕事始めからこっちやら寺島さんはいかがですか?

[寺] いやまあ、私の場合バイトの休みは、溜まった家事や漫画を進める時期なので、それなりに忙しく過ごしていました。自走で大分まで帰省しましたしね。そのせいか、この週末はぐったりしてましたねー。

[く] お大事に(笑) ボクは人工内耳のリハビリに行ってきました。仙台まで日帰り弾丸ツアーだったので大変疲れております。

[寺] くらげさんは人工内耳の手術を仙台で受けたので、そのまま調整にも仙台まで行ってるんでしたっけ?東北には詳しくないので、どの程度の距離感か分かりにくいのですが(笑)

[く] 1番早い新幹線なら仙台駅から東京駅まで1時間40分くらいなんですが、仙台駅から病院まで遠いですし、なんやかんやでリハビリに時間が2時間に対して移動時間が14時間みたいな感じです。

[寺] 仙台で一泊していくと少し体は楽じゃないかと思うんですが、難しいですか?

[く」 そうですね。泊まっても家のことが心配でのんびりできませんからそれなら多少疲れても家に帰った方がリラックスできるかという判断もありました。

[寺] あおさんを1人にしておくわけにはいきませんか。小さなお子さんがいるとか、介護が必要なお年寄りがいるとかでも同じだと思いますが、家族に支援が必要な方がいるとなかなか外出もままなりませんよね。それぐらいの時間はあったなあと思うのは後でのことで、どんな僅かな時間でも致命的なことが起こる時には起こるので。

[く] 本当に思ってもみないことが起きますからね。とはいえ、本当に24時間一緒というわけにもいきませんし。

[寺] あおさんも、ビッシリ一緒は勘弁だと思いますよ。(笑) 私たちは子どもたちを置いていけない時は車で全員で出かけます。宿題とか仕事とかもそれぞれ手一杯持ってね。でも車がないとそのようなことも難しいですよね。

[く] 私は免許は持っているんですが、もう10年以上運転していないので車の運転は難しいですね。早く自動運転技術が来てくれないかなと思っています。

[寺] 研究はどんどん進んでいるので、それほど先のことでもないと思いますよ。ところで人工内耳のリハビリって何をするんですか?

[く] 基本的には聴力検査をして聴力が変化していたら、それに合わせて人工内耳のマッピングという音の調整をするんですね。私の場合は今回も人工内耳を入れた方の聴力は安定していたので、微調整程度でした。ただ、今回は担当していただいた言語聴覚士が別の病院に移ることになったそうなので、その前に検査をしてもらいたかったのと、いいタイミングなので東京の病院に転院しようと思って紹介状書いてもらっていたんですね。

[寺] なるほど。さすがに毎回毎回、仙台にリハビリに行くの大変ですものね。東京の病院というのはもう見つけてあるんですか?

[く] 電車一本で行けるところに大きな病院があってそこで受け入れてくれそうです。僕は東京にはこういう時は東京には大病院がたくさんあると助かりますねぇ。しかし今回は聴力検査をしたら、人工内耳を入れていない右耳の方は、補聴器をつけてもほとんど言葉が判断できないレベルまで低下していたんですね。

[寺] ほうほう(梟) 進行性難聴が進んでしまっていたということですか。もし貸したら早めに人工内耳をつけていて良かったかもしれませんね。聴力が下がっても人工内耳は使えるんですか?再調整?

[く] 人工内耳の方は調整すればかなり出力を上げることができるので、それほど問題ないとは思います。それにしても、生耳が全く使えないのに機械をつけえば電話もできるということに対してあらためてキャップを感じまして、アイデンティティがますます揺らいでいます(笑)

[寺] なかなか経験できないことだと思うので、考えたことなどはメモしておいて後で使うといいですよ(笑)さて、前置きが大変長くなったのですが、今週の大きなトピックスとして相模原障害者殺傷事件の裁判が始まりましたね。

[く] いきなり法廷で暴れて退場処分になったという信じられない事態から始まりましたが、どう転がってっていくかさっぱりわかりませんね、これ。

[寺] 植松被告を取材した記者が「成功者になりたかった」と言っていたと書いている記事を見てあんたんたる気持ちになりました。「でも金もないし無理だった、せめて世の中のためになることをしようと思った。」って。彼の言う「世の中」は熾烈な競争社会そのものだったのかも。

[く] それは実際、現代の日本の一面ではあると思いますよ。

[寺] でも、それは前の戦争に負けた老人の経済リベンジなんだと、現代の日本は既になんのために走り続けているのか分からなくなっている人が多くなっちゃってる状態だと私は思っているので。障害者も、女性も、老人もいて社会なんだと、彼に誰も教えなかったのかと思うと…戦後のゆがみがここに出てきちゃった感じしますね。

[く] 昨年は無敵の人が起こしたりした殺人事件などもあって、ちょっとこの件をいろいろ再考しているんですが、障害者がどうのこうのというよりも、社会全体がもともと弱者をかえりみないと社会だったんだなぁ、みたいな絶望感はあります。

[寺] 豊かさはあったかもしれないけど、余裕がなかったのかもしれないですね。植松被告に関しては「障害者」が殺しやすかったというだけでしょう。ただ彼らの論理では「殺しやすい=弱い」なので、弱い人を「社会」のために間引いてやったという論理なのかなと。でも、自分が本当に競争社会や経済社会から切り離されて獄中にいると、次第に「おかしいな」と感じ始めてるんじゃないかという印象も記事からは伺えました。でも、もう後戻りができない。自分の認識が間違ってたと認めたら、自分のやったことが無意味だと気付いてしまうじゃないですか。それは心理的に抵抗があると思うんですよ。

[く] 明確な反省は聞くことはできないでしょうね。

[寺] このタイミングで、被害者一人の19歳の女の子が、自閉症で言葉によるコミュニケーションができなかったが、絵を描いたり笑うことはできたという話がご両親から出てまして。それ出来てて「コミュニケーションができない相手」って言ってるの厳しすぎないか?と思いましたねえ。打てば響くような会話ができないとダメなの?つらいわぁ。

[く] あおが障害者がコミュニケーションがとれないのではなく、植松被告がコミュニケーションとれなかっただけ、と言っていましたね。

[寺] 私もそう思いますね…。まだ分からないことも多いですし、この件についてはこれぐらいにしておくとしましょう。それでですね、これに触発されてか発達障害者のあるコミュニティで、自分もコミュニケーションを取るのが苦手なのですがどうしたらいいですか?というざっくりした質問が投げられているのを見まして…。

[く] コミュニケーションの問題に悩んでいる当事者はやはり多いですよね。

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妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。