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くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第342回 「ChatGPTは体力のない発達障害者を助けることになるのかな?」ってお話

登場人物

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本文

[く] こんばんは。くらげです。
 
[寺] こんばんは。寺島です。
 
[く] 今月ももう20日ですよ。毎回毎回言ってますけど早いですね…。先日39歳になりまして、あと1年足らずで40歳ですよ。あまり信じたくない事実ですね(笑)
 
[寺] おめでとうございますー!(パチパチ)お誕生日が迎えられて良かったじゃないですか。これからさらに早くなるので覚悟して行きましょうね(笑)
 
[く] 実感のこもった祝辞ありがとうございます(笑)しかし、なかなか原稿が進まないんですよね…。noteのAIに原稿執筆をお願いしたいです…。
 
[寺] noteのAI?ああ、「創作支援ツールAIアシスタント」のことですね。

note株式会社「創作支援ツール「note AIアシスタント(β)」を近日公開

今はβ版で、モニターとして選ばれた人と、noteプレミアムに申し込んでいる人のみが試験的に使える段階みたいですね。
 
[く] 実際にちょっとnoteのAI機能を使ってみましたが、今のところ、タイトルくらいは作ってくれるみたいですが、記事自体の文章を作成する 能力はないようです。「役に立つか」というと使い方次第でしょうがまだまだ「実用的」とは言い難いかなと。
 
[寺] どういうものを「役に立つ」と考えるか次第じゃないですか?私はアウトラインを作ってくれる機能とか、結構面白いと思いますよ。

[く] 今話題のchat-GPT-4みたいに、設定を読み込ませたら読み物として読める文章を量産してくれるようなものじゃないみたいですね。

[寺] noteのAIの下敷きになっているchat-GPT3.5も元々は同じ技術なので出来ないことはないと思うんですけど…noteは創作者がいる前提で、その創作を「ちょっと助ける」という位置づけなので、それっぽい記事を自動生成することは多分ずっとやらないんじゃないかなー?と思いますが…。どうかな?要望次第かも(笑)
 
[く] しかしまぁ、ChatGPT-4はすごく話題になっていますね。発達障害界隈ではそれほど盛り上がってないみたいですけども。
 
[寺] 先日リリースされたGPT−4は未来を示してくれましたね!私はついに来るべきものが来た!と思ってます。今のところ、ごく一部のデジタル強者が「あれもできるこれもできる!」とはしゃいでいるだけに見えてるかもしれませんが、すぐ私たちの生活を変えるというレベルまで来ると思いますよ。

[く] すごい技術だなとは思いますし、いずれ来るだろうということは分かっていました。ただ、一人一人の未来が明るいかどうかはわかりませんよね…。Web ライターのような仕事をやっているボクなんかは不安で不安で仕方ないですよ(笑)
 
[寺] それはアレですか、いわゆる「AIに取って代わられる」という…?

[く] そうですね。もちろん自分では、それなりの労力を割いて情報を集め、自分なりの解釈や切り口で、都度一生懸命書いているつもりなんですが、その出来たものがAIと大差ないという現実…ホント落ち込みますね。

[寺] そうですよね〜。例え大きな違いがあったとしても、クライアントが必要とする効果…タイトルをクリックして広告を見てもらうとか…が一緒だったら、あえて人に頼むなんて面倒くさいってなる可能性もありますからね。それはもう我々絵を描いて暮らしているものにもガッツリ関わってくる問題ですよ。
 
[く] かなり「才能」の意味合いが変わってしまうかなという実感はありますね。それが発達障害を持ってる人たちにとってどういう影響を及ぼすかはちょっと分からないんですけど。
 
[寺] Webライターをやっている個人ということになると複雑かもですが、発達障害の「障害」の部分にフォーカスすると、嬉しいことが多いんじゃないかなと思います。

[く] どういうことでしょう?

[寺] 一般的にGPT的なAIはデジタル作業の手間を大幅に削減してくれるので、延々とプログラムのコードを書いたり、イラストの下塗りをしたりといった時間のかかる作業から解放されるはずです。発達障害のある人は体力がなくて仕事を継続できない人も多いので、ここがネックだった人が同じステージで戦えるようになるのは良いことだと思いますね。
 
[く] ああ、体力の問題は大事ですね。ボクもやばくなると1日何時間もずっと座ったままになっていますしね。体力が少ないタイプの発達障害だったら耐えられないと思いますよ。
 
[寺] どうやっても6時間でガス欠になるという人は、「一丸となって進む」ことが求められる現場ではやってられないですからね。でも高齢化も進んでいますし、時短は時代の要請でもあると思うんです。だから、ルーティンの作業を代替してくれるAIはもうほんと1~2年の間に出来るんじゃないかなあ、と思います。実際、chat-GPT-4では「こういうプログラムを書いて!」というのは、ほぼノーコードで実現可能になりました。
 
[く] でも、基礎的な知識はないとダメですね。
 
[寺] そりゃあ...コードをぽちぽち打つ時間が節約になるという話で、修正するためには自分に知識がないとダメですから。本来は自分で作れるというのが基本ですよ。そもそも何をどう作ったらいいか分かってないと何も作れないですし。
 
[く] それだとまだまだハードルが高いような...。ただ、ボクの場合はコードを見せられたら「無理」となると思いますけど、Twitterなんかで公開されているプロンプト(刺激・促進をの意味。コンピューターへ指令を伝えること、その文面)を見て「これならできるのでは?」と期待感が高まるのはありますね。自然言語処理によるプログラミングのいいところってそういうところかもしれません。
 
[寺] ちょっと発達障害と関係ないかもなんですけど、絵を描くデジタルのシステムって、元々はペジェ曲線だって知ってます?
 
[く] それは知ってます。知ったとき「へー」ってなりました。
 
[寺] どこかの高校で、数式を読み込ませてエクセルで絵みたいなのを表示させる大会に挑戦するというのがあって、ドキュメントがテレビで放送されたので話題になったんですけどあれを、タブレットなどで「自然なペン操作」で入力できるようにしたのが元祖Photoshopなんです。私たちは、既に「ペン操作」でプログラムを書いている状態だったんです。
 
[く] たまに「オシロスコープでお城を書いた」とかいうツイートが流れてきますけど基本的にはそういうことですね。
 
[寺] ベタなギャグだなぁ…(笑)当たり前ですが、デジタル画像をコンピューターで読むと中身は数式なんですね。だから解析することもできるし、人間から見て似ていないものでも似ていると判断することもあるんです。今回話題になっているchat-GPTも、私は「ペンで命令を伝えてコードの置き換えてくれる操作」に加えて、「自然言語をコードに置き換えてくれる操作」がコンピューターに効くようになったんだなあ、という印象なんですよ。

[く] 寺島さんにとってはあくまでもツールにすぎないというか、まぁ、実際そうなんですけど。

[寺] 今回chat GPTを見て驚いている人たちは、文字というもの、会話というものに「人」を投影させ過ぎてると、私は感じてます。会話ができれば「人みたい」って思うんだなあ。「人みたい」だけど「人じゃないから」自分たちと対立するものと感じてしまうんだなあ...って。

[く] 20年以上前の『人工無脳』ですら「人間っぽさ」を感じる人がいましたしね。うにゅー。
 
[寺] ...それ、この記事の読者はほとんど分かんないと思いますよ…。
 
[く] すみません…。あー、でも、「延々話していないと暴れてしまうような特性がある子」には、すぐにでも使いたい技術だろうなーと思いました
 
[寺] ああ、会話ロボとしてあてがうわけですね。その場合子どもの方は相手がロボだって知ってもの足りなさを感じないですかね…?
 
[く] それこそ「投影」の加減によるかと思ったりもしますけどね。このへんは寺島さんと私だと全然受け止め方が違うところだと思う…。私は「アウトプットがそれっぽけりゃそれでいい」となりがちですけど、寺島さんはそのプロセスにこそ…という傾向がある気がしますのでその差というか。
 
[寺] どうでしょう、「それっぽい」ものを嫌うのは、単に創作に向き合ってきた時間の差かもしれないです。私の周りにはそういうことを考える人も多いので…。意見交換というほどでもないけど、一歩一歩小さな正解を積み上げている業界ではあるような気がします。まあそれはさておき、うちの息子はその「延々話してるタイプ」なんですが...(笑)

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妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。