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くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第238回 「IQの数値と発達障害ってどういう関係性があるのかな!?検査方法の違いもあるの!?」ってお話

登場人物

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本編

[く] こんばんは。くらげです。

[寺] こんばんは。寺島です。さて、明日で今年も終わりですね!

[く] いろいろありすぎて大変な年でしたが、生き延びただけで良かった、ということにしましょうか。

[寺] 何度か話していますが、くらげさんは「障害」が「障害」でなくなった年だと言っていましたね。

[く] もう、色んな人がいろんな形で大変すぎて、「自分の生きにくさ」が相対的にそんなに苦しいものでもなくなったなぁ、というか…。

[寺] 人の幸せは相対的に感じるものと言いますからね。くらげさんにとっては標準家庭的なところにいる人に比べて、大変生きにくさと不公平感があったわけですよね。それが日本人の半分くらいが一気に制限された生活を余儀なくされて、かえって平等を感じるようになったということなのかもしれません。絶対的にいうと良いこととは言えないのですが、自分の生きにくさを相対化して考える「余裕」が出来たことはとても良かったと思います。

[く] そういえば、年末ということでまだ読んでなかった本を消化しているんですが、鈴木大介さんの「されど愛しきお妻様」という本を読み始めました。鈴木さんの「お妻様」が発達障害で、その付き合いから結婚、鈴木さんが脳卒中で高次脳機能障害になってお妻様がどれだけ大変なのか理解する過程を綴った本なんですけど、めちゃくちゃ面白いですね!

[寺] というか、まだ読んでなかったんですか!(笑)私は読んでいて「くらげ家と似ているなぁ」と思いましたよ。発達障害があるのは妻だけだと思ってたのが、自分もなってしまって、次第に自分ごととして整理されていくくだりとか。くらげさんの場合は「なった」のではなく、もともとあったことを発見したわけですけど。

[く] 似ている、というか、そのまま鏡写しというか…。他人の人生の話を聞いて「あ、これ、自分そっくりだ」と感じたのは初めてかもしれません(笑)

[寺] 実際にくらげさんの人生は他の人が経験することが少ない波乱万丈なところが多いですけど、くらげさんって意外に「共感力」が弱いので、他の人の人生から共感できる部分を読み取るのが苦手なのかもです。興味を持てるような属性の似たモデルがいて良かったですね。

[く] 部分だと無理かもしれませんね。シンクロ率90%ぐらいでないと。

[寺] エヴァンゲリオンですか!でも「普通の人」ってそうなんですよね。概ね感性が似ているので他の人の人生の話を聞いて「共感」するんです。それでぶわっと快感物質が出る。我々売文書きは「目を引くような新奇性のあるネタ」1割と「共感性のある感情の動き」9割をブレンドして仕事をしているのですよ(笑)

[く] それ言っていいんですか(笑)で、「されど愛しきお妻様」を読んでいて感じたことは、「働きすぎはいけない。無理すると割と簡単に体を壊す」ということですね。

[寺] そこ?発達障害関係の本からそういう結論を導き出しますか…!


[く] 我が家のお妻様とトラブルはだいたい一通り経験して、なんとか乗り越えていることばかりなので…。そういう意味では、鈴木さんのほうがほんと心配しますよ。くらげ家は私が全部主導権を握っている感じがあるかもしれませんが、実はあおが「No」と言ったことは間違いなく出来ません。私の手綱はあおが握っていますね。

[寺] それ周りににはダダ漏れですんでどうぞご心配なく(笑)でも手綱を握られていても支配されているわけではないですよね。「人生、主導権を委譲する」と決めるのも権利ですから。そこでちゃんとくらげさんの選択は入っているわけです。会社組織とか戦争状態になった国とかは、そういう「主導権」を自動的に握ってくるから嫌なんですよ…。

[く] まぁ、主導権を渡す、というと、相手は頭がいい人だとか、立場が上、とか、そういうイメージなんでしょうけど、あおは一般的ない意味ではどちらにも該当しません。ただ、あおの「カン」と「人を見る目」には信頼をおいていて、あおがNoといったことを強行してろくでもないことになったのが無数にあるので…。

[寺] いやいや、カンというのは言語化できない知識の蓄積なので、たぶん、多数の人と違うところに知的活動の能力があるのでしょう。あおさんは今のIQは低いとお聞きしましたが、IQは兵士の選別のための知的能力だけを測るために開発されたもので、正確に機械を操作できるとか、運動ができるようなことも含むので、日本の多くの人がイメージするようなお勉強ができるとは限らないんですね。また検査で点数に優劣がついたとしてもそれは計測できる一部の能力に過ぎません。包括的な「人として」の優秀さを測ることはできないですから。

[く] じゃあ、IQってなんなんですかね?ざっくり頭のよさだと思っている人も多いと思うんですが。

[寺] ざっくりなら頭のよさと捉えていても良いんですけど、IQは良いはずなのになんでごにょごにょ⋯?という人もいるのが発達障害なので、少し細かく見ていきましょうか。

[く] あまり細かくなり過ぎないようにお願いします(笑)

[寺] 努力はします。IQとは定義すれば「目的を持って行動し、合理的に考え、効率的に環境と接する、個人の総合的な能力」のこと。日本語では「知能」と訳されます。IQとひとことで言いますが、「言語性IQ」「動作性IQ」に分けて算出されます。算出方法は一般知識、一般理解、算数問題、絵画配列や符号などを読み取れるかのテストの点数から一定の法則をもって導き出されます。

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妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。