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くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第222回 「『友達やめた。』の試写会に行ってきて発達障害者の『優しさ』を考えた」ってお話

登場人物

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[く] こんばんは。くらげです。 

[寺] こんばんは。寺島です。

[く] さて、8月も終盤となりましたが、連日の猛暑でくたびれ果てているところになにかとこう色々用事やトラブルが重なって、しまいにはちょっと書いたことが過去最大級に盛大にバズってしまったり、安倍総理が辞任したりと、毎日てんてこ舞いですね!

[寺] 確かに社会情勢が大きく変わっておりますが、くらげさんがアワアワしているのはいつものことじゃないかしら(笑)

[く] 何かしら大きな刺激があったらすぐに左右されるのがADHDですからねぇ、大きな政変とかあるとなんか勝手に盛り上がって疲れる、ということもあります。最近は随分落ち着きましたが、これでも。

[寺] 以前は本当に「社会情勢」と自分が無自覚にダイレクトに繋がっている感じでしたものね。それに比べたらだいぶ「自分」と「社会」を分離できてきたかと思います。自分に関わる範囲、関われない範囲、手に持てない範囲などを分けて考えないとすぐイッパイイッパイになってしまいますもんね。

[く] まぁ、確かに社会に関する「議論」は大事なのですけども、少なくともオープンの場で顔も知らない人とガンガン「議論」してもしかたないかなー、というのはここ数年の学びですね。無意味ではないんですが、届く層はほんの一握り、というか、コンテンツとして消費されて終わり、というか。

[寺] コンテンツとまで行っているかどうか…相手も刺激として反応しているだけで、内容は残ってないという場合も多いんじゃないですか(笑)ASDの私にはADHDが逐一反応するのがわからないんですよね。そんな時間があったら自分の作品を作った方が楽しいですし、そちらにメッセージを込めますよ。

[く] ADHDに限らないですが、短期的な報酬で刺激をガンガンまわすことに長けているタイプは、内容そのものよりもレスポンスがあることが面白いこともあるんですよね。まぁ、これを言うと怒られることもありますが(笑)

[寺] ADHD気質の多い人ばかりでワーッと仲良くけんかしているように見えることもありますよ。トムジェリみたいに(笑) そうそう仲良くといえば、くらげさん、「友達やめた。」という映画の試写会に行ってきたんでしたよね。私も推薦文を書かせて頂いたりと、少し関わっているんですが、感想など聞いてもいいですか?あと、メインキャラクターに発達障害のある人が出てくるという事で、内容も少し紹介できたらと思うんですが。

[く] はい、「友達やめた。」というのは聴覚障害のある映画監督である今村彩子さんが、友人でASDのある「まあちゃん」との交流を描いた映画です。それで、3ヶ月くらい前に広報担当者から「くらげさんにパンフレットの原稿を書いて欲しい」という依頼があったんですね。

[寺] 聴覚障害者とASDの組み合わせといえば、くらげさんとあおさんの関係にも当てはまりますね。やはりそういう観点から見てほしいという事だったんでしょうか?

[く] 特に縛りとかはなかったので、自由に書かせていただきました。どうも「まあちゃん」が「ボクの彼女は発達障害」をご存知だったようで、そこから話が来たみたいです。

[寺] へぇ、本からだったんですね。読んでいただけて有難いです。くらげさんの方は今村監督のことはご存知だったのですか?聴覚障害者だということですが…。

[く] 今村監督の前作「スタートライン」は、だいぶ聴覚障害の界隈でも話題になったので「今村さんという聴覚障害のある映画監督がいる」というのは知っていました。ただ、もともと積極的に映画館に足を運んで映画を見る、という習慣がないんで、それほど関心を持っていたというわけでは無かったです。

[寺] それはやはり映画の音声や音楽が聞こえないから、とか?

[く] もちろんそれもありますが、洋画の日本語字幕版でもそうですし、人工内耳が適合してだいぶセリフが聞こえるようになってからもそうなんです。まず、巨体なのでたいていの映画館の座席が小さいので身をかがめないといけないのが苦痛で(笑)

[寺] そこ!? それはちょっと盲点でしたわ。

[く] あと、ADHDなのでじっと座っているのはやはり楽ではないですし、途中で気になったことを調べたくなりますし、手足をもぞもぞさせたくなるんですね。なので、途中からはもう内容よりも「早く自由になりたい!」というのが先に来て作品が楽しめないんですよ。なので、ここ10年はDVDとNetflixのようなオンデマンド配信でしか見てないです。

[寺] 映画が苦手、というより映画館でじっとしているのが苦手なんですね。うちの子ども達も、2時間はちょっと長いなあ…っていつも言ってます。

[く] そうなんですよねぇ。ただ、発達障害と聴覚障害の付き合い方、というテーマはとても興味があったので、DVDを送ってもらって、この映画の感想を寄稿させていただきました。その一部は公式サイトにも掲載されております。9月19日から劇場公開開始となっております。

また、新型コロナウイルスの影響等もかんがみ、発達障害などで劇場に足を運ぶのが難しい方のためにオンライン配信も決まっているとのことです。

[寺] 映画は映画館で見ることを前提に組み立てられているものなので、本当は映画館で見ていただきたいというのはあるのですが、このご時世、オンライン配信は本当に助かりますね。しかし、このうだるような暑さの中、くらげさんはこの映画の試写会のに出かけたわけですよね。凄いなぁ~(笑)

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妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。