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くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第347回 「博物館・美術館のアクセシビリティが大きく変わる!?障害者の声をこの機会に届けるためには!?」ってお話

登場人物

過去記事マガジンも作ってます

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[く] こんばんは。くらげです。

[寺] こんばんは。寺島です。

[く] いやー、いつの間にかゴールデンウィークも終わってましたねぇ。はやいはやい。

[寺] ゴールデンウィーク前には一本noteを出しておきたかったんですけど…。

[く] すみません!いろいろ仕事が詰まっていたのですが、どうにか目処がつきました。これから頑張ります…。

[寺] ぜひよろしくお願いします!今年のゴールデンウィークはどんなかんじでしたか?フル仕事?

[く] まあまあ仕事でしたが、4月30日は池袋に斧を投げにいって、5月7日は「しゃべらないスナック」というものをやっていました。

[寺] 斧を投げる…?いや、まぁ、こっちはいいです。「しゃべらないスナック」が気になるなあ...。

[く] 以前から「スナックひきだし」というイベントをメインに行う赤坂のスナックから「なにかイベントをしないか」と言われていまして、おしゃべり禁止のスナックというのを企画したんですよ。

[寺] へえ~!喋らないというと会話は手話でってことですか?

[く] もちろん手話でも良いんですが、紙などを準備して自由に書いてみるのがメインでした。ボクはiPadに上下対象に見ることができる筆談アプリをインストールして書いていました。

[寺] iPadのアプリにそんなものもあるんですか。お客さんの入り具合はどうでした?

[く] もともと広いスナックではないので、特にこちらでは広報活動はしてなかったのですが、洒落にならない豪雨の中、6人ほどに来ていただきました。もうちょっと来てほしいかな、とも思ったのですが、スナックのママはこのくらいで良かったと言っていました。

[寺] 人が多すぎたら、きっとアップアップしちゃってましたよ(笑)いつも店を切り盛りしてる主催の方が良いと言うなら、それでちょうど良かったんだと思いますよ。楽しんでいただけたのだったら良いですね。

[く] 手応えはあったので、人工内耳の手術が終わったら、また何かイベントをやりたいと思います。寺島さんはどちらかに行かれたんですか?

[寺] 私も大体仕事でしたが、兵庫県立美術館の恐竜図鑑展と、ゴッホ・アライブという展示を見に行ってきました。もー最高すぎた!どちらもおすすめです!!あ、リンク貼っておきますね!

[く] テンション高いですね(笑)恐竜図鑑展は博物館じゃないんですね。

[寺] 図鑑などに使われた絵をテーマにした展示なんです。厳密には「恐竜」ではない翼竜や魚竜のイラストもあります。正直「その手があったか…!!」と、驚きました。

[く] 恐竜図鑑ですか。お子さんには勉強になりそうですね。

[寺] うーん、そういう感じではないかなあ…。恐竜という存在が「発見」されて化石の発掘が盛んになったのは19世紀ごろなんですが、当時は本当にカケラみたいなものを「多分こうかな〜?」って組み合わせて全身の想像図を作っていたので、図鑑の絵も今見ると奇妙な姿をしていたりするんですよ。

[く] 恐竜が…?

[寺] 恐竜が。でも当時の緻密な絵を描くことを得意とする画家やイラストレーターがガチで手掛けているので、見てきたようなというか、絵自体に凄いリアリティがあるんですよ。でもそれって整合性がない部分を想像で補ってそれっぽく描いてるだけなわけで、それがすごい奇妙というか、不思議な感覚で、大変面白かったです。

[く] ただ上手い絵を展示してるんじゃないんですね。ちょっと面白そうです。

[寺] chat-GTPなどのAIの返答が「正解」じゃなくて「確率的に確からしい」ことで返答を作っていることともなんとなくシンクロしますよね。兵庫の次は東京の上野でやるらしいです。恐竜図鑑は障害者手帳を持っている人と同行者一人までは無料なので、ぜひ見に行ってください。

[く] 博物館も仕事が落ち着いたら行くんだ…と言いつつ全然いけてないですねぇ。

[寺] いけよ(笑)そうそう、博物館といえば、昨年博物館法が変わって、博物館や美術館もアクセシビリティ向上が強く求められるようになったみたいですよ。

[く] ああ、ボクがこの前行ってきた日本科学未来館でも聴覚障害者向けのイベントがありましたが、その他にも視覚障害者等向けのイベントも開催しているみたいですね。

[寺] 日本科学未来館はだいぶ新しい建物ですし、施設自体もバリアフリーやインクルーシブを意識した作りになっていると思うんですけど、全ての美術館や博物館がそうではないですからね。バタバタしているところも多いという話です。

[く] バブル期にできた建物でも老朽化が進んでくる時期ですしねぇ…。ここ10年くらいの建物ならバリアフリー設備も充実していると思うんですけど、30年くらい前だと微妙ですね。

[寺] それより古い建物もたくさんありますよ…!美術館は学芸員になるのに元々美学が必修なので「はいはい、身体性の話ね。金がある分だけやりますよ」って感じで、それなりな対応をしてるんですけど、自然史博物館とか歴史博物館とかは、地方自治体の職員がスタッフを兼任していたり、学芸員ではないスタッフばかりで回しているところも多いらしくて、何をやったら良いかわからん、そもそも何を言われてるかわからんという状態のところもあるらしいです。

[く] そんなですか。歴史ある建物を利用して作られたりもしてるから、単純に新しければ良いというわけでもないんでしょうが…。

[寺] 博物館などは収集と研究が主な業務と認識していたところも多かったはずなので、「急にインクルーシブとか言われても…」となるのも、まあ仕方ないかなぁとも思いますね。そういう現場に指示を出す立場の人の意識を変えていくには、まだこれからかと…。

[く] いろんな事情があるんですねぇ…。まぁ、これまでは「障害者が美術館や博物館に行く」ということがあまり本格的に検討されてなかったということでもあるんでしょうかね。

[寺] いや、これまでも頑張ってはいたんですよ。スロープやエレベーターはほとんどの博物館にありますし、多くの美術館では音声ガイドを使うことも出来ます。でも、現場の頑張りだけでやるのは大変だから、国が「国民のために作られた施設はアクセシビリティもっとがんばれ」と号令を出したわけです。いわば頑張るお墨付きを与えたわけですね。でもそうすると次はそれを実現するには誰が頑張ればいいのか?という問題が出てきたわけですよ。

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妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。