MIRROR WORLD
BACKGROUND
AIと都市空間の距離
AI(人工知能)は倫理的な問題を孕みながらも、社会のさまざまな領域で本質的な環境や価値観の変化を加速させている。さらにディープラーニングを活用したAIは、人間のあらゆる経験から独立した認識を持ち、一種の想像力をも獲得しつつある。小説、音楽、アートなど既にAI による創造性の実験は始まっている。では、都市空間はどうなるだろうか。新しいテクノロジーへの過度な期待と短結的な未来予測は軽薄かもしれないが、かといって都市空間が技術革新と共に進化する可能性は否定したくはない。
そこで我々は、インディペンデントプロジェクトとして「AIと都市空間の距離」のあらゆる可能性の模索を行うこととした。ル・コルビュジェが「住宅は住むための機械である」と唱えてから約95年が経った。AI社会の都市空間は、人間にとって想定内の人工物である「機械」を超えた超自然的状態になりうるかもしれない。
OUTLINE
「UsSTN」心のままに、ワクワクするほうへ
20XX年「UsSTN(Ultrasubjective Space-Time Network)」は、都市が人間の機微を読み取るスキャナーとなり、高度情報集積によってパーソナライゼーションされた「体験物語」のコンテンツをリコメンデーションするミラーワールドである。リコメンドを受け取った主人公はその時折、所々で、新しい発見や感動、揺さぶられる感情を得て、自らの身体をアップデートしていく———まさに「RPG」のような体験がリアルな都市で繰り広げられる。絶妙かつ曖昧で「何かが起こりそうな”予感”を感じさせる物語」の受け手である主人公は、都市体験が「幻想世界」の如く、都市という巨大な羊水の中で彷徨い、道を失い、やがては自分を失うこととなる。それは、自分自身がどこにいるのかもわからないのにも関わらず自分が世界の一部であるかのような、他者との境界なき「没入」の世界に、自己の物語を描くことになるだろう。
「UsSTN」の世界は、人間が生きる意味を愛することに、貢献する。
Proposal : Independent Project
Category : Social Media + Urban design
Principal use : Social Networking Service
Status : Unbuild
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