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天使か悪魔か?「AIが絵画コンテストで最優秀を受賞」をどう見るべきか?

どんなニュースか?

米コロラド州の美術コンテストにおいて、新人アーティスト部門の「デジタルアート・デジタル加工写真」分野で2022年8月に優勝しました。
彼の作品は、ルネサンス絵画とSF風の絵画を組み合わせたような幻想的なものでした。

議論を呼んだのは、その作品がAIによる画像生成ツールを使って制作されたということ。
この作品のAIを使ったのは、「新人の芸術家」ではない。
実は、コロラド州でゲームメーカーのCEOをしている。

彼が使ったAIは「ミッドジャーニー」と呼ばれるツールで、例えば「お菓子の街を歩くぶどう」といったフレーズを入力することで、AIがその指示に従った絵を自動的に、数秒で作成してくれます。
誰でも利用できる上に、使い方によってはかなり高レベルの幻想的な絵が描けるといったことから、昨今、話題になっていました。

これを利用した作品がコンテスト優勝し、世界中で賛否の嵐が巻き起こっています。


どう見るか?

レンブラントAIの事例から見えるもの

数年前にレンブラントの絵画をAIが学習し、油絵の起伏具合まで含め、「レンブラントなら新作をこう書く」という絵をMicrosoft協力のもと、AIが書きました(正確には出力しました)。

この時に感じたのは、これからは「アートで飯は食えない」時代ではなくなるかも、というものでした。

例えば、新人アーティストが自分の作品をAIが学習し、自分が新作を書く横で、自分の作風を持った分身AIが別の新作を生み出し、最後の仕上げを自分でやる。

こうすることで作品制作に時間が掛かることで発生する「少量生産」という、アート作品で稼ぐことのボトルネックを解消できる、というわけです。

ここでポイントなのは、AIの学習元となるアーティスト本人の作品がなければ、AIが描いた作品はこの世に生まれなかったということです。
本人が作ったか、AIが作ったか。
どちらにせよ、その作品を購入者が気に入って金額に見合う価値を感じたのなら、人間かAIかは大きな問題ではないと考えています。

このことを踏まえ、冒頭でご説明した内容を見てみると次のようになります。

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