私の味の一定化
かつては料理は、家族やお料理教室で教えてもらう
ものだった。
しかし現代では、SNSが教えてくれる。
母から料理を伝授される時、私はほとほと困って
いた。例えば…カレーを教えてもらう時
「水をどば~と入れて…」
「ちょっと待って!どば~ってどれくらいの水を
入れるの?」
「えっ?そんなん、わからんわ」
万事がこの調子である。
そういえば、私が小さいころの母のカレーは、常に
味が違った。濃かったり、シャバシャバだったり。
時々、恐ろしく美味しいのが、出てきたりもした。
でも次回もそうなるかと言えば、そうはならない。
そこが賭けだ。つまり、一期一会なのだ。
今やSNSをググれば、何でも作れる時代になった。
ありがたいことに、きっちり分量も書いてあるから
常に同じ味が作れる。すばらしい!
だから私の味は、常に一定が保たれている。
しかし私は、気まぐれに「おもしろそう」と思った
料理も作る。定番が好きな家族からは
「何、これ?」
と質問が来る。
「面白そうだったから?」
「 …… 」
とまぁ…結局のところ、ルーレット的な母の料理と
変わらない。
そして私は今日も又、新たなるレシピとの出会いを
求め、SNSをググってチャレンジングな料理を探す。
家族は迷惑かもしんないけど!
だって楽しいから。
#デジタルで変わったこと
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?